概要
藤子・F・不二雄原作の漫画・アニメ作品『ドラえもん』に登場するひみつ道具の一つ。初登場回はTC23巻収録「異説クラブメンバーズバッジ」。
世の中にある様々な異説を体験することが出来るひみつ道具。実現させたい異説をマイク(メイン画像右)に吹き込むと、バッジ(メイン画像左)を付けた者はその異説の世界へ入り込むことが出来る。
原作では実現出来る異説に制限や限界があるかは不明。その為か、下記のアニメ版や映画版、派生作品ではそれぞれ道具の効果に対する解釈が異なっている。
原作短編
ドラえもんとのび太はこの道具で天動説や月の裏文明説を実現させた。その次に地球空洞説(正確には「学校の近くにある古井戸が地球の中心に繋がっている」とマイクに吹き込んだ)を実現させ、地面の中に広がった世界で「動物ねんど」を使用して地底人を作り上げた。
その後、地底人達は独自の文明を築き上げ、その様子を見たドラえもんとのび太はジャイアンとスネ夫を地底世界に招待した。ドラえもん達は地底世界で楽しく遊んだのだが、ジャイアン達がこのことをテレビ局に知らせてしまい大騒ぎになってしまう。
そこでドラえもんはマイクとバッジを地面に埋めることを思いつく。テレビ局の人達はバッジを付けずに古井戸へ飛び込んだ為、地底世界へ行くことが出来なかった。その後、ジャイアンとスネ夫はテレビ局の人達から「よくも嘘をついたな!」と責め立てられるのだが、ドラえもんはその様子を見ながら「2人には悪いけど、地底人達の秘密はずっと守ってあげないとね」と言うのだった。
水田わさび版アニメ「ようこそ、地球の中心へ」
2009年放送。サブタイトルが変更されており、前編・後編と2週に渡って放送された。
この作品ではマイクで実現出来る異説は1つだけという設定になっている。その為、新たな異説をマイクに吹き込むと、先程まで実現させていた異説は上書きされて消滅してしまう。
それだけでなくマイクを異説世界に移してしまうと、例えバッジを付けていたとしても異説世界に入り込むことが出来なくなるという設定になっている。
基本的には原作通りの展開だが、ジャイアンとスネ夫がテレビ局の人達に地底人の存在を知らせる際、原作とは違って「フエルミラー」でバッジを増やし、テレビ局の人達に配ってしまった。その為、ドラえもん達は地底人の秘密を守る為に、地底世界へ二度と行けなくなることを覚悟の上でマイクを地底世界に落とすしかなかった。
映画『月面探査記』
2019年公開。物語のキーアイテムとして登場しており、上記の初登場エピソードが原案になっている。
この作品では上記のアニメ版とは違い、複数の異説を実現させても今までの異説が上書きされて消滅してしまうことはない。その代わり、実現出来る異説はある程度世の中に広まっている必要があり、新しい異説や単なる願い事は実現させることが出来ないという設定になっている。
作中ではドラえもんとのび太がマイクに「月の裏には空気があって生物が住める」と吹き込み、月面を地球上と同じ環境にした(ただしドラえもん曰く「バッジを外せば命に係わる」とのことで、実際に物語中盤ではのび太が一時的に行方不明になった際、彼のバッジが外れてしまっていることを知ったドラえもんは大慌てしていた)。
その後は様々なひみつ道具を使用して月面人・ムービットやウサギ王国を作り、ドラえもんとのび太はしずか達やルカをウサギ王国に招待した。
学習漫画『ドラえもん 大昔大探検』
1993年発売。原作やアニメ版、映画版とは異なる派生作品。
この作品ではどんな異説でも自由に実現させることが出来るという設定であり、更には実現させた異説に新たな内容や現象を追加させることも可能という設定になっている。その為、上記の作品における欠点を全て解消した性能になっている。
作中ではドラえもんがのび太達に人類の歴史を説明する為に使用した。その際、ドラえもんはマイクに「今でも2000万年前のアフリカ大陸がある」と吹き込み、「どこでもドア」で異説世界に移動している。
その後もマイクに「よし、そろそろ新しい時代に(=人類の進化を次の段階に進めよう)」と吹き込んだり、「どこでもドアを開けば、自動的に次の時代へ向かえることにしよう」と吹き込んでいる。
関連道具
- 定説バッジ
『月面探査記』の登場人物・ノビットが開発した道具。
上記の「異説クラブメンバーズバッジ」の効果を反転させた代物であり、異説世界で生み出された人物(作中では「動物ねんど」で作られたムービット達)がこのバッジを付けると、定説の世界(=ドラえもん達が普段過ごしている現実世界)に現れることが出来る。