幸色のワンルーム
さちいろのわんるーむ
あらすじ
14歳のある少女は、声をかけられた青年に「誘拐」された。少女と誘拐犯の青年は寄り添う生活で心を通わせ、徐々に絆を深める。生活に慣れると少女は「二人で逃げ切れたら結婚しよう、捕まったら一緒に死のう」と提案し、「結婚」を前提として「同居生活」を始める。
登場人物
ドラマの放送
2018年7月8日から9月23日まで、ABCテレビの「ドラマL」枠(23:35-24:05)で放送。その他山形テレビ、青森朝日放送、長野朝日放送、愛媛朝日テレビでも放送され、AbemaTVでも配信。全10話。
主題歌はFLOWの『音色』。
当初は前期『声ガール!』と同様、テレビ朝日で先行ネットされる予定だったが、同年6月18日、株式会社テレビ朝日広報部は放送の中止を発表した。
原作が実際の誘拐事件をモデルにしているのではないかなどの指摘が相次ぎ、「改めて精査した結果、総合的な判断として放送を見送ることにした」とのことである。
実のところ、そうした指摘は本作が商業化したあたりから絶えず上がっており、それに対しはくり氏自身「フィクションであり実際の事件をモデルにしたものではない」とコメントしている。ファンの多くも大きな問題とは認識しておらず、批判者の方が「世の中いろんな人がいると言う話」を理解していない偏狭な者達であるとする辛辣な意見さえも聞かれている。
そもそもこの手のストーリーは今に始まったものではなく、駆け落ち物の系譜に属する一種のテンプレであって、幸と同世代の少女達にこそ親しまれてきたそれなりに伝統ある物語類型である。にもかかわらずこの作品が多くの読者に評価され、メディアミックスを果たすまでに成長したのはひとえにはくり氏の実力によるものであり、安易に露悪やセンセーショナリズムと断じるべきではないだろう。
一方ABCテレビ広報部は「原作が実際の誘拐事件をモデルにしたり、そこからモチーフを得たりしたものではないと認識」し、関西地区で予定通り7月8日から放送した。関西地区における第1話の視聴率は4%(ビデオリサーチ調べ)と深夜番組にしては高いものとなった。
また10日に行われた朝日放送グループ社長会見で、ABCテレビの山本晋也社長は「企画段階で批判があることを承知の上で議論を重ねて中身を精査し、当社の放送基準に照らし合わせて制作、放送を決定しました」「現代における問題点が詰まっているドラマ。世の中の矛盾について見据え、問いかける意味でも、私は放送すべきだと思います」と重ねて述べている。
ちなみにテレビ朝日本体が放送中止を決めたことについては「このドラマは番組販売であるため、テレビ朝日さんの判断についてコメントする立場ではありません」としている。