機体概要
初出はエースコンバット04。
「大型カナード」、「主翼に内蔵した翼を前方に引き出し、前進翼とする高機動形態になる可変翼構造」、「前進翼による運動性を発揮する高機動形態と、ステルス性能が向上する高速飛行形態で翼角が変化する全浮動式尾翼」が特徴的な三面翼(スリーサーフェス)機。
高速飛行形態では尾翼が水平状態を維持する際、ヨー方向の制御が出来なくなることから、三次元推力偏向ノズルを備えている。またステルス性能のため、兵装の多くが内装式ウェポンベイに格納される方式となる。
機首に搭載されたガリウムナイトライドAESA(アクティブフェーズドアレイ)レーダーは既存のAESAレーダーより強力なレーダー波を発信可能で、そのパワーを生かして強引に敵ステルス機を探知できる他、機体各所のコンフォーマルアレイレーダーを駆使し、友軍が発信したレーダー波が敵ステルス機によって別方向へ跳ね返された場合でも、他のX-02がその電波を拾うことが出来れば敵ステルス機の位置を三角測量で割り出すマルチスタティックレーダーとしても機能する。
固定武装として航空機関砲を1門搭載する他、ウェポンベイに対空・対地兵装を搭載することが可能で、対空兵装としてはAIM-9XやR-73といった短距離AAM(空対空ミサイル)の他、X-02専用に開発された長距離AAM「ダークファイア」を運用できる。一方で対地兵装には手が回らず、通常爆弾の他暫定的に地上攻撃用ディスペンサーの運用が可能だが、このディスペンサーは誘導弾頭の開発遅延により通常の散布爆弾のみに対応しているため、使い勝手が悪くテストパイロットからも不評だったという。
「主翼内部に翼を格納する」特殊な構造上、主翼内にインテグラルタンクを装備することが出来ない為、航続距離が短いという潜在的な欠陥を抱えている。その為、対案として主翼可変機能をオミットした空軍機仕様も検討されていた。後に空軍単独採用モデルとして開発されたX-02Sでは、エンジンの改良による燃費性能の向上やコンフォーマルタンクによる燃料搭載量増加などといった改良によって、この欠陥に対処している。
ゲームにおいて
主にシナリオに関わるタイトルを抜粋する。
エースコンバット04
元々はエルジア共和国海軍の艦上戦闘機の更新を目的として開発が進められていたが、同時期に空軍の陸上機更新も要請があったことから「海・空軍両用の新型機」として設計がまとめられた。
しかし開発途中でユリシーズ破砕に用いられたストーンヘンジの軍事転用と従来機による防空体制がコスト的に優位とエルジア政府に判断されたことから開発がストップ。
ストーンヘンジ陥落後に開発が再開されるも実践には間に合わず終戦。しかしISAFが開発施設を接収した後にX-02を完成させ、航続距離や機体強度等に問題はあるものの、その潜在能力はF-22をも凌駕しうることが明らかになっている。
エースコンバット5
ストーリーモード・アーケードモード双方に登場。
エルジアで開発されていたX-02の設計図が何らかの理由によってユークトバニア連邦共和国と旧南ベルカ公国国営工廠である「ノースオーシア・グランダーI.G」に渡り、グランダー製のX-02が環太平洋を挟んだユークトバニアに秘密裏に輸出され、オーシア軍によって撃墜されたユークトバニア所属の当機の一部部品にグランダー製のパーツが使用されていたことから、「ベルカ戦争以前の仮想敵国だったユークトバニアに、オーシアの管理下にある兵器が秘密裏に輸出されている」事実の発覚を恐れたオーシア政府によって、辺境のサンド島基地の格納庫に秘匿されている。
劇中でシートに覆われていた格納庫の機体がそれである。
アーケードモードでは04の後日談として武装解除を拒絶したエルジア残党が「自由エルジア軍」と名乗り、襲撃に遭った製造工場で完成されていたX-02が敵として登場することになる。
しかし自由エルジア軍討伐として招集されたメビウス1の手によって、完成したX-02の全てが撃墜された。
エースコンバット7
当作において、X-02の空軍独自仕様として様々な改良が施された派生型の複座型戦闘攻撃機「X-02S(愛称:ストライクワイバーン)」が初登場。従来型は「X-02A」と区別された。
全体的にはほぼA型と同じ外観をしているが、F-35に装備されるEOTS(電子・光学式照準システム)のようなセンサーの追加や、取付角可変カナード、インテークやウェポンベイの形状変更、背部へのコンフォーマル・フューエルタンク増設、対地兵装の運用能力向上による対地攻撃性能の改善など、多数の改良が施されている。
またシリーズ参戦するX-02としては初めて特殊兵装にLASM(長距離空対艦ミサイル)、EML(レールガン)を装備可能となっている。
プレイヤー機としては隠し機体として、敵機としてはエルジア王国のエースパイロットが搭乗する。敵機として登場した際には後席にはコプロと呼ばれる無人操縦システムが搭載されているが、直接の操縦は行っておらずパイロットの補助に留まっている。
余談
・現実では海軍・空軍の両方で運用を計画された戦闘機という点ではF-4やF-14のような例があるが、X-02は登場するタイトルによっては「陸上機」として区別されることがあり、「一部条件を除いて空母発艦が不可能」という場合がある。
・エースコンバット7ではF/A-18F用のRed Devilsスキン使用時に特定条件下で発光するというバグがあり、ファンにより「ゲーミングトリガー」の愛称が与えられていたが(現在は修正済み)、2周年記念に配信された過去の主人公機のスキンに交じり、X-02S用の発光スキンも配信された。