中華人民共和国の都市
敦煌市は中華人民共和国甘粛省北西部の都市。酒泉市の管轄下の県級市。
(歴史的な敦煌は現在の敦煌市と瓜州県を合わせた領域。)
古くから中国と西域との出入口として使われる。
近隣にある世界遺産の莫高窟とそこから出た敦煌文書で有名。
莫高窟
敦煌市近郊、砂漠の中にある仏教遺跡。五胡十六国時代から元王朝に至る千年続いた。その長きに渡り、500前後の石窟寺院が掘られ、2000を越える仏像が安置され、そして無数の壁画が描かれた。題材も如来や菩薩、釈迦の生涯、天女や仙人、中国史の人物まで多岐にわたり、法隆寺の仏画との共通点も見られる。
その後は、航海技術の発達によりシルクロードが衰退したことで長らく忘れられていたが、1900年に王円籙によって発見された為、再び日の目を見た。
なお莫高窟は雲崗石窟と龍門洞窟と並び、中国を代表する石窟である。
敦煌文書
莫高窟から発見された文書のこと。当時としては価値のない書類から習字に至るまでを壁の中に封じていたものとされる。しかし他では残っていない唐代以前の文書原本、行政から民間の暮らしまでを物語る文書が大量に含まれており、現代では失われた言語で書かれたものすらあり、大変な価値がある文書群である。
井上靖の小説
後世に莫高窟から発見された敦煌文献の由来を主題とする。
中国側の協力もあって1988年に佐藤純弥監督・大映製作・東宝配給で映画化された。
中川はこの作品でデビュー、その後舞台を中心に活動したが子宮体癌で闘病の後、2014年10月17日に死去した。