「さあ、私が口にするわ。貴方はもう運命から逃れられないわよ」
概要
二つ名 | 舌禍をもたらす女神 |
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種族 | 月の民 |
能力 | 口に出すと事態を逆転させる程度の能力 |
テーマ曲 | 逆転するホイールオブフォーチュン |
登場作品 | 『東方紺珠伝』4面ボス・『秘封ナイトメアダイアリー』裏・火曜日 |
※舌禍(ぜっか)
1.自分の言論が法律・道徳などに反していたり、他人を怒らせたりしたために受ける災い。
2.他人の中傷や悪口などによって受ける災い。
種族としては「神霊」という部類に入るが、神とも鬼とも精霊とも付かない特異な性質を持つ。
月の都を襲撃から守るために凍結した月の賢者の一人であり、ほとんどの月人が避難した中で月都に残っていた数少ない月の民。
凍結から約半年が経ったとき、本物の月の都にやってきた――地球から月への通路に配置していた獏を突破してきた――主人公達の実力を試すために戦う。
敗れた後は主人公達の実力を認め、実は月の都の方が襲撃されているという重大な事実を伝えた。この戦闘はあくまで腕試しであり、敗北してもボロ絵にならない。
が、神主はボロ絵自体は用意していたらしい。(外來韋編壱より)
『紺珠伝』でのサグメとの出会いは博麗霊夢らの心にも残った様子で、書籍作品などでは以後霊夢らが今の「月」に関してイメージする際には『東方儚月抄』で出会った月の存在達と並んでサグメもイメージとして描かれるようになった(例えば『東方茨歌仙』や『東方鈴奈庵』)。
『紺珠伝』以後のサグメ個人の動向としては、永遠亭に出入りするサグメらしき人物を射命丸文がその取材過程で捉えている(「文々春新報」、『東方文果真報』)。
文は「 週刊誌 」の取材ということもあって永遠亭や月の民をこれ以前の記事で「 薬物組織 」や(否定的な意味を込めて)「 移民 」とセンセーショナルに断じており、例によってここに出入りするサグメと思しき人物を危険視する文章を執筆している。
文曰く、サグメと思しき人物は「 ただならぬ風格 」。
さらに文はヘカーティア・ラピスラズリとの対談の機会も得ており、その際にはサグメの名前こそ挙げられなかったが、ヘカーティアから「月の民」の脅威にまつわる主張を聞かされている。
ヘカーティアから文自身のこの取材活動までもが「 事実をねじまげて具現化する能力 」をもつ特定の月の民に踊らされているのでは、とされたことは後々まで文の心に残った様子で、それがサグメ個人への追取材への原動力ともなった。
果たして文はさらなる取材を通して「稀神サグメ」に辿り着き、その能力の危険性(後述)を感じた文は誌面の発売中止を決意する。
『グリモワールオブウサミ』では弾幕花火大会に出演。
審査員だった正邪から「天探女だと…同族じゃないか!」と驚き、喜ばれた。
月の民である彼女がわざわざ大会に登場した理由だが、紫が正邪と針妙丸の乱入により危険な混乱の極みと化した大会を収めるために、永琳の親書を手に直接訪れたようだ。
紫は菫子にはサグメのことを「混乱に陥った花火大会を平和で退屈な花火大会に変える能力を持っている」と説明したため、菫子からは「ニッチな能力の持ち主もいるものだ」と誤解されてしまった。
性格
とても無口だが、これは能力(後述)のせい。
作中では純狐の侵略と、その主人公らの侵入というイレギュラー中のイレギュラーが起きた。そんな突然の事態に対しても、主人公らの様子から八意永琳の意図を冷静に汲み取り、月の都を救う起因となった。
永琳からは「聡い人」と評されている。
八雲紫、八坂神奈子といった各界の重鎮もサグメに対して何か思うところがある事を匂わせている。
幻想郷や自機の命運は軽視しており、月の都を救うためならば地上の存在のことはあまり気にしていない。良く言えば大局重視、悪く言えば高慢な、月の民らしい性格。自機への依頼は天津神からの勅命を授けるという形で行う。
永琳のことは地上に堕ちてなお尊敬しているようで、八意様と呼んでいる。
東方憑依華での鈴仙曰く、「サグメ様は無口だけど大胆で、ちょっと・・・おっちょこちょいなんですけどね」とのこと(可愛い)。
容姿
赤い瞳を持ち、銀髪でセミショートの髪をハーフアップ(上げている部分は三つ編み)に結いあげている。
右だけ生えた翼が一番の特徴で、戦闘中はバッサバッサと羽ばたいている。
トライバルのような黒い紋様が入った白のジャケットを着ており、その下は紫のシャツとスカート(ワンピース?)を着用している。このスカートの裾やジャケットの紋様はことごとく矢印のカットになっている。首元にはドラゴンレーダーのようなブローチのついた蝶ネクタイを締めている。
また、立ち絵では常に手で口を隠している。
※補足
ゲーム内の画像解析をするとサグメのボロ絵があり、そこで蝶ネクタイに小型のマイクが付いている可能性が示唆されている。
しかし、あくまで没イラストのため真偽は定かではない。
