「さあ、秘宝(こづち)よ! もの言わぬ道具に夢幻の力を与え給え!」
「小が大を兼ねたって良いじゃない。」
概要
二つ名 | 小人の末裔(輝) 輝く針のリリパット(鈴) 眉唾!緑色した小人(深) 御伽噺的でお椀に乗る小人(憑) |
---|---|
種族 | 小人 |
能力 | 打ち出の小槌を扱う程度の能力 |
テーマソング | 輝く針の小人族~Little_Princess |
登場作品 | 『東方輝針城』最終ボス 『東方鈴奈庵』第12話 『弾幕アマノジャク』八日目 『東方深秘録』 プレイアブルキャラ 『東方憑依華』 プレイアブルキャラ 『The Grimoire of Usami 秘封倶楽部異界撮影記録』 |
『東方輝針城』6面で初登場するキャラクターで、今回の異変の実行犯。ただし本来の首謀者は5面ボスの鬼人正邪なので、彼女は共犯者ということになる。
勇ましい名前に反してとてもかわいらしい容姿をしており、もちろんれっきとした女の子。これと似たような事はリグル・ナイトバグ(格好故に男の子と間違えられがち)や二ッ岩マミ「ゾウ」にも言える。
そんな彼女はかの有名な一寸法師の末裔で、彼ら一族は「小人族」と称され、唯一「打ち出の小槌」を使える能力を持つ代わりに体が小さい(文字通りの"小人")。
針妙丸が小人族の中でどの立ち位置の人物なのかは不明だが、正邪には「姫」と呼ばれていたし、『東方深秘録』にて城の主であるという事が明らかに。
それなりの身分である事がうかがえるが、彼女以外に城にいる人物にはまだ言及されていない。
彼女のデザインと言動からは、心身ともに幼い印象を受ける。『深秘録』でも頭身はかなり低い。
性格
誇り高き小人族の末裔と自称しているが見た目に違わず子どもらしくて純粋。
『輝針城』の異変も正義心を持っての事だが、それが間違った事だと知ると素直に引き下がっている。また恵まれない境遇の者に共感して救いの手を差し伸べる情け深い心を持っている。
一方『深秘録』では口が悪くなり、願いを叶えるオカルトボールを入手するべく所持者と戦ってもらうために、まず敵に向かって「巨女」だのなんだのと叫んで挑発する戦法を取った。そして独り事を他人に聞かれた時はすぐさま相手に死んでもらおうと考え襲い掛かっている。
改悪というよりは色んな意味で子どもっぽいゆえだろう。
ちなみにオカルトボールを手に入れる手段は、願いに必要な7個中の6個程度を持っている相手に勝負を挑んで根こそぎ奪うという頭を使った方法を狙っていた。
小人の体を大きくしたいと願っている。『東方鈴奈庵』の時は打ち出の小槌の力が戻る事で大きくなれると言っていたが、『深秘録』では小槌が使用可能になっているような描写にも拘わらずオカルトボールの力で大きくなろうとしていた。
異変の経緯
初代一寸法師が鬼を退治し、願いを何でも叶えられるという鬼の秘宝「打ち出の小槌」を手にいれ、姫と大きな身体を得たのは伝えられている通りである。
初代はそれ以外のことは願わなかった。
打ち出の小槌は鬼の魔力が込められた道具であり、乱用するとそれだけ自身の身を滅ぼすだろうと考えたからである。
しかしそんな一寸法師の精神は代を重ねるごとに崩れていき、ついにその禁忌は破られる。
一人の末裔が、小槌の力を使えるのに持ち腐れになっている状況に業を煮やし、小槌で自分の欲を叶え始める。その最後に「豪華な城を建てて民を支配したい」と小槌に願って輝針城を造り上げたところで、小槌の魔力は尽きた。途端、出現した輝針城は逆転し、民のいない鬼の世界(地底ではないらしい)へ小人族もろとも幽閉されてしまう。小槌が願いを叶える際に求められる「代償」による現象だった。
それから、小人族が人間に知られることはなかった。
小人族は打ち出の小槌の恐ろしさを身をもって味わい、小槌を再び封印した。
それから長い年月を経て、現代。
もう小人族で過去を話す者もいなくなった。そのため、針妙丸は小槌の事を知らなかった。
そこに目を付けたのが鬼人正邪だった。
