「女苑ー、その言い草酷いわー 私だって好きで貧乏している訳じゃないのにー」
「最凶最悪は一人で十分 それこそが私 貧乏神の依神紫苑だ! 貧しさに怯えて死ね!」
概要
二つ名 | 最凶最悪の双子の姉(憑) 粗衣粗食の貧乏神(茨) |
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種族 | 貧乏神 |
能力 | 自分も含めて不運にする程度の能力 |
テーマ曲 | 今宵は飄逸なエゴイスト |
登場作品 | 『東方憑依華』ラスボス 『東方茨歌仙』第45話 『東方剛欲異聞』自機 |
『東方憑依華』のラスボスキャラクターの1人。
もう1人の依神女苑とは双子の姉妹の関係にあり、姉。名前の由来はおそらく、姫女苑とそっくりな雑草で「貧乏草」の別名をもつ春紫苑から。その花言葉は「追想の愛」。姫女苑よりも早くに咲き、花が一回り大きい。
その正体は泣く子も貧する貧乏神であり、東方憑依華で起きた完全憑依異変の黒幕。
妹は疫病神でありまさに最凶最悪のコンビである。
異変の目的は疫病神である妹が不特定多数の人に取り憑いて、富を巻き上げそのおこぼれにあずかることであった。
異変では「自身が対戦相手に完全憑依して勝運をなくして強制敗北させる」という重要な役目を担う。
性格や言動は大人しそうで、自信のなさそうなポーズをよくとっている(実際は自身の能力のせいで頑張っても不幸なため無気力であるとテキストで語られている)。
だが一度キレると相手が誰であろうと歯に衣着せぬ言いようで啖呵を切り始める。
貧乏神らしく飢えているようで、対戦後会話では「ひもじいよー 恵んでよー」と食べ物を乞う様子が見られるほか、どぶろくと雑草を「豪華な食材」として見ているくらいには普段の食生活はお察しレベルとなっている。
そのためか食材に対する執念は高く、食べ物を粗末にされると怒り出す。
設定テキストによると、ただ相手を不幸にさせるだけではなく、相手を(自身の能力による貧乏化以外の)財禍から守る守り神としての一面も持つようだ。
ストーリーのラストでは紫&霊夢の策により女苑が引き剥がされて紫苑がマスターとして引っ張り出されてしまう。
これに対して女苑が「戦闘でも役立たず」「根暗で貧乏くさくてしみったれで自分では何もしようとしない」「もう絶望的だー 完全敗北だー!」etcとありったけの罵倒を繰り出し、霊夢からも「無能のザコ貧乏神」呼ばわりされてしまう。
「みんな馬鹿にしやがって そんなに言う事ないじゃない!!」
紫苑は激昂し、本気を出したスーパー貧乏神と変化してしまう。
今まで本気を出さなかったのは自分を含めて全ての者が不幸になってしまうからであった。
この状態の紫苑は立ち絵も変更され、青く立ち上る圧倒的な負のオーラをまとった状態となる。
このオーラに霊夢も危うく飲み込まれてしまいそうになり、彼女に「気をしっかり持て! 私は異変解決の巫女よ!」と叫ばせるほど強いものであった。
異変後でも、能力を制御できない貧乏神である彼女は誰からも嫌われ、どこにも引き取り手が現れないという不運ぶり(ちなみに女苑は能力を制御できるため更生の余地はあった)。
仕方がないので(元々貧乏な)博麗神社で過ごすことに。
更にその後は紫苑の能力すら跳ね除ける比那名居天子に出会い、行動を共にするようになった。
二人は調子に乗って暴れまくり、しばらく幻想郷を二人の脅威が襲った。
退治されたのか飽きてやめたのか不明だが、暴れた結果二人仲良く幻想郷中から嫌われてしまう。
その後、姿をくらますが、一年後の花見(茨歌仙)にて二人揃って登場。しかし普段からどんな食生活をしているのか雑草と質の悪いどぶろくをご馳走と感涙して食材に感謝しながら食べており、また花見に参加した多くの者が体調を崩していたが本人はピンピンしていた。
因みに対戦時の勝利セリフの中には某スゴロクゲームで有名な貧乏神の王様になっちゃうぞ、と脅している台詞がある。
そして『東方剛欲異聞』では妹の女苑と再びコンビを組んで登場。石油の噴出騒ぎを良い事に石油を担保にお金を借りまくって旧地獄の温泉街で女苑と豪遊しており、富豪の如く楽しんでいる。極め付きは自身の事を「貧乏神改め富豪神」と名乗ったり「これからは富豪神と呼んで」と言ったりと完全に有頂天である。衣装もアラビアン風となっている。
なお、交流のある少名針妙丸がグリモワールオブウサミにて地底の妖怪を呼んできた事から天子と共に姿をくらましていた時は『ずっと地底にいた可能性が高い』。
