→OSXも参照
バージョン9までのMac OSを指すタグ。 現行のmac OS(旧称Mac OS X、OSX)は技術的に直系ではなく、基本的に別物のシステムである。
Classic Mac OS
初期のMacのシステムソフトウェアは単にSystemと呼ばれていた(日本語版は漢字Talk)。 ちなみにSystem 6で統一されるまではSystem Software(パッケージとしてのシステムソフトウェア)とSystem(システムソフトウェア本体)のバージョンがずれており紛らわしい。
Mac OSという呼称は俗称として広く通用していたものの、製品名として公式採用されたのは1997年3月に発売された7.6以降である。
後継のMac OS XはのちにOSX、さらに2016年からはmacOSという呼称に変わっており、今日、従来のMac OSを指す場合はClassic Mac OSと呼ばれる。
初期
最初のSystem Softwareは1984年にMacintoshとともに登場した。白黒でシングルタスク、階層型のファイルシステムを持たない(ファイルブラウザのFinderで擬似的に再現していた)という極めて簡素な環境であった。
GUIを実用的な速度で動かすことができるのが売りであったが、これをQuickDrawというグラフィックルーチンによって実現しておりカスタムチップには一切頼っていない(つまりCPUによるソフトウェア描画)。また、QuickDrawは印刷にも用いられ、画面表示と印刷出力が完全に一致していた(Mac以外の環境のワープロソフト等では画面表示と印刷結果がまるで違うのは当然のことだった)。これらは当時の他社にとっては驚異の的であった。画面表示をそのまま印刷するとジャギーが目立ってしまうが、1985年にAppleはAdobe開発のPostScriptを搭載したプリンターを発売し、Adobeのアウトラインフォントを揃えることで商業レベルの印刷が可能(DTP)になった。
1985年のSystem 2.1でハードディスクなどの大容量ボリュームと階層型ファイルシステムに対応したHFSを実装する。この年にはMacに上述のDTP関連のソフトやマイクロソフトからExcelなどのアプリケーションが揃いはじめ、ビジネス用途に一気に広がり始める。
1987年のMacintosh IIの登場とともにカラー化(System4.1)。 表示機能は640×480で256色という今からみると貧弱なものだが、マルチディスプレイにも対応したのは先駆的だった。AdobeからIllustratorやPhotoshopの初めてのバージョンがリリースされたのもこのころで、当時まともなカラーマネジメント環境を持っていたほとんど唯一のコンピュータであったことが高く評価され、デザイナーの間でMacintoshが広く使われ始めた。 また同年秋に登場したSystem4.2(System Software 5.0)から擬似マルチタスク環境であるMultiFinderを搭載した。
1989年のSystem6.0(日本語版は漢字Talk6)で24ビットフルカラー(1677万色)に対応。TrueTypeによるアウトラインフォントを標準搭載し、Adobeから高価なPostScriptフォントを買わなくても簡易的なDTP環境が手に入るようになった。
Mac OS 7
1991年のsystem 7でシステム全般が大幅に刷新・強化され、擬似マルチタスク機能をシステムに完全統合、32bitアドレスに対応した仮想メモリ機能を搭載する。白黒時代の見た目を引きずっていたインターフェイスもカラー化された。現在のmacOSでも広く使われているAppleScript(OSレベルのマクロ言語)や、QuickTimeを標準で付属するようになったのもこのバージョンから。日本語対応は遅れ、1992年のSystem7.1(漢字Talk7)からになった(WorldScriptという多言語環境の完成を待って日本語対応したため)。漢字Talk7はことえりを初搭載したバージョンでもある。
この後、System7/漢字Talk7は順次PowerPCへの対応、Open Transportによる新しいネットワーク機能、テキスト読み上げ、Java仮想マシンの搭載...などの拡張が重ねられるが、新しいMac OS 8(当時互換機路線を目指していたために正式にOSとしての名が与えられた)として構想されていた野心的OS、Copland(コードネーム)の開発が頓挫。Coplandに搭載される予定だった機能のうち完成したものから順次搭載する方針に切り替えた。
Mac OS 8以降
こうして1997年にリリースされたMac OS 8は、FinderがCoplandのものになり、見た目が従来のフラットデザインから「プラチナアピアランス」という立体感あるものに全面刷新された。Finderのマルチスレッド化により、ゴミ箱を空にしたりファイルをコピーしている最中でも他の作業ができるようになったほか、コンテキストメニューに対応し、2ボタンマウスが有効に使えるようになった(Macのマウスは基本的に1ボタン)。1998年に登場したMac OS 8.5からPowerPC専用バージョンとなり、USBなどの新しいデバイスに本格対応。ファイル内容の検索機能(従来はファイル名のみ)などを搭載した。
1999年のMac OS 9リリース時にはすでに次期バージョンのMac OS Xが発表されていたが、Keychain(パスワードなどの一括管理)、擬似マルチユーザーと音声によるログイン、TCP/IPを介した個人用ファイル共有などの新機能が意欲的に搭載された。最後のバージョンは2001年にリリースされたMac OS 9.2.2。
2001年から2003年にかけてMac OS Xに置き換えられたが、DTPユーザーを中心に2000年代後半に至るまで(一部は2010年代に入ってからも)Mac OS 9が使われていた。
関連タグ
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