CV:郷田ほづみ
人物
漫画『こちら葛飾区亀有公園前派出所』に登場するキャラクター。
原作では「両津刑事!の巻」、アニメ版では「新米刑事、両津!」に登場した敏腕刑事。刑事課に配属された両津勘吉の一時的な上司。
ぶっきらぼうな性格だが、部下思いで両津からも慕われていた。テレビドラマの影響で刑事に憧れを抱いている両津を諭したり、気の遠くなる聞き込みや張り込み捜査も怠らないなど、刑事という職業に誇りを持っている。
聞き込みばかりの日々に両津がうんざりする中、追い続けていた容疑者・太田黒と遭遇する。逮捕まであと一歩で迫ったが、両津のミスにより取り逃がしてしまう。その責任を問われた両津は、南部に殴り飛ばされてしまう。他の先輩刑事によると、南部はかつて婚約者を太田黒に殺されており、逮捕に並々ならぬ思いを懸けていたという(アニメ版の設定)。南部の気持ちをまったく解っていなかったと両津は涙ながらに謝罪。南部も殴った事を謝り、場はどうにか収まった。
再び張り込みを行っていた中、太田黒とまたしても遭遇する。逮捕されることに逆上した太田黒の部下は、南部を狙撃してしまう。瀕死の重傷となった南部は、両津に檄を飛ばして犯人逮捕を優先するよう促す。決死の追跡により太田黒をとうとう逮捕し、両津は事件現場へ戻ってくる。そこに居合わせた大原部長に南部の容態を聞くと、先ほど受けた銃撃により殉職した旨を告げられる。己の未熟さを痛感した両津は、人目もはばからずに泣き崩れてしまう。後日、両津は警察官として一からやり直すため、公園前派出所に戻ってきて今日に至る。
それらの昔話を聞かされた中川や麗子(アニメ版では寺井も追加)は、両津の悲しい過去に思わず心を打たれてしまう。
数少ない故人キャラであり、こち亀屈指のシリアス回を担った。両津にとって旧友の村瀬賢治と並び、大きな影響を与えた存在。現在でも命日には必ず墓参りへ訪れるなど、死んでもなお両津から慕われている。