概要
【論点のすり替え】とは、本来の議論しなければならない問題、もしくはその答えが、勘違いか何かによって全く別の問題の議論に進んでゆき、いつの間にか話がすり替わってる(もしくは、すり替わりそうになる)現象を指す。
シンデレラガールズ劇場に学ぶ【論点のすり替え】
西川保奈美「この宝石も『綺麗だから』というオシャレの意味よりは…今まで これに込めてきた『想い』とか…そういうもののために身に着けているのかも」
諸星きらり「うん…そーゆーのすっごく大事だと思う!宝石がキラキラしてるのは…きっと人の想いも輝かせてくれるからなんだにぃ…☆」
大原みちる「人の想い…そうですね!お父さんも、この宝石パンを作る時…いろいろ悩んだからこそ、こんなに美味しくなったはずですから!」
諸星きらり「それに関わる《人の想い》…」
西川保奈美「宝石の魅力とは それを輝かせてくれるから…」
大原みちる「そして 美味しくしてくれるから、なんですね…」
西川保奈美「きらりさんは多分突っ込まないから、私が突っ込むしかないかなぁ…『みちるちゃん…今、宝石の話してるよね?』って…」
___【シンデレラガールズ劇場 第1287話 『宝石の話…だよね?』 】…より
解説
この話は、『宝石』の話題で盛り上がる3人の話なのですが、
ふたりがジュエリーとしての宝石の話題であるのに対して、
大原みちるの話題だけがジュエリーではなく《宝石パン》という宝石の名を冠する『パン』の話題にすり替わっているのがわかるでしょうか…。
これは、一般の人間の女性が「『宝石』という単語を耳にして最初に思い浮かぶモノが《ジュエリー》である」のに対し、
大原みちるが「『宝石』という単語を耳にして最初に思い浮かぶモノが《宝石パン》である」という、
いわゆる【思考のサジェスト汚染】によって起こる現象であり、
例えここで西川保奈美が実際に『みちるちゃん…今、宝石の話してるよね?』とツッコミを入れたとしても、
大原みちるの思考の検索結果がパン(bread)関連で埋め尽くされているため、『はい!うちの宝石パンは、おいしいですよ!』という答えが返ってくることが予想できるはずです。
ちなみに、この問題の最適解は『みちるちゃん…今、私たちは《パンじゃないほうの宝石》の話をしてるのよ…?』である。
この回答の後で大原みちるから『えっ…《パンじゃないほうの宝石》なんてあるんですか?』という返答があるはずなので、
そこで《ジュエリーとしての宝石》のことを教えてあげるとよいでしょう。
【論点のすり替え】が、『ボキャブラリーの不足による語弊』や『思考の優先順位(アルゴリズム)』や『価値観の相違』によって起こる現象であることが理解いただけたでしょうか。
『インパクト』と言われて真っ先に《ゴエモンインパクト》を思い浮かべる人もいるでしょう。
《メローラ姫》というワードを耳にした時に、【ツインビー】か【スナックワールド】か、どちらを思い浮かべるかは人それぞれでしょう。
《野球の道具》を『野球を全く知らない人』に渡しても、教えられずに正しく使える人は限りなく少ないでしょう。
【論点のすり替え】は、こういうことで起こりうるのです。