概要
タイムカプセルとはある物を未来に向ける意味で埋め、ある程度の時間に開けようとする物である。
建造物の完成時やイベントの際に行われる事が多い。
行われる場合
大規模な博覧会や、学校などの団体の創立記念に好んで行われる。大抵はポジティブな印象のイベントで行われ、その時代の文物を治めることが多い。
容器は様々で、5000年保存を目指した大阪万博のような例から、市販の耐水容器に封じ込める場合もあり、子供が行う場合は菓子の金属箱ということもある。
内容物
ポジティブな傾向で行われるので「誇りとなるもの」「未来に残しておきたいもの」を治めることが大半となる。文書や工業製品、流行の文物などを筆頭に保存性の高いものを入れる。
学校等では児童画や作文、玩具などを入れることがあり、子供が行う場合は流行の玩具や思い出の品を入れる事が多い。
定礎箱
性質が似ているものに、建造物が建築された際に基礎部分に納める「定礎箱」がある。
ルーツをたどればヨーロッパではじまった石造建築の儀式に日本神道が混じったものだが、現代では建造物の図面や関係者の写真などの資料、当時の通貨などを封じ込め、実質タイムカプセルとなっている場合が大半である。
経年老朽による解体の際は取り出してみることもあるが、建築廃材と一緒に処分されてしまうこともある。
大企業の本社建物解体の際には資料的価値から話題になることもある。
問題点
タイムカプセルは土の中に埋められることが多いが、雨水で箱の中がビショビショになってしまう。どんなに密閉したつもりでも雨水の流入を避けることは難しい。
また、埋めた場所が正確に把握されておらず、掘り返しても全然見つからないということも少なくない。
ポジティブなイベントであることから、内容が全くの自己肯定な傾向に偏りがちで後世に残す資料として不正確になりがちであることや、後の時代で有害物質とされるものも封入されてしまうリスクがあるほか、保管状態が悪い場合、容器の破損が起こり内容物を劣化させてしまうことも多い。
記録メディアなどを封入したばあい、はたして未来でそれを再生する事が出来るのか、ということもある。そもそも現代のプラスチック製造技術では、状態を保てるのはせいぜい数十年とも言われており、開封時には無意味な物体になっている可能性が大きい。
また、当事者がすべて死去し長い年代がたった場合、忘れ去られてしまうこともあり、後世に正しい形で伝えられず、盗掘に遭い散逸してしまうことも考えられる。
あなたも子供のころ埋めたまま忘れ去っていたタイムカプセルはないだろうか?思い出したら手遅れにならぬ前に発掘してあげよう。
歴史的なタイムカプセル
経筒…平安時代の頃流行った末法思想(歳月が経つにつれ、仏教が完全に忘れさられてこの世の終わりがやってくる、当時からすれば世界の滅亡とほぼ同義)の影響を受けて仏教の教えを後世へ残すために経典を筒や陶器に入れて地下に埋められたものが存在する。
ポンペイ遺跡…一世紀頃にヴェスヴィオ火山の噴火によって都市そのものが火砕流で埋められ、発掘されるまで都市や絵画がほぼそのままの形で残っていた。タイムカプセルと言うには規模がデカすぎだが、度々タイムカプセルの街と形容される。