レイマリ
れいまり
「意外と魔理沙(あんた)とコンビを組んで戦った事って殆ど無かったけど 練習次第では最強の二人になれるかも?」
概要
レイマリとは、同人サークル「上海アリス幻樂団」が制作する『東方Project』シリーズの登場人物で、主要キャラクターである博麗霊夢(以下「霊夢」)と霧雨魔理沙(以下「魔理沙」)の二人が仲良くしているイラストや百合なイラストなどに付属されるタグ名である。二人の略称としてもよく使われる。
人物
博麗霊夢
幻想郷の外と世界の境にある博麗神社に住んでいる巫女さん。
全ての物事に対し、一生懸命取り組むことを嫌う。努力が報われることなど信じていないからである。
何者に対しても平等に見る性格である。人間にも妖怪にもさほど興味はない。
~ 博麗霊夢の詳細については「博麗霊夢」を参照 ~
魔理沙との会話
東方萃夢想 ~Immaterial and Missing Power.
「という訳で、今日も食事の用意はお願いね。」
東方緋想天 ~ Scarlet Weather Rhapsody.
「何だこりゃって、壊れても神社は神社よ。
あんたの家は大丈夫だったの?
今朝の大地震。」
東方憑依華 ~Antinomy of Common Flowers.
「意外とあんたとコンビ組んで戦った事って殆ど無かったけど、練習次第では最強の二人になれるかも?」
「異変解決は私に任せて!あんたは大人しくスレイブしてれば良いのよ。」
–––
原作
霊夢と魔理沙は、『東方Project』の各作品内においては主役的に位置で扱われる事が多い。
原作者のZUN氏によれば魔理沙や妖夢は話のレベルを分かりやすく引き下げるために登場させているとのこと。
「魔理沙は、あれ位の我々に近いレベルの人間がいないと誰も話ついていけないので、
って理由でいるような感じ。脇役だしね。
魅力のある脇役。
具体的に言うとアレだけど、サブキャラ。」
(明治大学トークショー「東方の夜明け」より)
◆本編におけるレイマリ的な一例
上海アリス幻樂団から発表される東方Projectシリーズの各作品には、ゲーム本編との物語を繋げるものとしてバックストーリー(あらすじ)が記載されており、作品によっては二人の交流や会話が記載されたものを目にする機会が非常に多い。
◆書籍等での二人のやり取り
STGでは霊夢と魔理沙が同時に出撃することはない(後述)ため、漫画版ではSTG以上に二人の会話を拝見できる。
『東方三月精 ~ Strange and Bright Nature.』では、二人が交流している描写がとても多く、縁側でのほのぼのとした会話や二人で紅魔館のパーティに堂々と紛れ込んだり、ボケやツッコミ、更には二人で食事している様子など、レイマリが好きな方々にはたまらないシーンが盛りだくさんに描かれている。
『東方鈴奈庵』では東方Project史上初の「霊夢と魔理沙の二人による異変解決」が実現したり、また博麗神社から煙が上がっているのを見た魔理沙が「霊夢が自分に泣きながら助けを求めている」と想像したり、霊夢が風邪だと知るや否や「私が治してやるぜ!」とやや赤面気味に言うなど、レイマリ成分を存分に堪能できる。
『東方茨歌仙』では、第16話で魔理沙に抱きかかえ上げられた霊夢が赤面している姿を見られる。
なお、この手に多い人物関係においては珍しく、ゲーム内では共闘したことは殆ど無い。
『東方憑依華』にて完全憑依のコンビを組んだ時ぐらいである。
ちなみに霊夢は同作にて「練習次第では最強の二人になれるかも?」と言っている。
その他では、東方幻想郷や東方永夜抄で片方がボスになったことがあったり、秋霜玉で二人が連続でボスとして登場したりする程度である。
二次創作
上記で記述されたように、原作での霊夢と魔理沙のやり取りに興味を持った人達によって、二人を題材にした様々な同人作品が製作されている。
東方キャラクターのカップリングものでも人気ジャンルの一つで、東方オンリーイベントなどではレイマリを題材とした作品を出展するサークルさん同士で配置を固められる事もある。
そのため、数多くのレイマリを題材とした同人誌が発表されている。
尤も、レイマリをはじめて知るなら原作の書籍などを読むのを推奨する。
様々な方向性で描かれた作品群の一例を以下に紹介する。
◆日常的なレイマリ
普段の霊夢は、異変がない時は博麗神社の掃除、神社の縁側で緑茶を啜る生活を送っている。その博麗神社に魔理沙が訪問し、一緒にお茶をしたり、魔理沙がご飯をたかりにくるなどの平和な日々を描いている。
公式書籍の霊夢は小説を読んで夜更かししたりと意外にもだらしがない場面が多い。餓死しかけたこともあった。逆に魔理沙は育ちがいいのか、霊夢の神社に通い詰めて料理を振る舞う場面が何度もある。
◆ライバルとしてのレイマリ
二人のライバルとしての面を強調したタイプの作品。
pixivでは、霊夢と魔理沙の二人を対照的に描いたイラストが多い。
おめでたい紅白と不吉な黒白、カラーリング的にも対照的になる。また、天才肌の霊夢と努力家の魔理沙で対になっている。
魔理沙はサブキャラ、プレイヤーに近い普通の人間と設定されているせいか必然的に実力については霊夢が優位に立っているものが多い。