嫌われ者を自負する正邪はともかく針妙丸には単体で地底との交流がある描写が古明地こいし関連ぐらいしかなく紫苑関連から引っ張って来れたという方が納得しやすい。
容姿
青のロングヘアーに、薄汚れたパーカー、若干すけてる青のミニスカートを着用している(ドット絵のエロさは必見)。全体的に青い。
ゴージャスな妹に対して「貧相」と言ってよい出で立ちで、パーカーの下に下着も着ておらず、足元は靴はおろか靴下すら履いていない。
服やリボンには「請求書」「差し押さえ」「督促状」といった札が大量に貼られている。
開き直った上級者オシャレなのか、あるいはちゃんと霊的な意味・効果のあるものなのかは不明。妹がラストワードで使用する札と似ているが……。
手には物乞い用?のボロお椀を所持し、黒猫と思しきぬいぐるみを抱えている。
ドット絵や立ち絵では基本的にジト目であり、やる気の無さそうな目付きをしている。
紫苑が青いオーラをまとっているのに対し、妹の女苑が金のオーラであるため、姉妹で補色の関係となっている。
前述の通り、本気を出すと青いオーラをまとい、目を開くようになる。
また、妹とお揃いのリングを腕につけている。
『東方剛欲異聞』では妹とお揃いのスタイルへと衣替え。
差し押さえや督促状といった御札のついた貧乏そうな白いワンピース(カンドゥーラ・トーブの類)を身につけている。
妹とは違い、ヘアアクセサリーの変更はない。
ファイトスタイル
1人で戦うことはなく、妹の女苑を選ぶと背後霊のようについてくる。
ホールドB射撃を行うことで発射?され、対戦相手に当たると相手に取り憑く。(なお飛んでいくポーズはウルトラマンのアレっぽい。あるいはアンパンチ)
女苑は自分と紫苑の位置を入れ替える技を所持しており、取り憑かれると不幸である。
「貧」「厄」といった不吉な漢字ワードの弾幕を飛ばしてくる。
能力
- 自分も含めて不運にする程度の能力
取り憑いた相手に不運をもたらし、強制的に貧乏にする。
大怪我や死のような派手な不運ではないが、
勝負事に勝てない、財産を失う、他人と出会う機会が極端に少なくなる、といった小粒の不運が無数に降り注ぐ。
この際に喪失した金銭は借金として、運気は不運として紫苑の中に溜め込まれ、これが何らかの理由で暴発すると関わる者すべてを貧乏にする「スーパー貧乏神」となる。
非常に強制力の強い能力でもあり、ひとたび取り憑かれれば跳ね除けるのは不可能で、この能力の影響下では必ず望まない結果が訪れる。その強力さから、前述の女苑の「必勝法」の要に据えられていた。
が、女苑のものと違い紫苑のこの能力は紫苑自身にも制御できず、彼女がそこに居るだけで周囲の人物はみるみる貧乏になってしまう。
また中心点である紫苑自身もこの能力の影響範囲内のため紫苑は生きている限り食うにも困る極貧生活から抜け出すことができず、人付き合いがあればその相手が貧乏になってしまう為、まともな人間関係も築けないでいた。
ごく僅かな例外として、他人から富を吸い取って生きている為自分では財産を持たない妹の女苑、常識の範疇では収まらない類稀な幸運の持ち主である比那名居天子、元々貧乏で失うものがほぼない博麗霊夢(というか博麗神社)などがある。
一方、貧乏神には「貧乏になる」以外の災いから身を守る守り神としての側面もあるとされており、二次創作では「取り憑かれると収入がなくなるが、代わりに厄介事にも巻き込まれなくなる」という形で守り神としての力を発揮する描写がなされることもある。
二次創作
ドレミー・スイートが「お腹一杯食べる夢ばかり見てるわねぇ。」と指摘するシーンが反映されているのか、食べ物絡みのイラストが目立つ。この手のイラストが多い傾向にあるサグメも「能力の性質上、口を開けたりすることが殆どないので口を開けて飲み食いしてるギャップが楽しい。」という雰囲気だが、紫苑の絵は「いつも、ひもじい思いをしてるお姉ちゃんをせめてイラストの中では満腹にしてあげたい。」という描き手や絵師の心が伝わってくる………ような気がする。
貧乏神という種族や、いつもひもじい思いをしているという性質から、スレンダーを超えて肋骨が浮き出る程に痩せたガリガリの姿で描かれる事がある。
その性質上、肌を見せる割合が大きいR-18絵で多く見られる二次設定。
余談
勝利ポーズの一つでは、女苑が万札で呼び止めたタクシー(何故か空中を走ってくる)に轢かれて画面外に落ちる。
轢かれる寸前の紫苑のドット絵は必見。
なお、轢かれないパターンもあり、こちらでは紫苑の表情の変化がやや異なる。