概要
名の示す通りたくさんの脚をもつ。学名「Myriapoda」は「1万本の脚」の意であるが、Illacme plenipesという最多の脚数をもつヤスデは750本しか及ばない(それでもかなりの数ですが)。
体はほぼ一致の体節と脚からなり、昆虫や甲殻類の胸部や腹部ほどには特殊化していない。このような同規的な体制は、節足動物の先祖形に近いとも言われる。
体が長く伸びるものが多いが、タマヤスデやヨロイエダヒゲムシのようにコンパクトな種類もある。
全ての種類が陸生で、昆虫によく似た頭部(1対の触角と3対の顎)と呼吸器官(気管)をもつことから、かつては昆虫に近縁と思われた。しかし遺伝子分析によると、昆虫はむしろ甲殻類の系統から派生したものであり、多足類は系統的にそこからもう少し離れたグループであると解明された。
また、化石証拠によると多足類は知る限り地球史上初の陸生動物である。また、ほとんどの陸生節足動物と同様に、「虫」扱いとされる動物である。
分類
ムカデ
ムカデ綱(唇脚綱)のこと。
「顎肢」という毒牙として用いられる脚をもち、素早く走り回る肉食動物である。
名前は揃っていないが、ゲジゲジはムカデの1グループである。
ヤスデ
ヤスデ綱(倍脚綱)のこと。
体は丈夫な外骨格に覆われ、ほぼすべての体節に2対の脚をもつ。腐植食性で動きはやや遅い。
エダヒゲムシ
エダヒゲムシ綱(少脚綱)のこと。
腐植食性。触角は3本の鬚に枝分かれ、微小な土壌生物である。
脚は7-9対で、多足類にしては少ない。
コムカデ
コムカデ綱(結合綱)のこと。
ムカデではない。動きは素早いけど腐植食性。エダヒゲムシと同様、微小な土壌生物である。