概要
東方Projectに登場する「月の都」に関連したキャラクターたちによるグループ。
同作における月には「結界」があり、その「裏側」には地上における有史よりもはるか以前に地上から月へと移り住んだ存在たちによる「月の都」が存在している。
詳細は「月の都」記事を参照。
本グループの呼称については元となった「月の都」の読みである「つきのみやこ」を受けた「つきのみやこぐみ」と、「月都組」の表記をそのまま音読みする「げっとぐみ」の両者の可能性がある。
月の都には日本と中国の要素が入り混じっており、日本の訓読みとしての「つきのみやこぐみ」と中国から伝わった音読みとして「げっとぐみ」のいずれも採り得るといえるだろう。
「月都」の表記については蓬莱山輝夜が開催した「月都万象展」(『東方文花帖』)にその表記を見る事が出来る他、『東方儚月抄小説版』の挿絵において「 月都 」の表記がある。同作ではシーンごとの状況や雰囲気などが漢字一文字から二文字で象徴的に表現されており、「 月都 」もまたそういった表現の一つである。
タグとしてはメンバーによる全体の集合絵の他、該当する複数のメンバーを描いた作品にも用いられている。
さらに登場作品ごとの枠組みとしての「月都組」も見られる。
例えば『儚月抄』登場キャラクターたちによる「月都組」や、『紺珠伝』登場キャラクター達による「月都組」など。東方Projectにおける月の都関係者全員による全体を包括する「月都組」と、各登場作品に基づくゆるやかな枠組みとしての「儚月抄月都組」と「紺珠伝月都組」の三つのあり方が存在する、といったところだろうか。『永夜抄』に関連したメンバーについては「永遠亭」で一つのグループとして見出される事が多い他、「永遠亭組」のタグが個別にある。
メンバー
月の都に由来するキャラクターとして主に次のメンバーが描かれている。
キャラクター名 | 初登場作品 | 月や月の都との関連 |
---|---|---|
鈴仙・優曇華院・イナバ | 『東方永夜抄』 | 戦争を恐れ月から地上へと逃れた玉兎 |
八意永琳 | 〃 | 月の都の建築時からの「月の頭脳」。後に輝夜とともに地上へと隠れた |
蓬莱山輝夜 | 〃 | 地上での懲罰の後、月の都への送還を拒みそのまま地上へと逃れた月の姫 |
レイセン | 『東方儚月抄』 | 一時は地上へと逃れようとした玉兎。現在は綿月家のペットにして月の防衛隊員 |
綿月依姫 | 〃 | 月を地上から守る「月の使者」の一人。神降ろしによってあらゆる神霊の力を行使できる |
綿月豊姫 | 〃 | 月を地上から守る「月の使者」の一人。量子論的な能力の応用によって月と地上を行き来する事が出来る |
モブ玉兎 | 〃 | 綿月姉妹の配下で防衛隊員を務める玉兎 |
月の都の門番 | 〃 | 綿月姉妹の屋敷で門番を務めている名無しの月人 |
清蘭 | 『東方紺珠伝』 | 地上調査部隊の玉兎の一人。現地調査のため鈴瑚らとともに地上へと降りた |
鈴瑚 | 〃 | 地上調査部隊の玉兎の一人。秘密裏に進行していた月の都遷都計画の断片を察知していた |
稀神サグメ | 〃 | 広義の「神霊」にあたるという、「 重要なポスト」にある月の民。本意ではないものの月の都遷都計画の実行に深く携わった |
この内鈴仙・永琳・輝夜の三名は今日では地上に住まう存在であり、いずれも地上の民(鈴仙は地上の兎)となったことを自認している。また清蘭・鈴瑚両名も異変後は地上に残留している。
そのためネームドキャラで現在も月の都に住むのは豊姫・依姫・レイセン・サグメの4名のみである。
