概要
東葉高速鉄道1000形とは、東葉高速鉄道が運航していた通勤型電車である。1996年の東葉高速鉄道東葉高速線の開業に合わせ、運転を開始した。
誕生の経緯
東葉高速鉄道は、土地の買収が中々進まずに、建設費が予想をはるかに上回っていた。このため、当初計画されていた、新型車両の導入をあきらめ、ちょうど営団地下鉄(当時)の東西線で05系電車の導入により余剰となっていた5000系電車100両を譲受し、各種改造を行った。なお、後継の2000系車両の形式名は「系」だが、本系列は廃車まで1000「形」を名乗っていた。
車両の概要
前述したように、営団5000系の改造車のため、基本的な構造は同車と変わらない。変更点は、前照灯が角型ライトになっているのと、ドア窓の大きさが営団時代の小窓から大窓に交換されている。内装は大幅に変更されており、営団時代はベージュ色だった化粧板は白色に、座席も色を変更されている。
運用
深川で改造を行った後しばらくの間は留置されていた。その後3月より東葉高速線の開業を前に、先行して東西線内の運用についた。改造時にJRに直通するための機器を抜き取られているため、JR線内に直通することは不可能である。
置き換え
2001年に行われた、運輸政策審議会第18号で、営団東西線の輸送力増強に対応するため、保安装置をWS-ATC装置から新CS-ATC装置に交換することが決定。相互乗り入れをする東葉高速線でも、同保安装置の導入をすることとなった。この時、東葉高速鉄道では、1000形を改造するか、新型車両による置き換えを行うかを長期に検討した。度重なる検討の結果、改造だと工事費用が高くついてしまうため、新型車両の投入をすることとなった。
運用終了、そして廃車へ
2004年から、1000形の廃車が始まった。後継車である2000系の導入から2年がたった2006年に、本系列は運用を終了した。引退に際し、特別なイベント等は一切行われなかった。
譲渡
以上のことから日本での運用を終了した1000形であるが、最後まで残った3編成はインドネシアのPT KAI Commuter Jabodetabek(現在のKRLコミューターライン)に譲渡された。その後、2019年度までに廃車されている。