X-02
えっくすぜろつー
もしかして ⇒ X-02ウル
開発 | ストレンジリアル世界:エルジア航空宇宙局(A型・S型)/ノースオーシア・グランダーI.G.(S型)、現実世界(INF):某国 |
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全長 | 21.84m(A型・S型共通) |
全幅 | 18.3m(外翼展開時)、11.54m(外翼収納時)(A型・S型共通) |
全高 | 4.36m(外翼展開時)、3.42m(外翼収納時)(A型・S型共通) |
重量 | A型:16,800kg、S型:15,200kg |
エンジン | A型:ERG-1000×2基、S型:GIG/ERG-2000×2基 |
最高速度 | マッハ2.5+(A型・S型共通) |
固定武装 | 航空機関砲×1門(A型・S型共通) |
兵装(A型・S型共通) | AIM-9X「サイドワインダー」・R-73「アーチャー」短距離空対空ミサイル |
兵装(A型) | 長距離空対空ミサイル「ダークファイア」、小弾頭ディスペンサー、高機能対地ミサイル、無誘導爆弾 |
兵装(S型) | 長距離空対空ミサイル「ダークファイア(改良型)」、次世代型空対艦ミサイル「スターファイア」、展開型大型電磁投射砲「アークライト」 |
初出は『エースコンバット04』。
「大型カナード翼」と「速度域によって翼角が変化する全浮動式尾翼」、「後退翼である内翼の先端部に可動式外翼として前進翼を備える特殊な可変翼」が特徴的な三面翼(スリーサーフェス)機の機体構成を有する大型ステルス戦闘機。
速度域に応じて主翼の前進翼部分を後退翼内部に格納し、尾翼の翼角を変化させることによって、「高い格闘戦能力を持つ高機動形態」と「高いステルス性とスーパークルーズ(超音速巡航)能力を発揮できる高速飛行形態」の2種類の形態を取る(メイン画像は高機動形態)。この他にもエンジンノズルは三次元推力偏向ノズルだが、これは試験的なもので操縦システムに本格的に組み込まれてはおらず、ベントラルフィンを装備するなどまだまだフライトシステムには改良の余地が残されている。
またステルス性能のため、兵装の多くは胴体部のウェポンベイに格納される方式となっており、左右のエンジンナセル下部に短距離AAM(空対空ミサイル)用の小型ウェポンベイを1基ずつ、機体中央部のエンジン間に大型兵装の複数搭載が可能な大型ウェポンベイを1基備えている。
機首には既存のAESA(アクティブフェーズドアレイ)レーダーより強力なレーダー波を発振できるガリウムナイトライドAESAレーダーを搭載している。これによってそのパワーを生かし強引に敵ステルス機を探知できる他、機体各所のコンフォーマルアレイレーダーを駆使し、友軍が発信したレーダー波が敵ステルス機によって別方向へ跳ね返された場合でも、他のX-02がその電波を拾うことが出来れば敵ステルス機の位置を三角測量で割り出すマルチスタティックレーダーとしても機能させることができる。
固定武装として航空機関砲を1門搭載する他、ウェポンベイに対空・対地兵装を搭載することが可能で、対空兵装としてはAIM-9XやR-73といった短距離AAM)の他、X-02専用に開発された長距離AAM「ダークファイア」を運用できる。一方で対地兵装には手が回らず、通常爆弾の他に暫定処置として地上攻撃用ディスペンサーの運用が可能になっている程度。もっともこのディスペンサーは誘導弾頭の開発遅延により通常の散布爆弾のみに対応しているもので、使い勝手が悪くテストパイロットからも不評だったという。
なお、「主翼内部に翼を格納する」というその特殊な構造上、主翼内にインテグラルタンクを装備することが出来ない為、航続距離が短いという潜在的な欠陥を抱えている。その為、対案として主翼可変機能をオミットした空軍機仕様も検討されていた。
また、ドックファイト時には可変翼機構が有効に機能したものの、構造疲労によって故障が多発してしまった他、先述したように対地兵装が少ないせいで使い勝手にも欠けていることも浮き彫りとなった。
後に空軍単独採用モデルとして開発されたX-02Sでは、機体の軽量化やエンジンの改良による燃費性能の向上、エンジンナセル上部にコンフォーマルタンクを装備することによる燃料搭載量増加などといった改良によって可変翼機構を残しつつ航続距離不足に対処した他、対応する対地攻撃兵装の増加によって使い勝手の改善が図られている。
主にシナリオに関わるタイトルを抜粋する。
エースコンバット04
元々はユージア大陸西部の軍事大国・エルジア共和国において海軍の艦上戦闘機の更新を目的として開発が進められていたが、同時期に空軍の陸上機更新も要請があったことから「海・空軍両用の新型機」として設計がまとめられた。開発に当たってはエルジアの航空・軍事技術が結集されていたが実機の開発は遅延を余儀なくされていたようである。それでも1987年に基本設計が纏められ、遅くとも1998年には開発が開始された。
