実写映画版キャスト:大谷凜香
概要
大津馬中学3年生の女子生徒。主人公・野咲春花の同級生で、彼女をいじめていたグループのリーダー格の女子。
清楚な春花とは対照的に、ロングヘアー(映画版ではボブカット)を茶色(小説版及び映画版では金色)に染めた派手な印象の美少女。
クラスの支配者的存在でもあり、担任の南も彼女の言いなりになっている。しかし妙子自身は自分に付きまとってくるクラスメイト達(及び南)を非常に疎ましく思っており、高校進学を機に縁を切ることを考えていた。
作中では周囲を扇動して春花に陰惨ないじめを仕掛けている。一方で佐山流美のことは自身への異常な執着に(隠し撮りされていたことも含め)気づいていたため、春花以上に忌み嫌い、彼女の転校前後からいじめの標的にしていた。
実家は裕福で、両親との三人家族。父は仕事で全国をあちこち飛び回っている実業家であるためほとんど家にはおらず、普段は母と二人で暮らしている。
将来の夢は美容師。東京に強い憧れを抱いており、都内の理容師専門学校に進学を希望している。しかし、その夢は温厚な母からは理解を得ているものの、高圧的な父から「ただのわがまま」(映画版では更に「娘の就職先は自分(=父)が決める」)と一蹴されており、それ以来言い出せずにいた。
※以下、ネタバレ注意!!
いじめのリーダー格だが、春花の家族の殺害には無関係
いじめグループの中では常識的な感性を失っていない数少ない人物で、きつい言動が目立つものの、本来は他人を気遣う面倒見の良い性格(しかし、流美を執拗にいじめていたことから、気に入らない相手はいびり抜く陰湿な裏の顔があることは否めない)。
春花とも転校当初は仲が良く、自分の夢を打ち明けている(このため、春花は妙子を恨もうとしなった)。また、相場晄の本性を知っていたため、彼を蛇蝎のごとく嫌っていた(漫画版及び映画版では知った経緯は描写されていないが、小説版では相場との親交を築きかけた際、彼が「傷だらけになった自分の母」の写真を見せたことで本性を察知して以来、ストーカー扱いするほど嫌うようになったことが明かされている)。
実は春花に対して百合に近い感情を抱いており(映画版ではそれが強調されいるため、春花とは相思相愛の仲になっている)、いじめを行ってしまったのも、相場と付き合い始めた春花に対して失望したためだった。
そのため、流美のそれとは異なり、いじめも物を捨てるといった間接的な方法に留まっており、自らの暴力で春花を傷付けることはしていない(むしろ周囲が妙子に同調して春花に危害を加えていた)。
流美が首謀した春花の両親殺害には一切関与していないが、流美が殺害を仄めかした際にも本気にしておらず、皮肉を込めて「頑張って」「期待してるから」と述べており、それが放火の引き金になってしまった。
物語終盤、春花の両親殺害は自身のいじめや上記の発言が招いたものであると、強い後悔と罪悪感に苛まれるようになる。首謀者である流美に助けを求められるが切り捨てた。
その後、不器用ながらも春花に謝罪し(映画版では更に本当の想いを告げ)、彼女に「胸を張って生きて」と言われ、晴れて和解すると同時に、互いに前を向いて生きる決意をした。
…が、帰宅途中で待ち伏せしていた流美に襲われ、流美との死闘の末に致命傷(右目を潰された上に、右手を包丁でズタズタに切り裂かれる)を負い命を落としてしまう。死の間際、ボロボロの左目で右手を見て、自分の夢が潰えたことに気づき、涙を流した。
・・・こんな右手じゃあ ハサミ持てないじゃん
死後、遺体は通行人によって発見され、両親も娘の死を深く悲しみ、彼女の夢を理解してあげられなかったことを強く後悔することになる。
映画版では辛うじて生存。流美の襲撃による後遺症を負ってしまったが、数少ない卒業生として卒業式に出席した。卒業式後、一人訪れた無人の教室で春花と幸せな時を過ごしていた頃の幻を目にした。
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関連作品および関連人物
安西愛海:当初は入学した高校で孤立していた主人公と初めての友達になったものの、あるすれ違いから、いじめグループのリーダーとして凄惨ないじめを仕掛けるようになった。
蜂屋あい:クラスの中心人物でいじめグループのリーダー。自らの手を汚さないようにクラスメイトを扇動していじめを仕掛ける。
吉井麗音奈:当初は積極的にいじめを行なっていたが、友達へのいじめが予想以上に残虐になったことから次第に強い後悔と罪悪感に苛まれるようになる。