知らなかったことが罪なのではない。知らなかったことにあぐらをかいて、恥じる心を忘れることが、罪なのだ。
人は全てを知るには……、あまりに矮小だ。
概要
物語の序盤で、ロイド達を助けたことがきっかけで世界再生の旅に同行する傭兵。冷静沈着で無口だが凄腕の剣士で、博識な上、魔法も使うことが出来る。
実はロイド達の敵である「ディザイアン」の上位組織にして世界を支配する「クルシス」の頂点に立つ四大天使の一人であり、ハーフエルフで構成されているクルシスの中では唯一の人間である。普段はシルヴァラントの管理を担当しているが、ユグドラシルの命令で歴代神子の中で最もマーテルの器に適合しているコレットの護衛と監視の為に下界に降り立ち、傭兵と偽って旅に同行していた。
元は4000年前の大戦を終結させた四英雄のひとりであり、以降クルシスの輝石で体内時計を止めて果てしない時を生き永らえてきた。同時にロイドの生き別れの実の父親でもある。
本編から70年前に一度クルシスを離反しており、その後20年程前にディザイアンが管理するアスカード人間牧場でエクスフィアの実験体にされていたアンナ・アーヴィングと出会い、特殊なエクスフィアを宿していた彼女の脱走を手引きした事でクルシスとディザイアンから追われる身となった。古代大戦時代からの付き合いであるノイシュやアンナと逃亡生活を送る中で、アンナとの間に息子のロイドが生まれるが、ロイドが3歳の頃にディザイアン五聖刃のひとりクヴァルに追い詰められ、アンナはエクスフィアを引き剥がされて怪物化してしまう。クラトスは苦悩しながらも怪物化したアンナにトドメを刺したが、アンナはロイドやノイシュを巻き込んで崖から転落してしまう。ディザイアンを退けた後アンナたちを探したものの、魔物たちがディザイアンたちの遺体を食い散らかす光景しかなく、妻も息子も死んだと思ったクラトスは虚無感から全てに対して無気力になり、再びクルシスに戻ってしまった。
しかし本編でコレットの監視の為にイセリアに訪れた時に、死んだ息子と同じ名前を名乗るロイドと出会い、ロイドの育ての親ダイクの家でアンナの名前が刻まれた墓を見たことから、死んだと思っていた息子が生きていた事を知る。そして変わり果てる前のミトスを思い出させるロイドの在り方に希望を見出し、今度こそミトスを止める為に一度は裏切ったふりをしてロイドたちを助けていた。
なおトマト嫌いは息子にもしっかり受け継がれている。
なお、離脱した後も出番そのものは多いのだが同タイプのゼロスと比較するとクラトスはパーティインしている期間が短め。このため頑張って条件を満たして終盤に再加入しても離脱前に術技を使い込んでいないとろくに術技を習得していない、なんて事態も有りうるので注意が必要。
続編『ラタトスクの騎士』にもちょっとだけ登場。
余談だが、実年齢は4028歳くらい。
過去
元々はテセアラの貴族であり、4000年前はテセアラ騎士団の団長としてテセアラ王家に仕えていた。ミトスとマーテルに出会い彼らの思想に共鳴するようになったが、ハーフエルフに加担したとしてテセアラ王から騎士失格の烙印を押され、追放されてしまった。追放後はミトスとマーテル、仲間になったユアンと共に旅を続け、ミトスが世界をふたつに分けた事で大戦終結させるが、戦争終結後にマーテルはマナの独占を目論んだ人間たちに殺されてしまった。
ミトスは姉の復活の為、ユアンは恋人の復活の為、クラトスは同族がマーテルを殺した罪悪感からミトスが発案した計画に乗り、クルシスを創設。ミトスことユグドラシルがマーテル教を設立して人心掌握に成功し、クラトスがシルヴァラント、ユアンがテセアラの管理を担当し、それぞれ天使たちとディザイアンを使い神子と再生の旅を管理してきた。しかし姉を失ったミトスは徐々に歪んでいき、エクスフィア培養の為の「人間牧場」を設立した事でユアンはミトスを見限りレネゲードを作ったが、クラトスはマーテルの遺言からミトスを見限る事が出来なかった。
しかし70年前、シルヴァラントの先代神子(コレットの祖母の姉)が救いの塔の中で様々な要因が重なって起きた事故で世界再生を完遂できずに死亡し、その惨状がマーテルの死を思い起こさせる惨いものだった(実際にユアンは直視できずに思わず管理室から退室し、クラトスは唖然と見ていることしかできなかった)にも関わらず平然としていたユグドラシルを見て、もう優しかった頃のミトスはいないのだと理解してしまい、クルシスを去った。その後各地を潜伏してミトス打倒の方法を探しており、20年程前にシルヴァラントでアンナと出会う事となった。
外伝作品出演
初出演作品。
『1』より登場し皆勤。
13章「裏切りと真実の行方」から登場し、加入はミラージュプリズン編6章「贖い生きる古代英雄と悔悛し惑う神子」。
本作ではロイドと親子関係発覚後の状態で具現化され、更に全く別の世界から来たカノンノ・イアハートの発言で周知になっている。ただしお互い和解前の時間軸で具現化された為、親子間のやり取りはぎこちなかった。
本来の世界では叶わなかったミトスとマーテルを救うという悲願を叶えるが、マーテルを救った際に瀕死となる。過去に対する罪悪感に加え、悲願を成し遂げ満足してしまった事で既に生きる気力を失っており、ミトスからの治療を拒否していた。
その為、ミトスの懇願により、ロイドとシング、コレット、ミリーナが彼のスピルメイズに入り、戦闘も交えて説得。生きる意味を見出した彼は、自身の心(スピリア)と改めて向き合う事を決意、ミトスの治療を受け入れ一命を取り留めた。
以降は救世軍のエージェント的な立ち位置で活動している。
救世軍で交流する際は自然と(見た目が)若いメンバーのお父さんポジションに収まってしまう事が多いのだが、肝心の息子のロイド相手にはどう歩み寄るかでやはり苦悩している部分があり、その点はミトスにも若干の呆れと共に気にかけられている。
なお、剣聖紋、ホーリーソード、破邪滅壊、破邪滅壊陣(破邪滅壊の技変化)、ジャッジメント・トライ、ジャッジメント・ヘキサ(ジャッジメント・トライの技変化)、紅蓮業剣、ラーヴァブラスター(紅蓮業剣の技変化)を新術技として習得。
魔鏡技は「崩翼聖紋」「葬翼絶聖翔」「ジェントリー・デイズ」「マーダー・オッズ」「ブレイブリィ・グレイブ」。