概要
CV:宮澤正
白髭をたくわえ、杖をついた禿頭の老人科学者(むしろ仙人の容姿に近い)。
トーマス・ライト博士の研究所跡に眠っていた青いロボット・エックスを発掘し、その解析結果を元に人間型思考を有するロボット「レプリロイド」を作り上げた。
ロックマンXシリーズでは唯一の人間の登場人物である。
天才ではあるが、100年前の天才であるライト博士やワイリー博士のレベルには及んでおらず、彼らの作ったロボットを完全には解析できなかった。
なおフルネームは不明である。
年齢も不明だが、かつてのライトやワイリーよりも登場人物としては高齢である事は窺える。
イレギュラーハンターという組織内での具体的な立場は語られていないが、『X3』でエックスとゼロが「ケイン博士、お呼びですか?」と発言しているため、部隊長を自分の元に呼び出せるほどの権限を持った地位にあることがわかる。
ゲーム中にて
『X1』では、説明書に「レプリロイドの生みの親にしてシグマの造り手」として紹介されているだけで、存命なのかどうかすら明記されていなかった。
なお同ソフトのパソコン版には、特典として彼の日記が同梱されていたが、なぜか「シグマというレプリロイドが隊長になった」と、他人行儀な呼び方で書かれている。
『X2』においてデザインが発表され、ゲーム中のイベントデモに登場した。
続く『X3』や、この2作の間の事件と言う設定の『サイバーミッション』でも同様の扱いで登場していた。
しかし、『X4』には回想シーン内に名前が触れられるのみで、それ以降の作品では完全に姿を消した。
書籍によれば『X3』と『X4』の間にレプリフォースが結成されているため、期間が開いているようなので、この時期に隠居した可能性はある。
結局現在に至るまでその生死すら不明のままである。
なお、シグマの造り手と言う設定ながら、劇中での絡みは一切無かった。
リメイク版にて
『X1』のリメイク版である『イレギュラーハンターX』では、容姿そのものは旧作と同じだが、「悩む」という人間に近い感情を持つエックスを見守るために延命し、背中に巨大な生命維持装置を装着し生き長らえている(しかし本人が「間に合わんのかもしれない」と言っていたあたり限界に近いようである)老人として登場しており、シリーズで初めてシグマとの会話が描かれている。
シグマが反乱を起こした際にミサイルの爆風を浴びたところで出番が終わっており、旧作とは別の意味で生死不明となった。
一見、オリジナル版と違って死亡しているともとれる退場の仕方だが、これを描いたアニメ『The Day Of Σ』のみがオリジナル版X1~8を収録した『ロックマンXアニバーサリーコレクション』に一緒に収録されており、運よく生き延びたようにも捉えられる。
コミカライズ版にて
池原しげと氏の漫画版では、かつてライト博士のファイルにアクセスできた謎の人物として名前のみが登場する。
容姿すらデザインされていなかった『X1』の時期に描かれた作品という事もあり、ハンターの隊員からも存在を知られていないという扱いになっていた。
一方岩本佳浩氏の漫画版では、ゲーム同様『X2』から登場。
普段は陽気でふざけているように振舞いながらも、時にはエックスやゼロを厳しく諭す後見人的存在として描かれた。
またゲームとは違い『X4』にも登場している。
ノベライズ版にて
イレハンとは対照的に、エックスを発見したのは若い頃であり、20年程の時を経て彼を目覚めさせ、最初は彼に「製作者は自分の友人であり、その人が亡くなったから自分が引き取った」と語っていた。
ケインは発見したライト博士の研究所の地下から発見されたエネルギー鉱石「エネルゲン鉱石」を発表し、更にはエックスの技術を基に最新型の義手を開発、それらは作業ロボットへと発展していった。
そして学会で彼を元に、初めてのレプリロイド・アルファを作り上げしばらくは3人で生活していたという設定である。
だがある日アルファは赤いイレギュラーの事件の後、突如としてケインに「自由が欲しい」と言って牙を剥いた。アルファはエックスの手で倒されたがケインにとってアルファの求めた自由とは何なのかは分からず仕舞いであった。
ロックマンエグゼ6では
彼をモデルとしたケイン市長が登場。才葉シティの市長と才葉学園の学園長と言う二つの顔を持つ。
その正体はWWWのスポンサーで、彼の目的は祖父の名誉の回復。
グレイガに対抗するプログラムとしてファルザーを生み出した彼の祖父は、ファルザーが暴走した事で被害拡大の責任を追求されて名誉が失墜してしまう。しかし、その実は私利私欲の為に行動している節がある。
おそらく、こうした負の側面はケイン博士をモデルとしたレプリロイドシグマからの要素からだと思われる。(ファルザーがケイン市長の祖父に作られ暴走したと言うエピソードもシグマがイレギュラー化した経緯に由来する設定と推測される。)
彼単体がケイン博士をモデルにしているというよりも、光正と光祐一朗のように、二人のキャラクターに要素が分割されたと言った方が正解か。
備考
『X1』のサウンドトラックCDのブックレットでは、シグマの造り手の名前は「スミス博士」となっていた。
誤記なのか企画段階での名前なのかは不明である。