概要
1話→https://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=59234421
Twitter掲載時の初期タイトルは「世の中いろんな人がいると言う話」。
2017年よりスクウェア・エニックスにて書籍化。
2018年には朝日放送(ABC)テレビによってドラマ化されている。
あらすじ
14歳のある少女は、声をかけられた青年に「誘拐」された。少女は誘拐犯の青年に対し、「二人で逃げ切れたら結婚しよう、捕まったら一緒に死のう」と提案し、「同居生活」を始める。
登場人物
- 幸
- お兄さん
- 演:上杉柊平
- 本名不明。自殺寸前の少女を止めるために誘拐。同居生活を行い、「幸」と名付ける。
- 松葉瀬聖
- 探偵。右目を髪で覆っている。助手の八代共々、幸とお兄さんを追っている。
- 八代
- 松葉瀬の助手を務める探偵。松葉瀬と出会うまでは就職難民だった。
ドラマ化について
2018年7月8日から9月23日まで、ABCテレビの「ドラマL」枠(23:35-24:05)で放送。その他山形テレビ、青森朝日放送、長野朝日放送、愛媛朝日テレビでも放送され、AbemaTVでも配信。全10話。
主題歌はFLOWの『音色』。
当初は前期『声ガール!』と同様、テレビ朝日で先行ネットされる予定だったが、同年6月18日、株式会社テレビ朝日広報部は放送の中止を発表した。
「原作が実際の誘拐事件をモデルにしているのではないか」などの指摘が相次ぎ、「改めて精査した結果、総合的な判断として放送を見送ることにした」とのことである。
一方ABCテレビ広報部は「原作が実際の誘拐事件をモデルにしたり、そこからモチーフを得たりしたものではないと認識」し、関西地区で予定通り7月8日から放送した。関西地区における第1話の視聴率は4%(ビデオリサーチ調べ)と深夜番組にしては高いものとなった。
また10日に行われた朝日放送グループ社長会見で、ABCテレビの山本晋也社長は「企画段階で批判があることを承知の上で議論を重ねて中身を精査し、当社の放送基準に照らし合わせて制作、放送を決定しました」「現代における問題点が詰まっているドラマ。世の中の矛盾について見据え、問いかける意味でも、私は放送すべきだと思います」と重ねて述べている。
ちなみにテレビ朝日本体が放送中止を決めたことについては「このドラマは番組販売であるため、テレビ朝日さんの判断についてコメントする立場ではありません」としている。
勿論はくり氏自身も「フィクションであり実際の事件をモデルにしたものではない」とコメントしている。ファンの多くも大きな問題とは認識しておらず、批判者の方が「世の中いろんな人がいると言う話」を理解していないとする意見も聞かれている。
そもそもこの手のストーリーは今に始まったものではなく、駆け落ち物の系譜に属する一種のテンプレであって、幸と同世代の少女達にこそ親しまれてきたそれなりに伝統ある物語類型である。一概に露悪やセンセーショナリズムと断じるのは早計であろう。
たしかに、モデルにしたのではないかと挙げられた事件において「実は家庭や学校にこそ問題があり犯人は悪くない」「なんなら最終的に警察に駆け込んだ少女も加害者の一員である」といった根も葉もない噂が流れたことは事実である。
しかしながら、それもまた今に始まったものではなく、同様の事件が起きる度に判で押したように繰り返されてきた集団ヒステリーのような現象である。
それを肯定するわけではないが、元々人間が普遍的に持っていた思想であって、この作品はそれを丹念に描き出したから高い評価を得たと考えるべきではないだろうか。