概要
博麗神社とは『東方Project』の主人公の一人である博麗霊夢が巫女として勤めている神社である。『東方Project』全体を通じてある意味非常に重要な施設として扱われている。神社の敷地内で誰か(主に霊夢)が何かをしている絵につけられる。
設定
場所
幻想郷の東の端にあるとされ、幻想郷と外の世界を隔てている博麗大結界の境目に位置しているとされる。厳密には幻想郷内に建っているわけではない。
神社周辺には森があり、これが境界の役目をしているらしい。あくまで神社自体は結界を保護するために置かれてるにすぎないようで三回倒壊したが結界自体は無事であった。外の世界との狭間に存在している関係上、神社周辺に外の世界の品が神社近辺に落ちていたり、外の世界の人間が迷い込んでいたりすることがよくあるらしい。尚、神社の森の中にある大木のひとつにはサニーミルクら三月精が引っ越してきている。
神社からは幻想郷を一望でき、また桜の季節には絶好のお花見スポットとなる。お花見の季節になるとレミリアや萃香を筆頭として、霊夢になついている妖怪たちがこぞって花見をネタに集まってくるため、一般人には近寄りがたい状態となる。ただし、別に花見の季節でなくても妖怪の巣窟と思われるほど頻繁に妖怪が訪れるため、境内では妖怪は襲ってこないこととなっていて一応安全なのだが、年中近寄りがたい状態である。
この桜について『文花帖』に掲載された文々。新聞の記事(第百二十季/卯月の一刷、射命丸文記事筆)では、「幻想郷一美しい博麗神社の桜」と評されている。
尚、妖怪が集まるようになったのは霊夢が博麗の巫女になってからのこと。それまでは妖怪は近寄らなかったし、立地条件が悪くても今ほど参拝客は少なくなかった。霊夢の性格が妖怪を惹きつけた結果であり、『儚月抄』で霊夢がしばらく神社を留守にしていた際には、妖怪を含めほとんど誰も来なくなってしまった。
人里から神社までは見通しの悪い獣道しかなく道中妖怪に襲われる危険性が高いため、前述の妖怪がよく来ることと相俟って参拝客が訪れることは稀である。ゆえに賽銭は絶望的。もっとも賽銭が少ないのは妖怪が近寄らなかった昔も同様で、歴代の博麗の巫女も賽銭による収入が期待できないために異変解決を生業としていた。
祭神
信仰の少なさについては紫をはじめ早苗や聖など複数のキャラから、もっと信心を集めろと駄目だしを食らっている。神様を知り、その力を信じ、感謝する心が信仰心なのだが、博麗神社の神様は知名度も低く(霊夢でさえも何の神さまを祀っているのか分かっていない)ご利益もよく分からないため信仰が集まりにくく、必然的に参拝客や賽銭も少なくなる。霊夢も信仰の少なさに付いてはそれなりに気にしており、他の神様を勧請したり、神事を行うことで神社に信仰心を集めることも考えたことがある。
だがいくら襲われないとはいえ、こんなところに来る命知らずは居ない。
外観
『萃夢想』などのステージとなっている神社を見ると、本殿とあまり大きくない高床式倉庫が窺える。基本的な神社のつくりとして、本殿内部に住むことは考えがたいため、本殿とは別棟で母屋があると考えられる。『三月精』では高床式倉庫とは別に土蔵型の倉庫も使っていた。
『緋想天』では二度にわたって倒壊させられたため、現在の神社は新築である。霊夢が神社の境内の掃除をしている描写がしょっちゅう見受けられるため、それなりに手入れもしているものと考えられる。本殿の縁側では、霊夢がお茶漬けを食べつつお茶をすすったり、魔理沙などの来客がダベっていたりする。
裏には林檎のなる木や池があり、池には東方旧作で霊夢が乗っていた亀の玄爺が住んでいるらしい。また『地霊殿』の一件で温泉が湧いている。洞窟や池のある裏山もあり、ここから魔界や地獄等主に旧作の舞台となったエリアへ通じている。
結界を隔てた外の世界からもこの神社を見ることは出来るがそもそも人目につかないところにある上、幻想郷から見たときと違い荒れ放題のため誰も寄り付かない。ちなみに鳥居のある方角は人里と反対方向(外の世界向き)らしい。