正邪は自身の野望を叶えるために打ち出の小槌を使うことを考えたが、打ち出の小槌は小人にしか扱えないので、無知な針妙丸を利用することにしたのだ。
正邪は針妙丸を唆して自分の都合の良いように嘘の歴史を吹き込んだ。
『さあ、弱者が見捨てられない楽園を築くのだ!』
こうして針妙丸は小槌の代償を知らぬまま、正邪の言う通りに小槌を使い始める。
小槌は針妙丸の願いを受けて、針妙丸を大きく強く変化させ、ただの道具を付喪神に変え、弾幕や敵を大きくし、一方意図せず洩れ出した魔力が無関係の妖怪達を凶暴化させ……
そして打ち出の小槌は、下克上の世界という大きな願いを叶えきらない内に魔力を枯渇させる。
異変後
針妙丸は元々は少女の膝下程度の大きさしかなかったのだが、打ち出の小槌を使いすぎた代償としてさらに小さくなってしまう。(目測で20cm程度)
小槌の魔力の回収期が終わり元の大きさに戻れる日が来るまで、霊夢に博麗神社で保護してもらい動物に襲われないよう安全な虫篭の中で暮らすようになった。彼女も霊夢には感謝しているようだ。
なお『鈴奈庵』で描かれた虫篭にはベッド、カーテン、スリッパなどがあり、外部からの視界を完全に遮断できる、虫篭というよりドールハウスといっても過言ではない居住性を持っている。それとも虫篭に代わって霊夢が用意したものなのだろうか。
また同『鈴奈庵』では、感謝の印にお揃いの和服(小人サイズ)を霊夢に贈ったり、博麗神社の縁側で三月精と遊んでいる様子が見られる。
弾幕アマノジャク
続編の『弾幕アマノジャク』では8日目に登場。
正邪の企みを幻想郷中に広めた張本人である。幻想郷の妖怪たちに向けて正邪討伐の御触れを報酬付きで出した。
異変は失敗したし、幻想郷には復讐すべき敵なんて居ない。だからいい加減幻想郷の者達には2人で降伏しよう、持ち逃げした小槌の残りの魔力を返すように、と正邪に促す針妙丸。が、当然の如く反対されてしまった。
この際「ま、あんたならそう言うと思ったけどね」と発言したあたり、この説得は無理を承知で行っていたようだ。8-1の通常弾幕で針妙丸を倒さずに弾幕を避け続けると謎の演出が現れる。
『輝針城』以降の作品では、弾幕や敵を小槌で大きくする戦法をほぼ取っていない。
東方深秘録
『深秘録』のプレイアブルキャラとして弾幕アクション作品に初登場。
選んだオカルトは「リトルグリーンマン」。
オカルトボールを集めると大きくなれる、と言うピンポイントでいかにも信憑性の薄い噂を実現させるために参戦した。実は本人もあまり信じていなかったが、彼女は確かめてみないと気が済まない質だったので大きな敵たちと知恵を絞って戦う道を自ら選んだのであった。
今作のラスボスからかつてない扱われ方をされているためその人物がトラウマになっており、初めての邂逅時から変態だと認識して出会ったら逃げるようにしている。
余談だが茨木華扇に対して何か感じる所があるようだ。
東方憑依華
『深秘録』に続き『憑依華』にもプレイアブルとして登場。
とある理由で天界からしばらく追放される事となった比那名居天子とコンビを組んでいる。
コンビを組んで暴れてた所、何故か宇佐見菫子と組んでいるもう一人の自分が…
そして後にこれが本人達が知らない内に異変解決の大きな鍵となるのである。
ちなみに天子曰く小人族は高貴で知力に長けた種族のようで、よく他人を下に見ている天人である天子にしては珍しく高く評価されている。
またドレミーによるとよく巨人になる夢を見ているらしい。
The Grimoire of Usami 秘封倶楽部異界撮影記録
博麗神社に開かれていた弾幕花火大会に途中から乱入。
安全に考慮された弾幕など真の弾幕ではないと憤り、なんと正邪と再び結託して大会を乗っ取り、安全度外視の「本物の弾幕大会」の開催を宣言した。
『弾幕アマノジャク』にて一度は敵同士となった二人だが仲はそこまで悪くなっていないようで親しげに話しながら「本物の弾幕大会」を楽しんでいた。
また意外と顔が広いらしく様々な妖怪に声をかけて「本物の弾幕大会」に誘っていたようだ。
