「お前は育成の仕方をミスった失敗作だ」
演:甲斐翔真
概要
仮面ライダーエグゼイドの後日談を描いた三部作『仮面ライダーエグゼイド トリロジー アナザー・エンディング』第2章『パラドクスwithポッピー』に登場するバグスターにして、アナザーパラドクスの変身者。
正式名称が決まる前はアナザーパラドとも記載されていた。
一見するとパラドに瓜二つの姿をしており、永夢すら本物と間違える程。
しかしその名の通り黒ずくめの衣装に身を包み本物と髪型が微妙に違うなどの差異があり、どことなく冷たい印象を受ける雰囲気を醸し出している。
ゲーム病で消滅した人々を治療する為に八乙女紗衣子率いる再生医療センターと幻夢コーポレーションが共同開発した新作ゲーム「バグスターをつくるぜ!!」が収録されているバグヴァイザーGから出現するとパラドの振りをしてテストプレイヤーとしてゲームに参加。
当初はゲーム勝負で天才ゲーマーMである永夢に手も足も出ない程にボコボコにされる程度の腕前しかなかったが、育成されて成長するにつれ次第に天才ゲーマーMを上回る技術を身に付ける。しかし同時に凶悪な一面を持つようにもなって行く。
その後、そんな彼を訝しんだ永夢は「バグスターをつくるぜ!!」のテストプレイ終了後に彼がパラドではないと気づくものの、最早用済みになった永夢はバグヴァイザーで撃たれ重症を負わされてしまう。果たして彼の正体とは……?
関連項目
仮面ライダーアナザーパラドクス パラド バグスター アナザー・エンディング
鏡像の城戸真司→ある意味似た者同士
以下、ネタバレ記事につき閲覧注意‼
その正体は永夢と並び世界で初めてバグスターウイルスに感染した人物である檀正宗から分離、誕生したバグスター。
TV本編では実体化はおろか分離すらしていなかったのだが、檀黎斗と協力関係にあった紗衣子によって採取されて分離。実体化を果たした。
永夢を通じて数多くの人々と接した事で心を持ったパラドと違い、心を持たない彼の性格は冷酷かつ残忍そのものであり、自身を成長させること以外には興味がない節がある。
また、人間と関わりを持ったことで心を持ったパラドをゲームの世界では生き残る事が出来ない弱者として「失敗作」と称し見下しており、紗衣子が捕えたパラドと入れ替わり彼の振りをして永夢に近づき彼からゲームの腕前を盗むと上述したように彼に重傷を負わせるなど、その目的の為ならば手段を択ばない部分は、かつての宿主である正宗に近いものが垣間見える。
そんな彼の姿は、変身後の名称である“アナザー” パラドクスが示す通りパラドが人間と関わりを持たずに、自身の欲求だけで動いていた場合のIFとしての姿ともいえる(ただし、冷酷ながらもどこか子供のような無邪気さを持ち、ゲームそのものは本気で楽しんでいた初期のパラドとは違って、ブラックパラドはそういった無邪気さも皆無で、最初から自身の強化のみにしか興味はないなど初期のパラドと比較しても差異は多い)。
しかし心を持ったことで、真の強さを得る事ができたパラドやポッピーと違い、あくまでも自身が強くなるためだけに成長することに拘り続けた彼が、本物の強さを得たパラドに敵う筈もなく、1度目の戦いではパラドを圧倒するが、永夢との繋がりで改めて心を持ったことで真の強さを手に入れた事を再認識したパラドとの再戦では次第に劣勢になり、『パーフェクトノックアウトクリティカルボンバー』の競り合いの末に失敗作と侮り見下していた本物のパラドに敗北。
最後にパラドから「お前は消えろ」と言い渡され、絶叫を上げながら消滅するが、その直後黎斗によってガシャコンバグヴァイザーⅡにデータとして回収されてしまう。
回収されたデータはまるで喰らうような恰好という狂気じみた方法で黎斗に取り込まれ、これによって黎斗は天才ゲーマーとしての力と天才ゲームクリエイターの力を得ることに成功する。そして遂に黎斗は、最凶最悪の神としての力を得る事となった。
一応ブラックパラド本人はこの時点では完全に消滅したという訳ではなく、ガシャコンバグヴァイザーⅡの中に閉じ込められている状態で、『PARTⅢ 仮面ライダーゲンムVS仮面ライダーレーザー』にも僅かではあるものの登場している(ただし、ゲーマーとして得た力は黎斗に奪われた事で、既に失っていると思われる)。
その後は、黎斗によって最初のバグスターウイルス採取の為に復元された正宗が、再び仮面ライダークロノスに変身する為に、このブラックパラドが閉じ込められたガシャコンバグヴァイザーⅡが利用されたのだが、最終的には正宗は黎斗の力に敗れて再び消滅し、ガシャコンバグヴァイザーⅡも破壊されてしまった。それに伴って彼自身も完全に消滅した模様。
ちなみに『PARTⅢ 仮面ライダーゲンムVS仮面ライダーレーザー』の時点で、正宗が本編の頃の狂気じみた野心や会社への執着を殆ど無くしており、純粋に黎斗を止める為に動いていたのは、ブラックパラドが正宗の中の負の部分をある程度引き受けた上で、分離・実体化したからだと言われている。