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サーキットの狼

さーきっとのおおかみ

漫画家の池沢さとしが1975年から1979年にかけて「週刊少年ジャンプ」に連載した漫画作品。続編に『サーキットの狼II モデナの剣』、『21世紀の狼』がある。
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曖昧さ回避編集

1997年発売のPUFFYの楽曲。作詞・作編曲:奥田民生。曲名は本項の漫画のパロディ。


概要編集

池沢さとしが1975年から1979年にかけて「週刊少年ジャンプ」に連載した漫画作品。続編に『サーキットの狼II モデナの剣』、『21世紀の狼』がある。


愛車ロータス・ヨーロッパを駆る主人公の風吹裕矢が、一匹狼の走り屋から始まり公道やサーキットを舞台にライバル達との競争を繰り広げ、プロレーサーへと成長していく物語である。ライバルとしてポルシェフェラーリランボルギーニ、トヨタ・2000GTなど、世界中の著名なスポーツカーが多数、劇中に登場した。


スーパーカーブームの火付け役ともいえる作品である。


1977年に東映の実写映画、1992年オリジナルビデオ(実写)が存在する。

主な登場人物編集

初期の登場人物は作者の自動車趣味仲間がモデルになっており、後期のモータースポーツ編では実在のレーシングドライバーも登場する。

その一方でライバルキャラの中には苗字や通称しか登場せず、フルネームが一切描写されない人物もしばしば。


  • 風吹裕矢(ふぶき ゆうや)

本編の主人公。普段は姉のローザ(ファッションモデル)と二人暮らし。

かつては一匹狼のドライバーとして活躍しており、暴走族の間で「ロータスの狼」の異名で知られていた。

ドライビング面では天才的なテクニックと冷静な判断力、そしてバトル中にドライビング・テクニックを生み出すなど驚異的な適応力を持つ。コーナリングを得意としており、「コーナリングの魔術師」とも呼ばれる。


  • 早瀬佐近(はやせ さこん)

主人公最大のライバル。

電機メーカー「早瀬電機」の御曹司で、ポルシェの暴走族「ナチス軍」総統。


  • 早瀬ミキ(はやせ みき)

早瀬佐近の妹。春花学園の高校生。自らも女暴走族集団「赤い流れ星」を率い、関東近辺の暴走族を纏め上げている。


  • 飛鳥ミノル(あすか みのる)

プロレーサー。かつては神奈川の暴走族「湘南タイガー」のトップであり、街道レーサーのチャンピオンとして君臨していた。

時速230キロから愛車のランボルギーニミウラを直角に曲げるテクニックを持つ。

裕矢のよき兄貴分にしてよきライバルである。

裕矢の姉・ローザとは恋仲で、後に結婚して裕矢とは義兄弟の関係に。


  • 谷田部行雄(やたべ ゆきお)

数多くの不良少年を更生させた実績から「青少年の父」の異名を持つ。その関係から警察にも顔が利く。

「年甲斐もないカーマニア」を自称しており、当初は沖田をプロレーサーとして育て上げるため援助を行っていたが、沖田がレース中に病死してからは裕矢に沖田に匹敵する才能を感じ、資金面で裕矢をバックアップした。


  • 山岸みのり(やまぎし みのり)

早瀬電機のライバル企業の社長令嬢。幼少期から早瀬を慕っており、自動車の世界に少しでも近づくべくレーサーから訓練を受けて公道グランプリに参戦する。

マシンを失った裕矢のために自分のポルシェ930を貸し出したこともある。


  • 沖田(おきた)

秋田県出身の元警察官のレーサー。かつては町工場の工員だったが、トヨタスポーツ800を手に入れてからはスピードに目覚め、合法的にスピードを出すために交通機動隊の隊員になる。交通機動隊ではスピード違反の取り締まりを専門とする特殊部隊「新選組」で新選組の隊旗を模した塗装のパトカーで暴走族の取り締まりを行っていた。

同じ秋田県出身の谷田部からプロレーサーの道に誘われ、フェラーリ・ディーノで公道グランプリに参戦するも、すでに結核で満身創痍の状態であり、ゴールを直前に力尽きる。

原作ではフルネームは設定されていないが、2009年製作のパチンコ「CR新サーキットの狼」で沖田大治郎と設定されている。


映画版編集

1977年8月6日公開。配給は東映

同時上映は『トラック野郎・度胸一番星』とこちらも自動車をテーマにした映画だった。

実は岩城滉一主演の暴走族映画の流れで企画されたものだったとされている。

当初は『トラック野郎・天下御免』の併映の正月映画の予定だったが正月に暴走族映画は相応しくないと判断され、千葉真一主演の『空手バカ一代』を経て『河内のオッサンの唄』に変更された。

その後スーパーカーブームの拡大から東映まんがまつりより上の世代をターゲットにした夏休み映画として再始動。好評だったようで翌年の『トラック野郎』の併映は『こちら葛飾区亀有公園前派出所』となった。

谷田部(本作では「矢田部」表記)役は無類のスーパーカー好きで知られ後にラリードライバーとしても活動する夏木陽介で、原作者の池沢のほか高橋国光中嶋悟星野一義といった当時の著名レーサーが特別出演している。

監督の山口和彦も少年ジャンプを愛読しており、『こち亀』も手掛けている。

東映芸能は撮影のためにロータス・ヨーロッパ、ポルシェ911カレラ、日産フェアレディZの3台を購入したが、これはクラッシュシーンの撮影も想定していたといわれている。


スタッフ編集

企画:矢部恒坂上順

脚本:山口和彦中西隆三

音楽:鈴木宏昌

クラシックカー提供:東映芸能

監督:山口和彦


主題歌「サーキットの狼」

作詞:池沢さとし 作曲・歌:子門真人 編曲:鈴木宏昌

発売元:CBS・ソニー


キャスト編集

風吹裕矢:風吹真矢(氏家修)

沖田:矢吹二朗

早瀬左近:佐藤仁哉

飛鳥ミノル:倉石功

風吹ローザ:山内恵美子

早瀬ミキ:横本メイ

矢田部行雄:夏木陽介(特別出演)

藤河鉄一郎:今井健二

藤河鉄:高品正宏

極道連A:町田政則

交通警官:高月忠

極道連D:大西義宏

レース団長:小林稔侍

レーサー:城春樹

サーキット場の観客A:栗原敏

サーキット場の観客B:井上清和

裕矢の母親:榊ひろみ

池沢さとし藤山浩一大蔵晶伍代守芦沢道子岡久子宮崎三男三原利彦沢田浩二神宮司山村圭二小林春成市川清美細野輝利加藤公二藤公二

辻本レーシング:辻本征一郎

A・O・Sレーシング:青山敦夫松浦義則武士恭久

特別出演:高橋国光長谷見昌弘中嶋悟星野一義瀬川雅雄長坂尚樹杉浦克彦石川茂


オリジナルビデオ版編集

映画版と同じく東映が配給。「ACT.1」と「ACT.2」の二部構成。

製作時期に合わせて裕矢はケーターハムスーパー7ロータス・エスプリを使うなど登場人物の愛車が変更されている。


スタッフ編集

監督:長澤隆之

脚本:高田純

音楽:岩崎工

制作著作:パック・イン・ビデオホリプロ


キャスト編集

風吹裕矢:宮下直紀

早瀬左近:天宮良

沖田:渋谷哲平

隼人ピーターソン:西川忠志

早瀬ミキ:飯島直子

風吹ローザ:早見優

水上功治

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