原作では、永夜抄で二人は対峙しており、その場面は二人のとぼけているような感じの会話や闇夜の竹林の美しい背景から永夜抄でも人気の場面となっている。
霊夢が自機で魔理沙を撃破した場合、霊夢は既に異変解決モードであり、霊夢は延々と異変についての話をしている。
魔理沙を選んだ場合は、そばにアリスがいたにも関わらず、撃破前の霊夢は夜が明けないことを“魔理沙”のせいだと推測している。
鈴奈庵では、二人が協力して異変解決に出向いた。公式漫画では、魔理沙が霊夢のフォロー役としてうまく立ち回っている。
しかし、2つの書籍どちらも、最後の話は霊夢が一人で異変解決に出向いている。
これは魔理沙は原作者の言葉を引用すると「魅力的な脇役の一人」であり、東方の主人公はあくまで霊夢であると象徴するため、このような流れになっている可能性が高い。
魔理沙が霊夢をライバルとして意識しているのが二次創作に多い傾向。
原作でも、魔理沙が霊夢に対し「自分より主人公っぽくて目障り」という発言がある。
逆に霊夢は、永夜抄までのあたりはまだまだミステリアスな面が強かったせいか、魔理沙の一方的なライバル視と描かれることが多かった。
鈴奈庵以降は霊夢が里の人間でも妖怪になったら退治していたことが明らかとなり、「魔理沙もルールを破りそうな人間としてその対象に含まれているのでは?」と考察されている。
◆恋愛系のレイマリ
二人が友達やライバルである以上に、もっと親密な関係を描いた方向性の作品。要は百合。
公式でも、魔理沙は霊夢が大好物(?)であり、霊夢がいないと退屈で死んでしまう、
とまで明言されている。
例としては、
- 霊夢が魔理沙をからかって恥ずかしがる魔理沙
- 魔理沙が霊夢に惚れているが、魔理沙からなかなかアタックができない(逆もあり)
- 魔理沙が霊夢を攻めるつもりが、一枚上手の霊夢に逆に攻められる
- 魔理沙の裏表のない接し方に困惑し赤面する霊夢
など、数多くのバリエーションを描いた作品が投稿されている。
◆シリアス系のレイマリ
一方通行やバッドエンドなど、シリアスな展開で描かれる方向性の作品。
内容の一例として、
鈴奈庵で二人の関係にやや不穏さが感じられる描写がある。
霊夢は幻想郷のルールを破った者は自分の知り合いだろうが、元人間だろうが制裁を下す。
魔理沙を特別に指しているわけではなく、書籍では比較的冷静な魔理沙だが、強い力を求めてその対象になる可能性はある。
鈴奈庵の主人公の本居小鈴の結末は、魔理沙のあったかもしれない未来として挙げられている。
さらに、魔理沙は西行寺幽々子に長生きしそうにないと言われたり、茨木華扇や二ッ岩マミゾウにも警告を受けている。同作品で八雲紫やドレミー・スイートからは、人間を超えたいと言う願望があると指摘されている。
よって、近頃はレイマリの〝闇〟の部分を描いた作品も増加中。
例をあげると、
- 魔理沙が異変を起こしたり、妖怪化して、博麗の巫女である霊夢に退治されてしまう
- 逆に強い力を持って霊夢を倒し、最悪殺してしまうなどバッドエンドを迎える
- 霊夢が人間として生を終えるが、魔理沙は妖怪化して寿命差で離別(この場合、先の未来で妖怪となった魔理沙が次代の巫女をからかったり、異変を起こしてみて力試しするハッピーエンドの流れになりやすいが)
- 魔理沙が霊夢に追いつこうと努力するが、老いから逆にどんどん弱くなる
など。
◆その他のレイマリ
霊夢と魔理沙を多方面で描いたもの。
二人は過去(幼少期)に出会っていたり、外の世界での学パロを描いたものなど。
また、ふたりの家族について明確な記述はない。設定が空白なので二次創作が盛んになっている。
唯一、先代巫女と霧雨の親父さんのみ作中で言及されているが、詳しいことは不明。
よって、霊夢と魔理沙がお互いに抱く感情は親子のように見えるときもある。
- 霊夢と魔理沙が幼い頃に出会っている
霊夢と魔理沙の出会いや過去はレイマリの話の中でも創作されやすい。
- 霊夢と魔理沙の学パロや、どちらかが並行世界に生きているなど
現代で生きていた場合、どんな風だったのか。また、どちらかが現代に生きている、並行世界を思わせるようなものもある。
- 旧作から霊夢と魔理沙は仲が良かったとされるもの
旧作の内容を含むとまた違った関係を築くレイマリ像が考えられる。
注意
原作における霊夢と魔理沙の身長は、霊夢の方が拳一つほど高かったりする。
二次創作においては、二人が同じ高さで描かれていることが多い。
中には逆に魔理沙が高くなっているなんて事もあるが、これは単なる間違いか、描き手の好みの問題なので注意。
「二次創作は自由」なのは確かだが、何でもありでは無い事は知っておこう。一次作品への敬意も忘れずに。
人気投票
2013年6月にニコニコ動画で行われた「第5回東方ニコ童祭」の人気投票・ベストパートナー部門(有効投票総数14,449票)において、レイマリは1,006票を獲得し第1位となった。
霊夢側のカップリング中・魔理沙側のカップリング中の双方で第1位である(霊夢側では得票率46%、魔理沙側では40%)。
また同年10月に中国で行われた人気投票のカップリング部門(有効投票総数5,738票)でも985票を獲得して第1位となっている。