能力
「口に出すと事態を逆転させる程度の能力」を持つ。
何らかの事象に対して(特に関係すると思われる人物に向かって)口にすると、その事象は逆に進み始めるのだ。
似たようなものに天邪鬼がいるが、彼女は天邪鬼の上位にいる神霊である。
天邪鬼は自分が反対の事を言うだけに対し、彼女は言った事で世界を反対に動かす。
何かを成そうとしているのなら、それは尽く失敗するし、
悪い事が起きているのなら、何らかの打破が見られる能力である。
必ずしも自分に対して好転するわけでは無い。(omake.txtより引用)
世界の動きを反対にするという非常に強力な能力だが、使うための条件がややこしい。
- サグメ本人が、事象の当事者に対して、その事象について語らなければいけない。
- 逆転する事象は選べない。都合の悪いことも良いことも同時に反転する。
- すでに起きたことを書き変えられるわけではなく、あくまで「運命の車輪」≒「流れ」を変えることしかできない。
- 言ったことと正反対のことが起きる能力ではない。
- あくまで事象に対して「語ること」が運命反転のトリガーであり、どんな内容を言ったかは関係無い。
作中本編では月の都を訪れた自機に対して「遷都計画」「純狐の侵略」について語り、結果として「遷都は失敗」「主人公が純狐を打ち倒す」運命へと反転させた。またエクストラストーリーでは幻想郷に降り立ち「強い力の介入によって月人が夢の世界に拘束されている」ことを語り、「ヘカーティアが手を引き純狐に今回の計画を諦めさせる」運命へと反転させた。
またこの逆転能力とは別に「鉱石に『言葉で世界を動かす効果』を付加してパワーストーン(オカルトボール)を作る」といった技能も見せている。
なお、紺珠伝早苗ルートで読心能力があるかのような描写があったが、外來韋編壱での神主の発言によると単に早苗の表情が分かり易すぎただけだったようだ。
このパワーストーンも媒体の一つとした一連の都市伝説騒動に至るサグメの能力の影響力と発現力は強く、例えばPS4版『東方深秘録』では鈴仙・優曇華院・イナバに関する僅かな噂が都市伝説であるくねくねの具現化に結びついており、些細な関連情報からも具現化をもたらすその能力の影響力の強さについて鈴仙は畏怖と脅威の念を感じている。
先述の「文々春新報」に関して、文の分析によればサグメの能力は単なる「噂話の具体化」ではなく「作り話と判っている内容が具現化する」という本質を持つ。つまり「こうなるかもしれない」という信憑性のあるもの以上に、都市伝説の様な明らかなフィクションこそ実体化し得るという、いわば天邪鬼的なものである。
例えば文本人から見ても発表を憚られる、加工された内容を含んだ「文々春新報」が、実際に人々から捏造誇張だと言われるほど、その内容の実現は近くなる。
想像され得る具体的なケースとしては
豊聡耳神子が為政者として本格的に起ちあがったり、
「 新勢力 」であるヘカーティアが幻想郷を「 侵略対象 」とみなしたり
といったものが考えられる。
「もう一つの事実」が「事実」を押しのけて真実になり替わるのである。
文はサグメの能力への警戒から誌面発表こそ中止したが、サグメに対する調査は引き続き行うとしている。
スペルカード
東方紺珠伝
スペルカード名 | E | N | H | L | EX | 備考 |
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玉符「烏合の呪」 | ◯ | ◯ | ||||
玉符「烏合の逆呪」 | ◯ | |||||
玉符「烏合の二重呪」 | ◯ | |||||
玉符「穢身探知型機雷」 | ◯ | ◯ | ||||
玉符「穢身探知型機雷改」 | ◯ | ◯ | ||||
玉符「神々の弾冠」 | ◯ | ◯ | ||||
玉符「神々の光り輝く弾冠」 | ◯ | ◯ | ||||
「片翼の白鷺」 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
秘封ナイトメアダイアリー
スペルカード名 | ステージ | 備考 |
---|---|---|
玉符「金城鉄壁の陰陽玉」 | 裏・火曜日 弾幕夢2 | |
玉符「神々の写し難い弾冠」 | 裏・火曜日 弾幕夢3 | |
夢鷺「片翼の夢鷺」 | 裏・火曜日 弾幕夢4 |
ほとんどの攻撃でオプションとして陰陽玉を召喚し、自機のショットを防ぎつつ弾幕を展開する。
高密度の弾幕に加えてホーミング対象となるザコ敵を召喚する性質上、低速時のサブショットがすべて陰陽玉に吸われる早苗とは極端に相性が悪く、特に大量のザコが画面を覆い尽くすNormal以上の弾冠系スペルは、正攻法での取得が絶望的とされる。
これについて早苗を国津神である天稚彦、打ち返し弾を投げ返された矢にあてはめ、後述の元ネタにおける天稚彦とのエピソードを再現したのではないかとの説がある。
元ネタ
