生殺与奪の権を他人に握らせるな!!
せいさつよだつのけんをたにんににぎらせるな
概要
「生殺与奪の権を他人に握らせるな!!」とは、漫画及びアニメ『鬼滅の刃』における名言の一つである。
漫画でもアニメでも1話で登場した。
主人公の竈門炭治郎が鬼となった禰豆子を殺そうとする冨岡義勇に土下座して彼女の命乞いをする際、その姿に無力だった頃の自分を重ねたのか冨岡が言い放った台詞。
いきなり家族のほとんどを斬殺され、唯一生き残った妹も鬼にされ人喰いの本能に必死に抗う羽目になった竈門兄妹に対して、(表面的には残酷な事実を無慈悲につきつけながらも)刀を引いた義勇。しかし柱合裁判での他の柱の反応を考慮すると、表向きは罵倒しながらも、見逃してくれたばかりか自分と師匠が責任を取る形で後見人となり、兄妹に立ち直るチャンスを与えてくれたという処置は、実に寛大であったことが後に判明した。
因みに「生殺与奪の~」の一文がよく注目されるが、実際は彼の気質からすると常人の演説に匹敵するかもしれないくらいの長台詞である。
全文
※大きく分けて「実際に口にした台詞」部分と「心の中での台詞」部分が存在する。
実際に口にした台詞
実際に炭治郎達に言い放った内容。
「生殺与奪の権を 他人に握らせるな!!」
「惨めったらしくうずくまるのはやめろ!! そんなことが通用するならお前の家族は殺されてない」
「奪うか奪われるかの時に主導権を握れない弱者が 妹を治す? 仇を見つける?」
「笑止千万!!」
「弱者には何の権利も選択肢もない 悉く力で強者にねじ伏せられるのみ!!」
「妹を治す方法は鬼なら知っているかもしれない だが 鬼共がお前の意志や願いを尊重してくれると思うなよ」
「当然 俺もお前を尊重しない それが現実だ」
「なぜ さっきお前は妹に覆い被さった あんなことで守ったつもりか!?」
「なぜ斧を振らなかった なぜ俺に背中を見せた!! そのしくじりで妹を取られている」
「お前ごと妹を串刺しにしても良かったんだぞ」
心の中での台詞
上記の台詞の後での独白。
「泣くな 絶望するな そんなのは今することじゃない」
「お前が打ちのめされてるのはわかってる 家族を殺され 妹は鬼になり つらいだろう 叫び出したいだろう わかるよ」
「俺があと半日早く来ていれば お前の家族は死んでなかったかもしれない しかし時を巻いて戻す術はない」
「怒れ 許せないという強く純粋な怒りは 手足を動かすための揺るぎない原動力になる」
「脆弱な覚悟では 妹を守ることも 治すことも 家族の敵を討つことも できない」
余談
作品の無常観と残酷さを表す名台詞であり、その後に彼の(心の中での)台詞も合わさることで彼自身の人柄も印象づけやすくなっている。初代担当編集の片山氏は「こんなセリフ見たことないぞ」とインパクトを受け、ジャンプの連載会議に通るだろうと確信したという。
日本語として正しくは「せいさ『い』よだつ」という説があるが、上記に関しては出典不明。WEB上にて「せいさいよだつ」と勘違いしていたとの記載が多数見られるが、現行の辞書においては「せいさつよだつ」と記載されており、過去の辞書においても「せいさい」での記載は見られなかったと報告がある(「鬼滅の刃」内の振り仮名では「せいさ『つ』よだつ」で表記されている)。