ただし、『三月精』で外の世界で供えられた酒が幻想郷側に転移しており、このような、幻想郷側と外界側で博麗神社の品物が入れ替わる事が度々ある事や、霖之助が間違って外界に出てしまった際、人々で賑わう外界側の博麗神社を目撃している事から、荒れ果てているというのは紫の嘘である可能性が高い。
高い位置にある関係上崖になっている部分もあるようだ。
内装
全体的に非常に簡素なつくりの和室であり、居間は机が一個に座布団が置いてあるだけである。また居間の隣には台所があり、土間となっている。寝室もあるが布団は一組しかないため、誰か別の人が使っていると霊夢は布団なしとなってしまう。
倉庫の方は詳細は不明であるが滅多に開けないため埃っぽいらしい。
住人
博麗霊夢以外に住んでいる人は居ない(神主すら居ない。一説によればこれは神主が『東方Project』の原作者のZUN氏であるためであるとされ、これによりZUN氏は神主とも呼ばれている。)
人以外では、旧作キャラの魅魔が付近に住み着き、神社の祟り神的存在になっているとされているが、Win版になってから描写は霊夢や魔理沙が「昔悪霊に憑かれていたことがあった」程度の描写しか無い。また『夢時空』にて騒霊であるカナ・アナベラルが取り付き、エレンが境内に店を建てた事になってるが、同様にその後の描写は皆無である。また『萃夢想』以降、伊吹萃香は入り浸りになっているらしい。
『風神録』以降は神社の一角に守矢神社の分社を建てたため、八坂神奈子が自由に行き来できるようになっている。(描写はないがおそらく同じく守矢神社の祭神である洩矢諏訪子も行き来できる可能性が高い)
『心綺楼』以降は、秦こころが度々能楽を披露する様になり、さらに『輝針城』以降は打ち出の小槌の魔力が戻り、元の大きさに戻るまで保護するという形で少名針妙丸が、一時期虫カゴの中で生活をしていた。今はもとに戻り輝針城に戻っている。
『三月精』第4部で幻想郷に移住したクラウンピースが縁の下に住んでいる。寒さを凌ぐため焚き火を燃やして、博麗神社全体を温めていたが、ボヤ騒ぎを起こし追い出される。しかし、知った事かと開き直り再び地下に戻ってきた。以降霊夢は監視という名目でそれを黙認し、そこで生活を送ることとなった。
『天空璋』で、実は高麗野あうんが人知れず神社を護っていたことが判明した。しかし、異変の影響を受けて表に出てしまったため存在がバレてしまい、以降普通に居着いている。
公式作品での登場場面
『東方Project』全作品において何らかの形で登場する。ゲームでは(特に霊夢使用時の)エンディングにおいて、神社敷地内で霊夢とその作品の黒幕が談話したり宴会したりするパターンが多い。『萃夢想』、『緋想天』、『非想天則』『心綺楼』ではステージとして選択でき、特に『緋想天』、『非想天則』では地震によって倒壊した博麗神社前のステージも存在する。
書籍においても文中または漫画中に登場する。
例えば先述の『儚月抄』(小説・漫画)に加え、『茨歌仙』等では神社を舞台としたストーリーも展開する。特に『茨歌仙』では、茨華仙(茨木華扇)はじめ来訪者が神社にやってくることから始まるストーリーが多いため、頻繁に登場することになる。また同じく『茨歌仙』では先述の桜に加えて立派な梅の木(臥龍梅)があることが明かされ、これを巡ってひと悶着がある様子が描かれる。
さらに、ゲームや小説、漫画以外の公式作品である『求聞史紀』や『求聞口授』にもそれぞれ記述があり、前者では作中の「幻想郷縁起」にて稗田阿求の視点から神社が紹介されており、後者には先述の神社が倒壊した際の「文々。新聞」の記事(『第百二十三季/文月の二刷』、射命丸文記事筆)が掲載されている。
加えて前者には「幻想郷縁起」の参考文献として、「博麗神社社務所」(による編集)との名義で『幻想郷風土記』という題の著作物が掲載されている。
さらに先述のとおり『文花帖』では、『花映塚』以降と思われる時期の記事に神社が登場している。