そのメンバーは嫌われ者の地底の妖怪達や捻くれ者の赤蛮奇、はみ出し者の坂田ネムノや霍青娥と宮古芳香等どちらかと言うと正邪寄りのメンバーが多い。
なお東方剛欲異聞にて交流のある依神紫苑が旧地獄にいた事から少なくとも東方天空璋の後には地底と交流していたと思われる。
また、針妙丸の行動から両名と関係の深い比那名居天子も地底との交流がある可能性が浮上した。
奇しくも天子自身も序盤の花火大会にて『本物の弾幕大会』さながらの危険弾幕をブッ放している。
容姿
薄紫色のショートヘアーにお椀または船にしているお椀の蓋を被っている。服装は赤色の和服で、足元は裸足。
右手に縫い針のような特注の剣、左手に打ち出の小槌を持っている。縫い針の剣は『鈴奈庵』では肩掛けの簡素な鞘に入れて持ち運んでいる。
打ち出の小槌のデザインは一般的なイメージそのもので、側面に松の絵が描かれている。
小槌の片面から魔法陣らしきものが出ており、針妙丸を囲うように輪を描いてもう片面と繋がっている(ただ複雑な模様をしているので簡略化されることが多い)。
『輝針城』異変の最中は小槌の力で人間大に巨大化している。
(普段は一寸よりは大きいが、せいぜい少女の膝下に届くか届かないかという程度のサイズ)
小さな姿は『輝針城』『深秘録』ED映像や『鈴奈庵』劇中で確認できる。小槌の魔力が尽きた状況だと針妙丸とその持ち物は縮むが、小槌自身は人間が扱えるくらいの大きさを保ったままである。『深秘録』の針妙丸は小さな姿をしているが魔力が戻った状態の小槌もそれに合わせて小さいサイズになっている。
『輝針城』立ち絵で頭に被ったお椀とゲーム中で登場する巨大な椀は別のデザインで同時に登場するため同一の物では無い。『深秘録』での帽子は船代わりのお椀の蓋なので、お椀に乗った状態でしゃがめばお椀に蓋がされるようになっている。一寸法師というよりは、『鉢かづき姫』に近い見た目。
おそらく御椀の船に乗ったというくだりからの連想だろう。
ちなみにこのお椀、耐熱性で炎攻撃に耐えられるらしい。
能力
打ち出の小槌を扱う程度の能力
童話『一寸法師』と同じく、その手に持つ秘宝『打ち出の小槌』の力によって自身の弾幕を巨大化させて攻撃したり、対戦相手を当たり判定ごと大きくさせるといったスペルカードを扱う。『深秘録』ではスペルカード発動時に掲げて振るほか、大きく振ると小判の形の射撃が出るうえに『弾幕アマノジャク』の「打ち出の小槌レプリカ」と同様に敵を直接殴れる。
しかし前述のように打ち出の小槌は大変危険な道具なのでうかつには扱えない能力だと思われる。
使い込んだ事で打ち出の小槌の特性をある程度は理解できたようだが、まだまだよく分からない部分が多い。
戦闘能力
『輝針城』時は打ち出の小槌の力を使用限度まで使っており、ラスボスに君臨していた。
『深秘録』では小槌の力に寄る物なのか、それとも自力なのかは分からないが、小さな姿でも自分より何十倍も大きい敵と互角程度に戦えている。
剣で突きと斬りを素早く繰り出すほか、釣り針を剣先に付けて敵を釣り上げ放り投げる。
お椀の船を針の剣で櫂のようにかいて空中を進み、船で水繋がりだからなのか光る魚型の弾を出せる。ハムスターのようにお椀の内部側面を足で回して回転する動きをすることも。
スペルカード
輝針城
スペルカード | E | N | H | L | EX |
---|---|---|---|---|---|
小弾「小人の道」 | 〇 | 〇 | |||
小弾「小人の茨道」 | 〇 | 〇 | |||
小槌「大きくなあれ」 | 〇 | 〇 | |||
小槌「もっと大きくなあれ」 | 〇 | 〇 | |||
妖剣「輝針剣」 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |
小槌「お前が大きくなあれ」 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |
「進撃の小人」 | 〇 | 〇 | |||
「ウォールオブイッスン」 | 〇 | 〇 | |||
