「よう、永夢!」
「天才ゲーマー『M』の腕で、俺をバッチリ育ててくれよな!」
演:甲斐翔真
変身する仮面ライダー
概要
『仮面ライダーエグゼイド』の後日談を描いた三部作『仮面ライダーエグゼイド トリロジー アナザー・エンディング』第2章『パラドクスwithポッピー』に登場するバグスター。
一見すると宝生永夢から分離したパラドに瓜二つの姿をしており、永夢すら自身のパラドと間違えるほど。
しかし、その名の通り黒ずくめの衣装に身を包み永夢のパラドとは髪型が微妙に違うなどの差異があり、どことなく冷たい印象を受ける雰囲気を醸し出している。黒い外見から一部の書籍ではブラックパラドと記載されていることもある。
ゲーム病で消滅した人々を治療するために八乙女紗衣子率いる再生医療センターと幻夢コーポレーションが共同開発した新作ゲーム「バグスターをつくるぜ!!」が収録されているバグヴァイザーGから出現するとパラドの振りをしてテストプレイヤーとしてゲームに参加。
当初はゲーム勝負で天才ゲーマーMである永夢に手も足も出ないほどにボコボコにされる程度の腕前しかなかったが、育成されて成長するにつれ次第に天才ゲーマーMを上回る技術を身に付ける(因みにドラゴナイトハンターZプレイ中は永夢から「めっちゃ真顔やん」と何故か関西弁でツッコまれている)。
しかし同時に、凶悪な一面を持つようにもなっていく。
関連項目
仮面ライダーアナザーパラドクス パラド バグスター アナザー・エンディング
鏡像の城戸真司→ある意味似た者同士。
【CAUTION】以下、ネタバレ記事につき閲覧注意!!
「俺は天才ゲーマー『M』の腕を身につけた…お前に育ててもらうことは、何もない」
永夢「お前…本当にパラドか?」
「フフフッ、ああ!」
「俺は、俺さ!!」 (※:永夢に対して発砲)
いつもの様子との違い過ぎたため、「バグスターをつくるぜ!!」のテストプレイ終了後に訝しんだ永夢がパラドではないことに気づくものの、最早用済みになったと判断して彼をバグヴァイザーで銃撃し、重傷を負わせる。
「お前は育成の仕方をミスった失敗作だな…」
パラド「何だと?」
「ゲームの世界で必要な強さってのは、自分自身の勝利のために非情になれる、心の逆位だ」
その正体は永夢と並び世界で初めてバグスターウイルスに感染した人物である檀正宗から分離、誕生したバグスター。つまり、もう一人の「パラド」であった。
TV本編では実体化はおろか分離すらしていなかったのだが、檀黎斗と協力関係にあった紗衣子によって檀正宗の身体から採取されて分離。実体化を果たした。その後、紗衣子の指示で永夢の「天才ゲーマー『M』の腕前」を手に入れるべく、育成ゲーム「バグスターをつくるぜ!!」に参加。
育成ゲームの仕上げとして、永夢のパラドを相手に仮面ライダーアナザーパラドクスへと変身。さらに、育成ゲームを通じてアナザーパラドの中で檀正宗の遺伝子が生成されていたため、ゲーマドライバーによるマザルアップ「パーフェクトノックアウトゲーマー」を成し得た。
永夢を通じて数多くの人々と接したことで心を持ったパラドと違い、心を持たない彼の性格は冷酷かつ残忍そのものであり、自身を成長させること以外には興味が無い節がある。
また、人間と関わりを持ったことで心を持ったパラドをゲームの世界では生き残ることが出来ない弱者として「失敗作」と称し見下しており、紗衣子が捕えたパラドと入れ替って彼の振りをして永夢に近づき、彼からゲームの腕前を盗むと上述したように彼に容赦なく重傷を負わせるなど、目的のためならば手段を選ばない部分は、かつての宿主である正宗に近いものが垣間見える。
そんな彼の姿は、“アナザー” パラドが示す通りパラドが人間と関わりを持たずに、自身の欲求だけで動いていた場合のIFとしての姿とも言える(ただし、冷酷ながらもどこか子供のような無邪気さを持ち、ゲームそのものは本気で楽しみ、グラファイトなどへの仲間意識も彼なりに持っていた初期のパラドとは違って、アナザーパラドはそういった無邪気さも皆無であり、最初から自身の強化のみにしか興味はないなど、初期のパラドと比較しても本質的な部分での差異は多い)。
