概要
南アメリカのアルゼンチン、ウルグアイ、パラグアイ、ブラジルなどで伝承される狼男。
この狼男は七人兄弟の末っ子である七男が、大人になると変じると信じられており、金曜日の満月になると赤い目をした異常に首が太い姿の獣人態に変身し、その鋭い爪や牙で老若男女区別無く襲いかかると恐れられている。
なお聖なる力を苦手にしているので、キリスト教の洗礼を受ける前の幼い子供が特に狙われる。
ロビソンを倒すためには、聖水で浸した銃弾を打ち込むしかないが、素早いためによほどのことがないと当たらない。
七男をロビソンにしないために、聖水で清めたナイフで傷つけるという儀式があるが、この方法も絶対ではなく、失敗した場合には儀式を行った者がまっさきに狙われてしまうので覚悟が必要である。
この伝承は民衆のなかに根強く残っており、かつては不幸な行き違いもあったといわれる。
余談
- この伝承がある地域にはタテガミオオカミという狼がおり、邪眼で鶏を殺し、目玉や身体の一部、糞が呪薬やお守りになると信じられていた。
- 『南米妖怪図鑑』の著者ホセ・サナルディ氏は、アルゼンチンの大学で知り合った友人が七男であると聞いたが、現在では大統領によってロビソンではないという認定書が発行されていることを知ったというエピソードを書いている。
- パラグアイのグアラニー族の神話では、邪神の七男はルイソンと呼ばれる狼男であるといわれるので、この伝承の元ネタなのかもしれない。
- 南米ではネコ科の猛獣ジャガーの獣人、チグレ・カピアンゴの伝承も有名である。