概要
I字バランスには明確な定義があるわけではなく「Y字バランスに近いが、Y字よりも上に足が上がっているポーズ」がY字バランスとは異なる、あるいは上回るものとして、便宜上「I字バランス」と呼ばれている。
つまりおおよそ「Y字バランスの足を上げすぎた形」が、主に「I字バランス」とされるポーズである。ただし実際は「"いわゆるY字バランス"の発展形」に限定されていない。
細かい点はY字バランスのページも参照。
「I字」の由来はおそらく「Y字の上部分が狭まった形」あるいは「両脚が一直線になっている」≒「Y(字バランス)というよりI(字バランス)に近い」ためだろう。
実際、極まったI字バランスは身体のラインか両脚が(Yよりも)Iの字に近い形のポーズとなる。
タグ「I字バランス」
区別があいまいな部分も大きくごっちゃになっている場合もあり、「Y字バランス」と「I字バランス」両方のタグをつけている作品もある。
(2020年10月現在)pixivではとある流行の影響(後述)により元とも言える「Y字バランス」よりも「I字バランス」のイラストの方がはるかに多い。
ポーズとして
I字バランスのような開脚は新体操やバレエダンサーのように、(特に幼少から)過酷ともいえる柔軟トレーニングの特殊な訓練を受けることで無理やり大開脚を可能にした「特別な身体」による動作であり、訓練を受けていない普通の人にはほぼ無理な動きである。
普通の人が強引にしようとすれば関節を痛めたり、不安定かつ受け身のとりにくい姿勢からの転倒などによって最悪ケガでは済まされない事故を起こしかねないため、安易に試みることは非常に危険である。
絶対に素人はマネしないように。
世界では100年に1人と言われる伝説的なバレエダンサーであるシルヴィ・ギエムによる「シックス・オクロック(6時のポーズ)」として有名。
脚を限界まで高く上げピタリと止め「6時の時計」のように見える特徴的なそのポーズは、当時のバレエ界のみならず体操・スケート界の常識を塗り替えるほどの大きなインパクトを与え、時計会社ロレックスの広告にもなった。
このポーズをしている時の股関節は解剖学的には亜脱臼状態であり、ギエムは「二重関節」という特殊な関節と、オリンピック選手顔負けの超人的な身体能力を備えていた。
二重関節を持たない一般的なバレリーナや体操選手は少しずつ体を捻ることでこのポーズを再現する。
なおそうした背景から「I字バランスが可能である」ということは、「そういった特別な訓練をしてきた経歴がある」あるいは「ある種超人的な体質を持っていること」を示すこともできる。
形について
I字バランスには厳密な定義は存在しない。
概要で説明した通りざっくりと「片足立ちでもう片方の脚を大きく上へ伸ばすポーズ」などがひとまとめに「I字バランス」と呼ばれている。
脚を前へ上げるタイプや横へ股割りするタイプ、あるいは脚や体の位置などからいくつかのパターンに分類できなくもないほど。
以下は大きく分類できる範囲の形。
バレエタイプ1・上げた脚が上半身の横~後ろにくる形
特に「脚を上腕や肩の後ろ側で抱える形」が代表的。
(下記タイプ2を兼ねる場合もある)
バレエタイプ2・両脚がほぼ一直線にできるくらいの「横」開脚
腰を横に倒して両脚を左右へ大きく開く(股割りに近い状態)形で、「Iの字」として最も綺麗にできる。
前上げタイプ・片足を前方向へ大きく上げる開脚
足を前方向へ上げるため、上記のバレエタイプ1・2とは区別しやすい形。
現実的にはバレエタイプに比べると必要となる可動域はやや狭いが、綺麗な形をとるにはバレエと同じような柔軟性が必要。
作品の題材として
男性によるI字バランス
セクシーなポーズであるため作品は女性キャラがほとんどだが、男性キャラで描かれることも稀にある。
ちなみに現実的には骨格や体質の関係上、男性はより過酷な柔軟トレーニングが必要、らしい。
失敗している姿
先述の通りかなり無理のある姿勢であるために、そもそも足を上げきれなかったり、体勢を崩したりして失敗してしまった形。上述の成功パターンと一緒に描かれることも少なくない。
ネタ枠
形にはなっているが、なんか違うもの。
ちなみに
ポーズの関係上スカートではパンチラさせやすく、それ以外でも股のラインを見せつけるような構図にしやすいためセクシーな作品も非常に多いが、
あえてパンツや股のラインを隠してセクシャルさを抑えた作品もあるにはある。
流行「I字バランス部」
2020年9月末、Twitter上で「#I字バランス部」というハッシュタグが登場し、
その流れからSNS上でI字バランスのイラストなどを投稿することが大きく流行した。
この流行により、pixivでも2020年9月末~10月始めのごく短期間で「I字バランス」の作品総数がそれまでの倍以上に増えている。
関連イラスト
関連タグ
踵落とし:脚を上げて、上から踵を当てるアクション
ジェノサイドカッター:足を開き、大きく蹴り上げるアクション