ハリハリ族
はりはりぞく
説明
『HUGっと!プリキュア』において未来の世界に存在していた種族で、キュアエール達プリキュアの協力者のハリハム・ハリーとクライアス社幹部のリストル&ビシンもその一人である。
全員がハムスターのような小動物の姿をしており、人間と同じ言葉を話すことができる。
ただし、ハリーやビシン、リストルが持つ「人間の姿に変身する能力」はクライアス社の改造によって得られたものなので、普通のハリハリ族に変身能力はない。
ハリハリ族は妖精のようなマジカルでファンタジックな種族ではなく「何らかの動物が進化して生まれた生物種」である。いわばツチノコのようなUMAというべきだろうか。
作中の現代では人間たちにまだ発見されてないが、ハリーは第1話で「未来の社会では言葉を喋る動物は珍しくもない」と語っていたので未来世界では人類に認知されている様子。
ちなみに種族全体としてネズミ嫌い。ハリーだけの性格ではなかったようだ。
ハリー達は身寄りのないハリハリ族が集まって生まれたコミュニティ「ハリハリ地区」の出身である。
39話で明かされたことによると、ある時ビシンを含めたハリハリ地区の大半の住人が未知の伝染病にかかってしまったということ。
クライアス社に実験体(モルモット)として身を差し出せば病気の治療法を見つけてくれるいう約束のもとでハリーとリストル、ビシンはクライアス社に協力したが、彼らが住んでいたハリハリ地区は突如謎の火災で壊滅。地区の住人がどうなったかは明確に語られていないが、ハリーやリストルが「何もかも失った」と言っていることからすると火災の日から今まで生存確認ができていないのは確かなようだ。
結果、無事だったのはハリー・リストル・ビシンの3人だけになりハリーはクライアス社を抜け、残ったリストル&ビシンと敵対関係になってしまった。しかし47話で和解、最終回の49話では元クライアス社メンバーとともに未来の世界に帰った。
謎の火災
結局「ハリハリ地区を崩壊させた謎の火災」については、作中で原因が語られる事は無かった。
だが、ドクター・トラウムは何か真実を知っている様子であった。
そのトラウムは「これはクライアス社と全く無関係なところで起こった事件」ということを強調しており、その言葉を信じるならば、少なくともハリハリ地区の壊滅に対してはクライアス社は何も関与していない。
これは想像に過ぎないが、ハリハリ地区に蔓延した未知の伝染病を恐れた周辺の人間たちが、彼らを「駆除」するために火を放った可能性がある。
また別の可能性として、「地球の害になる種族は病魔と共に滅ぶべき」とハリハリ族の未来を悲観した一部ハリハリ族が、自らの手で故郷に火を放ったのかもしれない。
ドクター・トラウムは、一体何の謎の火災の真実を見たのか…。
余談
初期構想ではハリーがいた未来世界は現代世界からみて「遠い遠い未来」と言う扱いであり、ハリハリ族も「悠久の時間の流れによってハムスターが進化した」と言うイメージで設定されていた。ここまでの進化には途方もない時間がかかるだろうが、それだけ遠い未来だというわけだ。
しかしSDの佐藤順一のアドバイスでハリーがいた未来世界は「近未来」と言う扱いに変更された(このあたりの経緯はクライアス社の項目にて)
この変更によって「ラスボスである未来人ジョージ・クライは、主人公の野乃はなが大人になった時代において深い関係を持つ相手である」と言う時間SFならではの重々しい因縁が生まれ、ドラマに奥深さを与えることになった。
一方で、ハリハリ族については「種の進化という形では説明しづらくなった」と内藤圭祐プロデューサーが苦笑まじりに述懐している(アニメージュ2019年3月号より)
まあ、本作では河童や天狗も実在する世界なので、ハリハリ族はこの現代では人間たちには見つからない森の奥でこっそり暮らしているUMAと解釈するのが一番自然なのではないだろうか。このへんないきものは、すでに日本にいるのです。たぶん。
最終回のエピローグでは本編から11年後の世界が描かれるが、この時点で生まれたばかりのビシンをハリーとリストルがあやしているシーンが描かれており、しかも普通に人間たちの街中で溶けこんだ光景になっている。
このことから、11年の間にハリハリ族が人間社会に認知され溶け込むまでになったようだ。順当に行けば、ハリハリ地区の悲劇も回避されるだろう。
ハリハリ族の存在を知っている野乃はなは、11年後では相応の社会的権力を持っているので、色々と骨を折ったと考えるのも面白いかもしれない。