山田 風太郎(やまだ ふうたろう)は、伝奇小説、推理小説、時代小説の三者で名を馳せた、戦後日本を代表する娯楽小説家の一人である。
プロフィール
生年月日 | 1922年1月4日 |
---|---|
没年月日 | 2001年7月28日 |
本名 | 山田 誠也(せいや) |
概要
『魔界転生』や忍法帖シリーズに代表される、奇想天外なアイデアを用いた大衆小説で知られている。
『南総里見八犬伝』や『水滸伝』をはじめとした古典伝奇文学に造詣が深く、それらを咀嚼・再構成して独自の視点を加えた作品を多数執筆した。
彼の作品はいわゆるバトルもの・能力バトルものの先駆者であり、聖闘士星矢やジョジョの奇妙な冒険シリーズ、Fateシリーズなど後世の娯楽作品に大きな影響を与えた。
エピソード
・無類の酒好きで大食漢。蛆がわいたコンビーフや、延々とグリーンピースの山を食べ続ける戦中の貧しい食生活の反動らしく、奥さんに料理教室に通ってもらい、沢山おかずを食べていた。夫婦仲・親子仲が良く、娘への贈り物に名著「育児日記」を物した。
・学生時代は不良で通り、夜中に繁華街をうろついて映画を見るのは常だった。
「風太郎」とは当時の不良仲間との暗号名からつけたものである。本来は「かぜたろう」と読ませたかった模様。
・日本三大名探偵「神津恭介」のシリーズを手掛けた高木彬光とは全く正反対の性格ながら親友である。好戦的な高木と飄々とした山田の相性が抜群にあっていた模様で、喧嘩もまったくしたことがないが、彼のB29のようないびきにだけは本気の殺意を抱きかけた。
・戦後の推理小説家の大半がそうだが、師の江戸川乱歩を深く尊敬している。ただし乱歩の趣味にはついていけていない。また横溝正史にも懐いており、いきなり押しかけて酒をねだったところ、横溝の方が上機嫌に大トラになってひっくり返ったのを見て「これが本当の酒飲みだ」と恐れ入ったという。
主な作品
- 忍法帖シリーズ
- 青春探偵団シリーズ
- 荊木歓喜シリーズ
- 八坂刑事シリーズ
- 金瓶梅シリーズ
- 反忠臣蔵シリーズ
- 反太閤記シリーズ
- 魔界転生
- 青砥稿花紅彩画
- 怪談部屋
- 女人国伝奇
- 幕末妖人伝
- 明治バベルの塔 万朝報暗号戦
- 室町少年倶楽部