オセ
おせ
『ソロモン72柱』のオセ
オセ(Ose、Osé)とはグリモワール『レメゲトン』の第一部『ゴエティア』で57番目に記される72人の悪魔の一人。『悪魔の偽王国』では56番目に記載される。爵位は総裁。
『悪魔の偽王国』ではオゼ(Oze)という。Oze表記はコラン・ド・プランシーの『地獄の辞典』にも引き継がれ、フランス語ではオズと発音する。
マクレガー・メイザースとアレイスター・クロウリー版『ソロモンの小さな鍵』ではオソ(Oso)、ヴォソ(Voso)の異名が記されている。
『ゴエティア』の写本テキストによって軍団数が異なっており、ジョゼフ・H・ピーターソン編『レメゲトン』所収の『ゴエティア』テキストでは3、メイザースとクロウリー版『ソロモンの小さな鍵』では30の軍団を率いるとされる。『悪魔の偽王国』には軍団数の記載はない。
とにかく豹と関連付けられる悪魔として有名であり、召喚される際には豹の姿として現れ、時間が経つと共に人の姿になると言われている。
オセには人間を変身させる事が出来、変身させられた事を本人も気づかないという。
召喚者の望みによって人間に狂気と妄想をもたらすとされるデーモンである。
また「リベラルな科学(恐らく『リベラル・アーツ』と総称される諸学問)」について教え、神的なる事柄、秘密である事柄についての問いに答える。
『地獄の辞典』ではオセを「地獄の大総統」とし、神学や隠されたもしくは抽象的な物事に関する質問に正しく答えるとされている。
またオセは自分を帝王になったと思い込ませる力をもった王冠を戴いてるとされるが、その力は一日に一時間しか効果がないとも言われている。
「ラッド博士のゴエティア」によると、彼に対抗する天使の名はネマミヤ(Nemamiah)。
なお、この版のゴエティア草稿を含む「ラッド博士の論文集」に収録された「天使魔術論」という別の箇所にある精霊リストにもオセの名がある。
「エノク表」という天体図を記したこの箇所に記された悪霊たちをフレッド・ゲティングズは「エノクのデーモン」と呼び、旧約聖書偽典『エノク書』に連なる伝承が反映されているとした。
かつてWikipedia日本語版の「オセ」の記事に北欧神話の女神フレイヤの夫オーズや彼と同一視される事もあるオーディンと結びつける記述が2009年11月30日 (月) 22:52の版まであったが、次の版より出典が怪しいとして削除されている。
様々な作品のオセ
ソロモン72柱は今や様々な作品に登場している。
特にオセはコラン・ド・プランシーの『地獄の辞典』に付されたイラストでも「豹」という描写がされていることからイメージがし易く、一神教により凋落させられた北欧神話のオーディンと同一視される存在としても語られる悪魔でもある。
『女神転生シリーズ』のオセ
種族は「堕天使」。
悪魔絵師こと金子一馬氏がキャラクターデザインを施した。
豹頭の獣人の姿をしていおり、初期は二本の剣に緑のマントにブリーフ(?)だけを着込んだだけの姿であったが、リメイク版用に新しく金子氏により描き直されたイラストでは「前だけ隠して後ろ隠さず」と過激な見た目になっている。
しかしながら、豹獣人としての優れたデザインとゲーム本編での能力値や所持スキルの優秀さからファンは多い。
鈴木一也原作のOVA化もされた漫画『東京黙示録』では「総統(プレジデントオセ)」としてラスボスを張っており(雑誌掲載時にはネスカフェというCMネタがあった)、『偽典・女神転生』ではその設定を引き継いで黄泉の世界で国津神と争っている。
『真・女神転生Ⅲ』では天使として復権したオセ・ハレルの姿も描かれている(バアル・アバターの配下)。このオセ・ハレルはソシャゲである『D×2 真・女神転生リベレーション』にも登場した。