概要
1970年代のスーパーカーブームに巻き起こった硬質ゴムや塩ビ製のミニカー。主にカプセルトイとして売られた。
コスモスの外れ商品(販売単価20~50円)から始まったと言われている。週刊少年ジャンプ連載の『サーキットの狼』に登場したスーパーカーのものが殆どだったが、やがてスーパーカー以外の実車やコミック作品、オリジナルデザインの車などが出てくることもあった。
これらの後、ウルトラマンの怪獣、やがてキン肉マンのキン消しがブームとなる。
実は素材の問題で消しゴムとしての実用性は皆無であり、名前は学校に玩具を持ち込むための方便でしかない。
遊び方
沢山あるが、一般的なのは「学校の窓の桟をコースとして何回弾いてゴールするかを競う(桟から落ちたらスタートに戻る)」「机の上で弾き、端ギリギリに止めるチキンレース」であろう。
前者のためにタイヤ部分に蝋やセメダインを塗って滑りやすくする子供も居た(後者は滑り過ぎると不利になる)。
ちなみに弾く道具は三菱鉛筆(uni)のボールペン「BOXY」(メインイラストの筆記具がそれ)が構造上優秀で、「円筒ではなく角張っているので机に置いても安定する」「ノックを押し込み、ペン先を引っ込ませるボタンを押すとバネの反動でノックが飛び出す」特徴がまさにスーパーカー消しゴムを走らせるのにうってつけであり、正真正銘の文房具なので問題なく学校に持ち込めた事がブームを支えた。
後にこのBOXYの特徴を模した発射台(メインイラストの青い物体)がスーパーカー消しゴムを複数まとめた紙袋販売で一緒に入れられていた。使いやすさ的には上だが「文房具」と言う肩書が無くなるので学校に持ち込めない問題があった。…まぁ最終的にスーパーカー消しゴムそのものを持ち込み禁止にする学校が続出するのだが。
模型としての利用
かつては1/150に近い縮尺かつ安価で入手しやすかったことから、1970年代後半当時は量産製品がほとんどなかった鉄道模型(Nゲージ)のストラクチャー(ジオラマ)用品として、硬質プラスチックを侵す可塑剤を抜き(その影響で若干小さくなる)、塗装して転用するユーザーも存在した。
しかしディティールは価格相当のものでしかなく(しかも可塑剤を抜いて小さくなった影響でディティールが更に潰れる(角が丸くなる))、手間もかかるため、2000年代以後の模型製品ラインアップの充実とともにやがて廃れていったようである。