しかし心を持ったことで、真の強さを得ることが出来たパラドやポッピーと違い、あくまでも自身が強くなるためだけに成長することに拘り続けた彼が、心の強さを得たパラドに敵うはずもなく、1度目の戦いではパラドを圧倒するが、永夢との繋がりで改めて心を持ったことによる真の強さを手に入れたことを再認識したパラドとの再戦では次第に劣勢になり、『パーフェクトノックアウトクリティカルボンバー』の競り合いの末に失敗作と侮り見下していた心の強さを持ったパラドに敗北する。
最後にパラドから「お前は消えろ」と言い渡され、絶叫を上げながら消滅するが、その直後に黎斗によってガシャコンバグヴァイザーⅡにデータとして回収されてしまった。
回収されたデータは、まるで喰らうような恰好という狂気じみた方法で黎斗に取り込まれ、これによって黎斗は天才ゲーマーとしての力と天才ゲームクリエイターの力を得ることに成功する。
そして遂に黎斗は、最凶最悪の神としての力を得ることとなった。
一応アナザーパラド本人は、この時点では完全に消滅したという訳ではなく、ガシャコンバグヴァイザーⅡの中に閉じ込められている状態で、『PARTⅢ 仮面ライダーゲンムVS仮面ライダーレーザー』にも僅かではあるものの登場している(ただし、ゲーマーとして得た力は上記の通り黎斗に取り込まれて奪われたことで、既に失っていると思われる)。
その後は、黎斗によって最初のバグスターウイルス採取のために復元された正宗が、再び仮面ライダークロノスに変身する為に、このアナザーパラドが閉じ込められたガシャコンバグヴァイザーⅡを利用しアナザーパラドを再吸収したが、最終的に正宗は黎斗の力に敗れて再び消滅。それに伴って、アナザーパラド自身も正宗と共に消滅したと思われる。
ちなみに『PARTⅢ 仮面ライダーゲンムVS仮面ライダーレーザー』の時点で、正宗は本編の頃の狂気じみた野心や会社への執着を殆ど無くしており、純粋に黎斗を止める為に動いていたのは、アナザーパラドが正宗の中の負の部分をある程度引き受けた上で、分離・実体化したからだと言われている(そういう意味でもアナザーパラドは、正宗の負の側面が具現化した存在だったと言える)。
また正宗が「必殺技に敵の戦闘能力を初期化する効果」を付加出来たのはアナザーパラドを回収したバグヴァイザーⅡを使ったことが起因している模様。
なお、便宜上として「アナザーパラド(ブラックパラド)/仮面ライダーアナザーパラドクス」と記載されているが、劇中でのアナザーパラドは「パラド/仮面ライダーパラドクス」となっている(あくまで「永夢のパラド」と「正宗のパラド」と言う扱いのためである)。
余談
その誕生経緯とアナザーパラドを取り込んだ黎斗がマキシマムゲーマーと似たような姿と力を得ていたことから、正宗もマキシマムゲーマー及びムテキゲーマー、ないしそれらに近い姿に変身できる可能性がある為スピンオフ等で今後パワーアップ形態が登場するかもしれない。逆に、永夢がバグルドライバーⅡを使用できる可能性も示唆されている。
- ただ、永夢が仮面ライダークロノスに変身出来るかどうかは微妙。と、言うのも本編劇中で実際に(少なくとも43話時点では) 永夢に変身資格が無いことが明示されているからである(「仮面ライダークロニクルのラスボスのゲームエリアに行けるのは『あらゆるバグスターウイルスへの耐性を得たクロノスへの変身資格がある者』のみ」という状況で、一緒にいた永夢や飛彩等を置いて大我だけが転送され、実際に大我はクロノスに変身した)。
- これについては、正宗が「16年間ずっとウイルスを宿していた」のに対して、永夢は「ある人物によってパラドが永夢から離れていた期間が長かった」ことや、「パラド自身がウイルスを抑制しなければならない事態があった」こと、「永夢がクロニクルガシャットを使ったことがない=新型ウイルスへの耐性が足りてない可能性がある」などの事情も影響していると思われる。
- まあ、そもそも永夢はムテキの力を使える上にゲーマドライバーでもポーズを使えるライダーが登場している現在、わざわざ元人間のバグスターすらも使うリスクが高いとされるバグルドライバーⅡ及びクロニクルガシャットを、今更永夢が使う理由は薄いであろうが。
- これについては、正宗が「16年間ずっとウイルスを宿していた」のに対して、永夢は「ある人物によってパラドが永夢から離れていた期間が長かった」ことや、「パラド自身がウイルスを抑制しなければならない事態があった」こと、「永夢がクロニクルガシャットを使ったことがない=新型ウイルスへの耐性が足りてない可能性がある」などの事情も影響していると思われる。