概要
両津の小学生時代の同級生で、お互いに「両ちゃん」「賢坊」(アニメ版では「勘ちゃん」「賢ちゃん」)と呼び合う仲だった。
裕福な家庭に育ち、成績優秀だったためにクラスでは浮いた存在だったが、両津との特訓でベーゴマのチャンピオンになるなど段々と下町に馴染んでいった。やがて渋谷の進学校に転校することが決まり、両津と一緒に浅草神社の境内に今まで勝ち取ったベーゴマを詰めた箱をタイムカプセルとして埋め、2001年に再会する約束を交わした。
弁護士になるのが夢だったが、転校後に父の会社が何らかの原因で経営が立ち行かなくなり、家庭は次第に崩壊していった。父は過去の栄光が忘れられずに酒に溺れ、家に引きこもるようになり、現実逃避の末に家族に暴力を振るうようになり(顔の傷は父の暴力が原因)、火事で母親が亡くなる、親戚をたらい回しにされるなどの不幸が連続して重なった末に道を踏み外し、気が付けば暴力団の幹部にまでなっていたという。
その暴力団が彼を切り捨てた際に事件を起こし、警察に逮捕された後、浅草署に身柄を移される日に葛飾署の前で偶然に両津と再会。護送中にパトカー内で暴れて事故を起こさせ、気絶した警官から拳銃を奪って逃走すると、自分を切り捨てた組に殴り込みをかけようとしていたが、先回りしていた両津との殴り合いの後に説得され自首を決意し、警察へ出頭した。出頭する途中、浅草神社に立ち寄っており、かつて自分達が埋めたベーゴマの箱から100連勝を達成したベーゴマを持ち出すとともに2001年の再会を改めて約束するメッセージを残した。
2001年までの間に刑期を終えて出所し、不動産会社を立ち上げていたが、両津と再会を約束した場所には現れず、お年寄りに対しても厳しい取り立てを行っていたため、またヤクザに戻ったのではないかと両津達を心配させたが、その後火事になった顧客の家からペットの猫を救い出し、借金の返済期限を延ばすなど良心的な面を見せ、両津を安堵させた。
実は出所後、不動産会社を営みながら裏で悪徳不動産会社の裏金を裁判で横取りするという違法スレスレのビジネスを行っており、自分の仕事に対する後ろめたさから両津と会わないようにしていた。しかし、彼からアジアの子供たちに義援金を送っていることを指摘されると、過去の体験から浅草に孤児院を建てたいという夢を語るなど、新たな夢に向かって立ち直った描写が書かれている。なお、この時に父親の事業が完全に破綻したのは思春期の頃であり、そこから母親の死などの不幸の連続の結果、極道になってしまったという詳細も明かされた。
この村瀬が登場する「浅草物語」(57巻)及び「浅草物語 望郷編」(125巻)はファンの間で特に人気が高く、浅草神社には記念石碑が設置されている。
アニメ版では二人が再会する経緯が異なっており、同窓会で村瀬の逮捕を知った両津が葛飾署へ急行し、そこで村瀬と再会している。少年時代の村瀬にまつわるエピソードの追加や、原作では省略されていた村瀬の出頭シーンが描かれている。
また、道を踏み外す経緯も異なっており、転校後に両親が離婚して父に引き取られ、それから程なく父が汚職で逮捕されたのをキッカケに中学でイジメに遭い、それに耐えかねてイジメ加害者を病院送りにして少年院行きになった末にヤクザに成り下がっていた。
2001年の再会は描かれなかったが原作同様、初心を取り戻すきっかけをくれた勘吉に感謝し、必ず更生する事をラストの手紙で綴っていた。
ドラマ版では、銀行強盗をしている所での再会に変更され、最後に両津と力を合わせて悪人たちを成敗している。