「ホップオマイサムセブン」 | 〇 | 〇 | |||
「七人の一寸法師」 | 〇 | 〇 |
弾幕アマノジャク
スペルカード | ステージ名 |
---|---|
「小人の地獄」 | 8日目 シーン4 |
輝針「鬼ごろし両目突きの針」 | 8日目 シーン7 |
東方深秘録
スペルカード | ||
---|---|---|
小槌「伝説の椀飯振舞」 | 自機・対戦 | |
小人「一寸法師にも五分の魂」 | 自機・対戦 | |
釣符「可愛い太公望」 | 自機・対戦 | |
*緑の巨人よ、おおきくなれよ!* | 自機・対戦、怪ラストワード | |
大漁「空中大回転漁法」 | ストーリーモード | |
*幻の国ブレフスキュ* | ストーリーモード |
秘封ナイトメアダイアリー
『小槌「大きくなあれ」』のように螺旋状に巨大化する弾を放つ。また、針妙丸が触れた仲間の弾幕は巨大化する。
スペルカード名 | ステージ名 | 備考 |
---|---|---|
緋針符「要石も大きくなあれ」 | 悪夢火曜、弾幕夢2 | 比那名居天子との合同スペカ。 |
輝夜符「蓬莱の大きな弾の枝」 | 悪夢火曜、弾幕夢4 | 蓬莱山輝夜との合同スペカ。 |
永輝符「大きくなる壺」※ | 悪夢火曜、弾幕夢5 | 八意永琳との合同スペカ。 |
※作中では、バグで妖風符「土着蝶ストーム」と表記されてた。
備考
- 「ホップオマイサムセブン」とは"hop-o'-my-thumb seven"(七人の小人)という意味である。
実際にこの時の針妙丸も最終的に七人に分裂して弾幕を放つ。
元ネタ
少名針妙丸の『少名』は、日本神話の少名毘古那神からきていると考えられており、少名毘古那神は一寸法師のモデルといわれている。「古事記」において少名毘古那神は大国主神と共に国造りをした神であり、大国主神は建御名方神(八坂神奈子のモデル)の父である。
また、針妙丸の祖先である一寸法師は鬼と戦ったので、茨木華扇に感じることがあるというのは、茨木華扇がやはり鬼の茨木童子が元ネタだからだと考えられる。
そして、少名針妙丸の『針妙』は、
- 宮廷女房の私室にいて、主に裁縫をする上級の女中。
- 一般の家庭や寺院で、裁縫をさせるために雇う女。
という意味である。また、針妙の妙は少女の意味合いであり、針を使う少女ともとれる。
因みに、『丸』には鬼よけのような意味もある。
二次創作
見た目に分かりやすいサイズの小人であるため小動物のように可愛がられやすいキャラ。
『輝針城』ストーリーのイラスト化以上に、他の東方キャラや単なる風景・静物・動物との組み合わせイラストが描かれることだろう。
打ち出の小槌ネタ
打ち出の小槌で自分や相手を大きくしたり小さくしたり出来るので、小槌を使っていろいろ大きくしたり小さくしていたりする。主に自分や相手の胸あたりを。
幼女
小人である故に言動や仕草がやたら幼くされている傾向が見られる。
他作品とのコラボ
スペルカードとの絡みからか、某巨人が登場する漫画とのコラボもいくつか出ている。
また、正邪に引っ張られてかキルラキルの満艦飾マコポジションになっていることも。
カップリング
カップリングとしては、今のところ異変の際利用されていたとはいえ、共に行動していた正邪、異変後の行動から霊夢、さらには元ネタ絡みか伊吹萃香、星熊勇儀、おとぎ話つながりで蓬莱山輝夜、人形サイズの身長という点でアリス・マーガトロイドとの絡みが見られる。
身長について
描かれる身長は小人サイズ時のものでも膝丈程度から手のひら大までまちまちで、シチュエーションによる変動が激しい。
東方キャラの日
二次創作イベントタグ「東方キャラの日」では、「9月7日は針妙丸の日」が提案された。由来は「す 9(く)7(な)」の語呂合わせ。niconicoなどの「東方記念日」では、「5(こ) 10(びと)」で5月10日とされる。
関連イラスト
関連タグ
原作・本人関連
二次創作
針妙丸vs食べ物リンク 針妙丸vs動物リンク 胸が大きくなあれ 9月7日は針妙丸の日