しかし開発途中で大陸戦争が勃発し、ユリシーズ破砕に用いられたストーンヘンジの軍事転用と従来機による防空体制がコスト的に優位であるとエルジア政府が判断した所、ストーンヘンジに依存した防空体制を危惧したエルジア空海軍及びメーカーなどの開発推進派との対立を招くこととなり、対立が議会を巻き込むほどにまで激化した結果開発はストップしてしまう。
その後、エイギル艦隊の壊滅やISAFの大陸反攻、そして何よりストーンヘンジが破壊されて戦局が不利となったことから開発が再開されるも、実戦には間に合わず戦争はエルジアの敗北で終戦となった。しかしISAFが開発施設を接収した際にX-02に注目、これを完成させて各種試験飛行を実施した。
結果、航続距離や機体強度等に問題はあるものの、その潜在能力はF-22をも凌駕しうることが明らかになっている。
なお、X-02の開発計画は当初より他のユージア大陸諸国に察知されていたが、先述したように異なる2つのシルエットを持つ機体だったため、各国は「複数の戦闘機が同時並行で開発されている」と誤認している。
エースコンバット5
ストーリーモード・アーケードモード双方に登場。
エルジアで開発されていたX-02の設計図が何らかの理由によってユークトバニア連邦共和国と旧南ベルカ公国国営兵器産業廠を前身とするオーシア連邦の軍需企業「ノースオーシア・グランダーI.G(グランダー社)」に渡り、グランダー製のX-02が環太平洋を挟んだユークトバニアに秘密裏に輸出されていた。
その後、オーシア軍によってユークトバニア所属のX-02が撃墜されたが、回収された機体残骸の一部部品にグランダー社製のパーツが使用されていたことから、「ベルカ戦争以前の仮想敵国だったユークトバニアに、オーシアの管理下にある兵器が秘密裏に輸出されている」事実の発覚を恐れたオーシア政府によって、辺境のサンド島基地の格納庫に秘匿されている。
劇中でシートに覆われていた格納庫の機体がそれである。
アーケードモードでは「04」の後日談として武装解除を拒絶したエルジア残党が「自由エルジア」と名乗って蜂起、自由エルジアによって襲撃された製造工場において完成していたX-02が接収され、敵として登場することになる。
しかし自由エルジア討伐として招集されたメビウス1の手によって、出撃したX-02の全てが撃墜された。
エースコンバット7
当作において、X-02の開発を手掛けたEASA(エルジア航空宇宙局)と先述したグランダー社が、空軍単独採用仕様として共同で様々な改良を施した複座型戦闘攻撃機「X-02S(愛称:ストライク・ワイバーン)」が初登場。従来型は「X-02A」と区別された。
全体的にはほぼA型と同じ外観をしているが、
- 機体構造の大幅見直し、部品製造への金属3Dプリンター使用による機体の軽量化
- 耐熱マグネシウム合金の多用によるエンジンの推力・燃費向上
- 操縦システムの更新により、A型で操縦システムに本格的に取り込まれていなかった推力偏向機構に対応(そのためA型で設けられていたベントラルフィンは撤去)
- 推力偏向ノズルをより騒音や赤外線を抑制するのこぎり型に変更
- タンデム複座型コクピットの採用
- 機首部にF-35に装備されるEOTS(電子・光学式照準システム)のようなセンサーの追加
- カナード翼を取付角可変型へ変更
- エンジン強化によるインテークの大型化及び形状変更
- 各種ウェポンベイの形状変更
- 背部へのコンフォーマル・フューエルタンク増設
- 対地兵装の運用能力向上による対地攻撃性能の改善
といった多数の改良が施されている。また、シリーズ参戦するX-02としては初めて特殊兵装にLASM(長距離空対艦ミサイル)、EML(レールガン)を装備可能となっている。
このために外見こそ原型機とほぼ同じながら更なる高性能化を果たした別物の機体となったが、一方で操縦性が先鋭化したことからパイロットを選ぶ機体となった。
プレイヤー機としてはキャンペーンモードクリア後に解放される隠し機体として、敵機としてはエルジア王国のエースパイロットが搭乗する機体としてそれぞれ登場する。敵機として登場した際には後席にはコプロと呼ばれる無人操縦システムが搭載されているが、直接の操縦は行っておらずパイロットの補助に留まっている。
- 考案する際にあたって参考となった機体はSu-47やYF-23など。言われてみればどちらの機体の特徴を受け継いでいるように見える。
- 現実では海軍・空軍の両方で運用を計画された戦闘機という点ではF-4やF-14のような例があるが、X-02は登場するタイトルによっては「陸上機」として区別されることがあり、「一部条件を除いて空母発艦が不可能」という場合がある。
- エースコンバット7ではF/A-18F用のRed Devilsスキン使用時に特定条件下で発光するというバグがあり、ファンにより「ゲーミングトリガー」の愛称が与えられていたが(現在は修正済み)、2周年記念に配信された過去の主人公機のスキンに交じり、X-02S用の発光スキンも配信された。