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星新一の編集履歴

2021-05-24 20:29:56 バージョン

星新一

ほししんいち

日本のSF小説家。短編SFを得意とした。

概要

1926年(大正15年)生まれの日本の小説家SF作家。ショートショートの神様と呼ばれることもある。生涯を通じて1001編のショートショートを書き上げた。


本名は星親一(読み同じ)で、父の会社の社是『親切第一』を短縮したものである。父は星薬科大学の創立者で星製薬の創業者・星一(ほしはじめ)。父やその周辺の人々を描いたノンフィクション小説もある。また彼の大叔父は言わずと知れた文豪森鴎外である。

星製薬の御曹司として育ち、経営者を務めたこともあるが、既に星製薬の経営は傾いており、破綻処理の過程で筆舌に尽くしがたい辛酸をなめたという。このことが切欠でシニカルな思考回路が作られた模様。JR青梅駅には星製薬の看板が展示されている。


筒井康隆小松左京と並ぶ「日本SF御三家」と称されたが、1983年に「ショート・ショート1001編」を達成すると、ショートショートの執筆をやめ、以降は作家としての活動が極端に減った。


1997年(平成9年)没。


作品の特徴

「あっさり」という言葉が合う、読みやすくわかりやすい文体。また感嘆符(!)や疑問符(?)が使われていない。特にショートショートは、その短さも相まって子供や読書初心者も手を出しやすい。

内容は多岐にわたっているが、星も自らを「現代のイソップ」と称していたように、童話的・寓話的な趣のある作品が多い。人物を「エヌ氏」と呼称することに見られるように、具体的な地名・人名といった固有名詞を登場する事を極力避け、時代や地域性に左右されない作品を目指した。SF作品であることの例外に漏れず、諸作品の多くは様々な風刺が盛り込まれていて、そのユーモアさや時折垣間見せるっ気が魅力となっている。


ただし、『多岐に渡った内容』の短編を1001編も創作したばかりに本人の死後に著作権に関連する問題が発生し、他作家による創作物との整合性をどうつけるかで議論を呼ぶことになった。(後述)


pixiv内の星新一

装丁、挿絵、イラスト、二次創作の小説、漫画と投稿数は少ない物の非常に幅広い作品が投稿されている。

 星のトレードマークである「ホシヅル」もミームとして流通している。


『イキガミ』盗作疑惑問題

2005年に週刊ヤングサンデーにて連載開始された『イキガミ』(間瀬元朗作)に関して、星新一の初期作品『生活維持省』との内容の類似について指摘があったと日本文藝家協会から発行元の小学館に連絡がなされた。


同作は『作中にて「国家繁栄維持法」という法律が制定され、この法律は国民に「生命の価値」を再認識させることで国を豊かにすることを目的とし、その手段として、18歳から24歳までの若者たちを対象にしたある通知を出している。その通知とは通称「逝紙(イキガミ)」と呼ばれる死亡予告証である。1000分の1の確率で選ばれた者は、紙を貰ってから24時間後には死んでしまうため、残りの人生をどう使うのか模索し、様々な思いを抱きながら死を迎えるか…。』というもので、内容は主に「逝紙配達人」やそれを受け取った者の苦悩と生き様を描いていた。

これに対して、星の次女である星マリナ(作家・反戦運動家)ら遺族は、星の初期作品である『生活維持省』に設定が酷似していると指摘。これは、『政府の方針で「生活維持省」を使った人口抑制、及び定期的な国民の殺処分を行った結果、『とてつもなく平和で豊かな社会』になった』世界を描いたというもの。


騒動は、遺族が筒井康隆に対して「盗作問題で頭を痛めている。」という趣旨の相談をするまでに拡大し、『イキガミ』が2008年に映画化される頃にピークに達した。

これに対して小学館側は「作者・担当編集者はごく最近まで『生活維持省』に触れたことはない」と盗作を否定し、「似ているのは設定だけで、ストーリーも主題も別物だろいい加減にしろ(意訳)」と反論した。

事実、『生活維持省』は国家政策や人間意識に対する風刺がメインであったのに対して、『イキガミ』はあくまで人間ドラマに根本が置かれたものであった。


最終的に遺族側が小学館への抗議を終了させ、後の判断は読者それぞれに任せるとして騒動は終結したが、この『「イキガミ」クレーム事件』は著作権モラル等々の様々な問題を含むものとして創作界隈に波紋を呼んだ。

伊集院光はラジオ番組『深夜の馬鹿力』内にて「(星新一の諸作品が)千(作品)のショートショートでスゴイし、すごくシンプルで贅沢(なのは認める)だけど、根幹のコレが似てる』っていちいち指摘していったらむしろ迷惑な存在になってしまう。」と指摘している。


関連タグ

SF 短編 ショートショート 風刺

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