概要
1942年11月20日ペンシルべニア州生まれ。その後デラウェア州に移り住み、現在も自宅を構える。
弁護士の活動を経て群議会議員、連邦上院議員と政治家へ転身。上院議員時代は外交と司法に明るい政策通、調整型の政治家として知られる。
2008年の大統領選挙における民主党内での予備選挙撤退後、バラク・オバマ大統領候補から副大統領候補指名を受ける。共和党のジョン・マケイン大統領候補が副大統領へ指名したサラ・ペイリンと比べ地味であると批判された人選だったが、黒人で若く、経験値の低いオバマに対して白人中産階級出身で、大ベテランのバイデンはその欠点を埋めることができると期待されての指名だったという。
その後、見事選挙に勝利し2期8年にわたり政権を支えた。
なお、一回目の出馬時、もしもの時のために上院議員選にも出馬し当選していた(当選したため規定によりすぐに辞職)。
2020年に再任を目指すドナルド・トランプと大統領の座を争い、選挙において建国以来史上最多得票を記録した上で選挙人の過半数を獲得する勝利を収めた。しかし、当のトランプが不正選挙であるとして敗北を一切認めなかったため、そのまま勝利を宣言する演説を行うことに。
敗北した候補による敗北を認め勝者を称える演説の後に、勝者による勝利宣言が行われるという慣例が破られる形となった。
人物
一家そろってカトリック教徒である。カマラ・ハリスが黒人初・アジア系初・女性初と、初めて尽くしの副大統領(予定)であるため隠れがちであるが、彼もまた史上最高齢かつジョン・F・ケネディ以来2人目のカトリック教徒・史上初のデラウェア州出身者の大統領(予定)でもある。
よく言えばフランク、悪く言えば野暮で軽率なところがあり、トランプほどではないが失言癖や言い間違いが多い。重要法案が通った際、喜びのあまり公の場で思わず"This is a big fucking deal!(こいつぁクソでけぇ仕事だ!)"と極めて下品な単語を用いてしまったり、トランプとの討論会で発言を遮り続けるトランプに対して"Will you shut up, man?(兄ちゃん、黙ったらどうだ?)"と悪態をついたことも。
妻のジル・バイデンは夫の大統領着任後も仕事の大学教授を続ける事を表明している(ソース)。
政治的スタンス
中絶容認派(プロチョイス派)であり、この立場が理由でカトリック司祭からミサにおける聖体拝領を断られた事がある(CNN記事)。
枢機卿クラスの高位聖職者もこの聖餐の儀式にバイデンが受け入れられるべきでない、と主張している(ソース)。
2012年に同性婚肯定と合法化推進の立場を表明(ガーディアン紙記事)、2016年にはホワイトハウス職員の二人の男性の同性結婚式の立会人をつとめた(ハフポスト紙記事)。当選した暁には、LGBTQの権利を国際的にも拡大すると明言している(LGBTQ「平等法」、就任100日以内に成立目指す=バイデン氏)。
カトリックの公式見解においては、信徒である政治家はヴァチカンの公式見解に反する政策を支持してはならず(バチカン教理省『同性愛者間の結び付きに法的認知を与える提案についての諸考察』)、バイデンはこれに従っていない事になる。
しかし、個別の聖職者や保守派信徒の反発はともかく、ヴァチカン側やトップのローマ教皇が彼を名指しで直接制止しようとしたことはない。
第266代ローマ教皇フランシスコの就任式(2013年)の際に行われたミサにはバイデンも参加している(ソース)。