元ネタは『古事記』など日本神話の「葦原中国平定」に登場する天佐具賣(アメノサグメ、『日本書紀』では天探女とも)。ただし脇役の従者のような立ち位置なので彼女自身については不明な点が多い。『日本書紀』では国津神ともされる。
葦原中国を高天原に帰属させるため、二番目の使者として天若日子(アメノワカヒコ、『日本書紀』では天稚彦)という神様が使わされた。しかし天若日子は葦原中国の王である大国主神(オオクニヌシ、『紀』では大己貴神)の娘・高比賣命(タカヒメ、下光比賣・下照姫とも)と結婚して地上を気に入ってしまい、8年間天に報告しなかった。思金神(オモイカネ、『日本書紀』では思兼命。東方における八意永琳)が雉の鳴女を使わして戻ってこない理由を尋ねたが、そこに天佐具賣が「この雉の声は不吉です」と天若日子に伝えた。天稚彦はその雉を矢で射殺したのだが、その矢は天にまで届いた。血がついた鏃を見た高御産巣日神(タカミムスビ、『日本書紀』では高皇産霊尊。永琳の父親)が、「この矢が敵を撃ったのであれば天若日子には当たるな、もし天若日子に邪心があるならば天若日子に当たれ」と誓約をして地上に投げ返した。その矢に当たって天若日子は死んだ。
余談だが、この『上位存在へ反逆して射た矢が、神威によって向きを変え災いをもたらす』話をニムロッドの矢型神話と言い、世界中に類型が見られる。
この天佐具賣は『日本書紀』では国津神とあるものの、実際は天津神なのか国津神なのか判然とせず、神託を解釈する巫女とも言われる。この神話を「天佐具賣が神託についての事実を天若日子に告げたため、天若日子の運命が逆転してしまった」と解釈したのがサグメの能力である。また「天佐具賣は天若日子の内心の邪心を察して唆しただけ」という解釈も可能で、「天佐具賣は人の心を読むことができる」として、周囲の心を読んでそれの逆を行う妖怪・天邪鬼の原型となった。このような多面性がサグメの「片翼」「私の天津神部分」「神とも鬼とも精霊とも付かない」といった設定に繋がっていると思われる。
また、天逆毎(アマノザコ、須佐之男命から生まれたとも)と書かれることもあり天狗の祖とも言われている(東方の二次創作で見かける真実を捻じ曲げたりゴシップ報道をしている天狗達の悪い部分としての祖ならわかりやすい)。
紺珠伝のあるエンディングでは八坂神奈子がサグメのことをさしてそのまま探女と呼んでいるため、おそらく神話上の天佐具賣と同一人物。
ちなみに天佐具賣の出生は須佐之男命が体内にたまった猛気を吐き出し、その猛気が形を成すことで誕生したとされるため、一般に須佐之男命の子孫とされる神奈子(建御名方神)とは義理の兄弟を殺された以外にも繋がりはあったりする。
二次創作
- 能力の簡略化
発言しただけで事態が逆転するという、ドラえもんのひみつ道具「ウソ800」のような単純な能力になる。
これは上記に書かれた複雑な能力では、作品自身が複雑になってしまうのでそれを防ぐためでもある。
能力ゆえ話すことが出来ない稀神サグメのコミュニケーション方法の一つ。
彼女の元ネタとなった天探女は天邪鬼の原型になったと言われている女神であるためか、発表と同時に鬼人正邪と二人でいるカップリング絵が投稿されている(苗字が「キジン」と「キシン」で被っていたり、矢印がイメージだったりと共通点も多い)。ちなみにサウンドルームでも「天邪鬼二人目」と言及されているためこの組み合わせは必然かもしれない。
親子として描かれる事が多い。
- ダメ親
上記の二次創作から発展した設定。
正邪の性格がひねくれていることから育児放棄した等のダメ親として描かれる。
ここから転じて「サダメ」と言われることも。
紺珠伝において月の民を夢の世界にドレミーがサグメから指示を受けたという設定があるからか生まれたカップリング。
地上の食べ物を美味しそうに食べている姿を描いたもの。どちらかと言うと食べ歩き観光的な意味で大食いネタではない。
- 異変の黒幕
月の賢者が考案した地上を浄化して移住する作戦の実行役を任されており、東方深秘録におけるオカルトボール異変は地上に月の都を出現させることを目的としたもので、そのオカルトボールの作成者はサグメである。
紺珠伝においても地上を浄化するために玉兎の先兵やキュリオシティを送り込んでおり、幻想郷内での異変の黒幕と言える。
そしてそれを機に依神姉妹の大暴れ(東方憑依華)や摩多羅隠岐奈が幻想郷に喝を入れる(東方天空璋)等の異変も起こった。
その為、連鎖的に起きた出来事も含めると4つの異変の原因であると言える。
関連イラスト
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原作・本人関連
鬼人正邪…サグメより下位の天邪鬼。天邪鬼のルーツはサグメの名前の由来であるアマノサグメからなので一応元ネタは同じである。上述の通り二次創作では母親と娘として描かれる事が多い。
二次創作関連
イラスト・デザイン関連
筆談サグメ かわサグ ロングサグメ ウサグメ ニャグメ 片翼の黒鷺 サグ飯 穢神サグメ
カップリング・グループ