しかし密やかなものながら永琳を中心に月の都との結びつきは絶えてはおらず、『儚月抄』や『紺珠伝』、『東方文果真報』などでは永琳と綿月姉妹やサグメなどといった特定のキャラクター間による交流が描かれている。その際には永遠亭が月と地上を結ぶ拠点となる事も多い。
この他上記のメンバー以外では次のキャラクターも描かれている。上記のような月の都に居住するキャラクターないが、作中で月の都や月と深く関係している。
キャラクター名 | 初登場作品 | 備考 |
---|---|---|
ドレミー・スイート | 『東方紺珠伝』 | 月と地上を繋ぐ「夢の世界」に住む妖怪 |
クラウンピース | 〃 | 妖精。『紺珠伝』では純狐の指示によって静かの海を生命の象徴である妖精で満たした |
純狐 | 〃 | 夫に殺された息子の復讐のため妻である嫦娥を狙い、定期的に月を襲撃している |
また言及のみのキャラとして、月の都創設時の経緯や『儚月抄』時点でも名前の挙がる「月夜見」や先述の「嫦娥→嫦娥(東方project)」などがある。
また前者の関係人物として、『儚月抄』小説版にて金烏を使役する「月夜見様のお姉様」=太陽神「天照大神」の存在も語られている。こちらは同漫画版にて依姫が神降ろしをする形で容姿を確認できる。
嫦娥は「 月の女神」とされており(『紺珠伝』)女性であることが示されている。
一方で月夜見の性別は不明。実際の伝承では一般に男神とされるが、豊聡耳神子や摩多羅隠岐奈の例から女性である可能性も高い。
月都組と地上の交流
上記の面々の内、モブを除いたメンバーはいずれも何らかの形で今日の地上を体験している(依姫の場合は『月のイナバと地上の因幡』作中)。
広く地上との交流という観点では、『永夜抄』以後は輝夜らが月都万象展を開催して地上の人々を招いたり、鈴仙が異変調査に赴いたり(『東方花映塚』、『東方緋想天』他)と、「元」ながら月の人々が地上の人々と交わる機会が生まれている。鈴仙の薬売りもその一つ(『儚月抄』、『東方鈴奈庵』等。→鈴奈庵鈴仙)。
『紺珠伝』以後はさらに清蘭と鈴瑚が地上でそれぞれ団子屋を開いたり、サグメが永琳のもとを訪れて鈴仙が御給仕したり(『文果真報』)と、永遠亭の面々以外にもそれぞれの地上での生活や交流も見られるようになっている。またその様子が『紺珠伝』の物語には直接かかわることのなかった幻想郷の人物たちにも知られるようになった。月都万象展に見る輝夜らの活動も含め、交流の乏しい両世界が個人を通して部分的ながらも融和的に出会いを果たす様子も描かれている。
さらに、作中で地上から訪れる形でそれぞれのあり方で実際に月の都を体験した人物として、博麗霊夢(『儚月抄』、『紺珠伝』)、霧雨魔理沙(『紺珠伝』)、魂魄妖夢(『儚月抄』)、西行寺幽々子(『儚月抄』)、東風谷早苗(『紺珠伝』)等がある。
さらに、月の都でも有名な妖怪として八雲紫がある。紫は月と地上との衝突的な出会いである二度の月面戦争にも関与した。
特定の個人ではなく「月の民」という月文化に身を置く人々そのものを嫌う人物としてヘカーティア・ラピスラズリがあり、例えば射命丸文によるインタビューでも月の人々に対する強い嫌悪をのぞかせている。紫も月文化には良くない印象を語っている(『儚月抄』)が、ヘカーティアの語る月の民全体への嫌悪は、ヘカーティアのはっきりとした性格もあってより明確で強烈である(『文果真報』)。
他方、比那名居天子などは月世界に言及する際は普段の唯我独尊的立場ではなく月の文化を珍重するような言葉もみせている(『東方憑依華』)。
関連イラスト
- 初登場作品をそれぞれ異にするキャラクターたちのミックスによる「月都組」