メビウスゼロ
めびうすぜろ
概要
地球連合軍が開発した宇宙用MA。G兵器(ガンダム)開発以前の地球連合軍において、ザフトのMSと対等に渡り合う事ができる数少ない兵器の1つで、技術的にはメビウスより一世代前の機体とされる。方向転換は補助バーニアの噴射によって行われる為に、メインスラスターの可動により方向転換を行えるメビウスとは異なる。機首部分は切り離しができる構造であり、突入艇として単独での大気圏降下も可能となっている。
本機最大の武器として「ガンバレル」を搭載しているが、非常に強力な武器である反面、軍内ではガンバレルを制御できるほどの素質を有するパイロットの存在は希有な為、人的資源の確保の困難さに悩まされる事になる。その結果、この機体は少数生産に留まり、以後は一般兵士向けの量産機であるメビウスの生産に切り替えられた。
しかし、オールレンジ攻撃の有用性を認めた地球連合軍は、後に直系の後継機であるエグザスを開発した他、105ダガーと合体するガンバレルストライカーも開発された。
一方、ザフトでは無線誘導式のドラグーンシステムが開発され、後に空間認識能力が低い人間でも扱える改良型が登場している。
元々G計画発動までは、ザフトのMSに唯一対抗できる兵器とされていたが、本編開始前に3個小隊15機がグリマルディ戦線に投入された結果、エンデュミオンクレーターの防衛戦において、ムウ・ラ・フラガの搭乗機を除いて全滅している(彼自身はこの戦闘において活躍し、「エンデュミオンの鷹」という異名をつけられている)。これにより、ただでさえ希少な適性を有するパイロットを多数喪失した為、作中ではムウ機1機のみしか登場しない。
クルーゼ隊との戦闘では、アークエンジェルとストライクを囮にし、ザフト軍に奪取された4機のG兵器を出し抜いて単機で敵母艦を強襲し、更に戻ってストライクの窮地を救うなど、ムウの卓抜した技量によって、敵G兵器と対等に渡り合い、アークエンジェルの大気圏突入まで貴重な戦力として運用された。しかしその後は、舞台が地球での地上戦に移った為に、ムウはスカイグラスパーに乗り換える。
さらにその後、ムウはストライクのパイロットになった為、アークエンジェルが再び宇宙に上がってからも再登場する事はなかった。
その後の本機の行方は定かではなく、まだアークエンジェルに乗せていたのか、あるいは地上に置いてきたのかも不明である。
高山瑞穂氏の漫画版では、クルーゼが駆るプロヴィデンスガンダムを止めるべく、ムウが被弾したストライクガンダムから乗り換える形で本機で再出撃する。そして有線式ガンバレルでがんじがらめにした上で、キラに自分ごと撃たせる事でプロヴィデンス諸共、爆散した。
ガンバレル
本機の主兵装に当たる4基の有線誘導式無人機。
全方位に展開・制御する事で、MAの弱点である旋回性能の低さをカバーしている。
制御に突出した空間認識能力が不可欠である為に、同系統の装備を搭載している機種はザフトで改良されたドラグーンシステムを搭載した機種よりも少ない。