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魔界転生

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まかいてんしょう

『魔界転生』(まかいてんしょう)は山田風太郎による小説。それを原作とした同題の作品が複数ある。

山田風太郎による伝奇小説である。元々は『おぼろ忍法帖』という題名で、『忍法魔界転生』への改題を経て最終的に『魔界転生』になった。

忍法帖シリーズの一作。また『柳生忍法帖』『柳生十兵衛死す』と合わせ、十兵衛三部作の一つにも数えられる。

あらすじ

時は1638年、島原で起きた一揆、後世において「島原の乱」として名高い戦いは三万七千人の反乱軍を皆殺しにする事でようやく鎮圧された。

しかし、その戦場において反乱軍の軍師を務めた森宗意軒が生きているという噂話が立つ。

戦場跡で正に森宗意軒と出会う浪人の由比正雪宮本武蔵

彼らは森宗意軒が女を切り捨てると、その女の中から反乱の首魁である天草四郎時貞が復活するのを目撃する。

これこそが忍法魔界転生。

死の淵にあって尚、女と交われるだけの超絶の気力体力を持つ者が女を犠牲に新生する事を可能とする宗意軒の秘術である。

徳川への復讐に燃える宗意軒は、天下を取らんとする野心をもつ徳川頼宣と由比正雪を巻き込み、名だたる剣豪兵法家を次々と魔界に転生させてゆく

槍の宝蔵院たる宝蔵院胤舜

柳生を1万石の大名まで押し上げた柳生宗矩

鍵屋の辻の仇討を成し遂げた荒木又右エ門

若き天才剣士、田宮坊太郎

柳生の本流たる柳生如雲斎

宗意軒の直弟子である天草四郎時貞

二天一流にして天下無双の宮本武蔵

この7人を恐るべき魔人に変貌させた宗意軒が次に狙うは柳生十兵衛三厳

しかしそれをきっかけに、天下を揺るがす大陰謀を知った十兵衛はそれを止めるため、また友人であった田宮平兵衛関口柔心木村助九郎の仇を討ち、捕らえられた彼らの娘や孫娘を救うため、関口弥太郎らと共に魔界衆との戦いに挑む。

魔界転生によって、生前よりもさらに強くなった転生衆に果たして十兵衛は打ち勝つことができるのか?

『魔界転生』を原作にした作品

1981年の映画化作品の評価が非常に高く、この映画が独自に原作から改変した「天草四郎時貞が最大最後の敵」という要素が後の作品でも踏襲されている事が多い。

後の創作への影響

作者などにより「魔界転生に影響を受けた」と公言されている作品が幾つかあるが、その一つにFateシリーズがある。Fateシリーズ生みの親の一人である奈須きのこが、寺田貴信との対談で「学生時代に自分が『魔界転生』をやりたくて書いた恥ずかしい小説を、相棒の武内が覚えていて、「あれをゲームにしよう」と言って出来上がったのが『Fate/stay night』なんです。」と語っている(参照)。

なお、Fateシリーズでも後に『魔界転生』をモチーフとしたと思われる話が作られている。

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