ナノビョーゲン
なのびょーげん
概要
『ヒーリングっど♥プリキュア』に登場する怪物であるメガビョーゲンを誕生させるための悪の妖精。病原体の一部である。
能力
ビョーゲンズの幹部であるテラビョーゲンは、自分の肉体からナノビョーゲンを生み出すことができる。
見た目は紫の球体に黄色い釣り目と大きな口が描かれた簡素な顔の両側から蝙蝠の翼が生えているという悪魔をデフォルメしたかのような姿をしている。
幹部達の分身なのか、よく聞くと幹部ごとに声色が違うのも特徴。
ただし、ナノビョーゲンの個体には知性や人格のようなものは存在しない。
そのナノビョーゲンを地球の精霊であるエレメントさんに寄生させることでナノビョーゲンはメガビョーゲンに進化する。作中で幹部達がナノビョーゲンを生み出す時はキャラごとのバンクシーンが挿入される。
第30話では、自らメガパーツを押し込み進化したシンドイーネが円山孝太を庇った円山先生にナノビョーゲンを埋め込んだ。
そして、メガビョーゲンをもはるかに超える「ギガビョーゲン」に進化した。
その本質
本作では、あらゆるビョーゲンズはナノビョーゲンから進化する存在であるとされている。
ナノビョーゲンがエレメントさんに寄生することでメガビョーゲンに進化し、ある程度成長すると種を生む。その種は今度は自然界の生物に寄生し、テラビョーゲンとして育つ。そのテラビョーゲンがさらなる進化をすることで王たるキングビョーゲンになるのである。
そして、このナノビョーゲンがどこから生まれるかというと、テラビョーゲンから生み出される。
つまり、ビョーゲンズは自己複製・自己進化を体現した生態系を持つのである。
そして、ここで思い出して欲しいのは、プリキュアたちが浄化しているのはあくまでメガビョーゲンを始めとした怪物たちであることだ。
作中では、序盤の間は「ナノビョーゲンはメガビョーゲンを発生させる時に生み出される」としか描かれてなかったので、メガビョーゲンさえ確実に倒せばナノビョーゲンも同時に浄化されるという前提があった。
しかし中盤において、大昔にビョーゲンズの勢力から地球を守った先代のプリキュアはすべてのメガビョーゲンを完全に浄化できたわけでなく、それがルーツとなって現代のビョーゲンズが生まれたことが明言された。ということは、地球には野生のナノビョーゲンが存在していたことになる。
実際、先代のプリキュアがキングビョーゲンを倒してから、ビョーゲンズが活動再開する現代までの空白期間内も、ヒーリングアニマル達は「地球のお手当」を続けていたわけで、アニマル達が何を浄化しようとしていたかを考えれば明白であろう。つまり、メガビョーゲンは自然発生する危険性があるのだ。
そして現代のビョーゲンズ勢力をすべて壊滅させた後の時間軸となる最終回では、ついに「野生のナノビョーゲン」が作中に初登場し、新たなるメガビョーゲンが自然発生してしまった。
本作では、ナノビョーゲン自体は「ビョーゲンズの幹部たちが怪物を生み出すための触媒」としてしか扱われておらず、別段の存在感はもちあわせていない。
しかし実のところはこのナノビョーゲンの不滅性こそがビョーゲンズという種族の本質なのである。
プリキュアそしてヒーリングアニマルの勝利とは、ナノビョーゲンを地球に蔓延させないように押さえ込むことであり、滅ぼせるという前提自体がないのだ。