具体的に言ってしまえば「ファンにCDを何枚も買わせようと誘導する手法」のことで、AKB48が始動した頃から行われており、姉妹グループでも行われている。
2000年代末期までは大した影響はなかったのだが、2010年から同グループのCDの購入者が爆発的に急増しミリオンセラーがこの系列から多発するまでに至る。
その結果、2010年代のシングルのミリオンセラーは後述のEXILEを除き全て48グループという記録となった。
ちなみに商法自体は株式会社ポケモンが2003年から行っているポケモンの前売り券商法のパクr…派生とも言えるため、ポケモンファンは迂闊にこの商法を批判できないというオマケ付き。頭いいなあ秋元康…
しかしこの商法は野外イベントがセールスポイントになる場合見事に3密を満たしてしまっているため、日本列島に大規模な災害が発生した場合一気に購買指数が落ちるという諸刃の剣商法でもある。
2020年に発生しているCOVID-19はまさに皮肉にも2010年代を圧巻したこの商法に突きつけられた天敵と言える。
主な例
- 同一タイトルシングルの複数仕様
CDの場合で劇場盤と通常盤という仕様とノベルティの違う商品を併売している。通常盤についても2種類以上を同時に発売し、同じタイトルの曲として集計している。これについてはAKB特有ではないので念のため。
- 生写真などを封入
CD購入特典にメンバーの生写真を封入する。それ自体は普通なのだが、その写真はランダムで封入されている点に注意。メンバー全員集めたいなら最低でも十数枚単位で購入する必要がある。また似たようなものとして店舗特典などもある。
- 各種投票権
選抜総選挙や、「リクエストアワーセットリストベスト100」に、所定のCD1枚につき1票を投票できる。AKB系統の総選挙が株主総会と言われるのはこれが関係している。
- 個別握手会
商品1点あたりメンバー一人を指定して行う握手会。以前は秋葉原の劇場で行われていたが、最近は東京ビッグサイトや幕張メッセなどの大規模なイベント会場で行われることも。
- 全国握手会
12名程度のメンバーが全国各地を回って握手会を行う。握手会参加は基本的に抽選制なのだが、CD購入者に限って抽選なしで参加できる。
ちなみに握手会自体は嵐も1999年のデビュー曲「A・RA・SHI」ではやっていたものの、当時Jr.時代から追っかけているコアなファンを除き彼らが無名の新人と見られていたことや、会場が都内の代々木第一体育館前しかなかったのもあって48グループのようなチャート荒らしを引き起こすような事態には至らなかった。
- フォトアルバム集
定価5万4千円(当時)、2千冊限定発売というファンですら購入を躊躇いたくなる代物。しかも結成10周年を迎える2015年開催予定のコンサートの招待券が特典として付属する。このフォトアルバムは2008年に発売されたのだが、7年の間にAKBが落ちぶれたり解散したりしなかったので予定通り10周年記念コンサートは開かれるのだろう。
- ダウンロードコンテンツ
アルバム関連のダウンロードコンテンツ(DLC)を指定回数以上ダウンロードすることで握手会参加などの特典が得られるもの。
AKB商法に対する批判
タレントの伊集院光は自身のラジオ番組で「AKB商法って相変わらずスゴイなって思うんです。もう、経済の教科書に載せれば良いじゃんって」と皮肉を込めて発言、噺家の桂南光はレギュラー番組で「えげつない商売だ」と発言、音楽関係者からも評判は悪く桑田佳祐は深夜番組で名前は出さなかったものの「お前ら・・・ズルいよ!」とやんわり皮肉を込めたコメントを残し、山下達郎も「本来の音楽としての価値観が崩れる」として「僕の人生には不要」とバッサリ切り捨てた。
2012年のレコード大賞では服部克久が「これが日本の音楽業界の現状です。楽しんでいただけましたでしょうか?」とコメントしたことが話題になった。
なお同じCDを何枚も買うのは本人の自由意志であり、阻害されるべきではないので念のため。
派生例
48系列やジャニーズ事務所と並びチャート上位勢のLDHも2013年にシングル「EXILE PRIDE」をライブチケットと抱合せでをリリースしミリオンセラーを記録し問題になった。
独禁法に違反しかけた事例
2008年に販売したシングルにおいて、全44種類のポスターのうち1枚がランダムに封入されていて、すべて集めれば特別イベントに招待されるという手法を展開しようとしたが、SME及びデフスターレコーズ法務担当が「これは独占禁止法が定める不公平な取引に定植するのではないか」と指摘。後に中止された。