概要
蓬莱山輝夜らによって開催された、「月の都に関する物品や資料」が公開された博覧会。
「幻想郷縁起」(稗田阿求著)によれば、永遠亭が多くの人間に知られるきっかけとなったイベントでもある。
月都万象展を紹介した記事
作中でこれに関して内容含めた記述があるのは以下の通り。
開催に際して
開催動機
文々。新聞による主催者(輝夜)へのインタビューによれば、主催者の自宅(永遠亭)にあった月にまつわる品々について、かつては「 何故か隠さないといけない 」と思っていたそうであるが、「 眠らせておくのも勿体ない 」と考え、金銭的な収益と月への興味の喚起の意味を込め、公開することに決めたとのことである。
開催環境
文々。新聞に掲載された博覧会のチラシと思われる挿絵によると、開催日時は「 気の向くまま 」で、開催場所は「 何処かの土地 」である。
一方、文々。新聞の記事題及び「幻想郷縁起」には、それぞれ「 永遠亭にて月都万象展開催中 」「 永遠亭で行われた月都万象展 」と明記されている。
展示品
「幻想郷縁起」によれば大きく分けて三つの部門があった。
クラシック部門
主に伝統的なものが展示された部門。
文々。新聞において「月史館」として紹介されたものと一部展示品が重なる。
展示品例
「空を飛ぶ牛車」、「身に纏うと体が浮く羽衣」、「兎の臼」他
ミリタリ部門
兵器や近代的な道具が展示された部門。
阿求曰く、火器は地上のどの武器よりも優れている。
こちらも文々。新聞において「月史館」として紹介されたものと一部展示品が重なっている。
展示品例
「片手でも持てるバルカン砲」、「超小型プランク爆弾」、「月面戦車」、「月面探査車」他
アカデミック部門
資料や書籍などの筆記資料が展示された部門。
展示品例
「月の都の歴史資料」、「神医学書」、「数哲学書」、「狂魔導書」他
なお、これらの書物の媒体は紙であるものの、「絵が動く、立体が飛び出す、分からない言葉があればその文字を触ると、さらに詳しい説明が出る」(「幻想郷縁起」)といった機能も持ち合わせている。ただし、文字自体は月人の文字で書かれているため、阿求には読めなかった。
また、詳細な展示場所は不明ながら、以下のような品も展示されていた。
その他展示品例
文化関連
「月の石」、「人間が月に置いていったという旗」(以上文々。新聞)、
「寿命と引き換えに全ての病気が治る薬」、「団子が十倍おいしく食べられるタレ」(以上「幻想郷縁起」)他
武器関連
「瞬時に大量の爆弾をばらまく事のできる銃」、「着弾したら大きな爆発を起こす小型銃」」(以上「幻想郷縁起」)他
同時開催イベント
「月の兎による餅つきショー」
鈴仙・優曇華院・イナバによる餅つきショーで、参加者全員に彼女のついた餅がプレゼントされた。
文によれば、この餅は「非常に美味しかった」そうである(ただ、主催者の輝夜を目の前にした場面での発言なので、お世辞の可能性も無いわけではない)。
この他にも博覧会開催中に「 突発的に新しい企画が立ち上がったり 」(文々。新聞)するという、実にライブ感あふれる様子であった。
警備体制
輝夜によれば、「 兎たちによる鉄壁の警備隊 」が配置された。
また、展示品は「 展示中に何度も盗まれそうになった 」が、警備隊によって事なきを得たとも述べている。
博覧会の反応
「幻想郷縁起」によれば、月の都と幻想郷との交流が途絶えてかなりの時間がたった今日において、月に関連した展示品は人間からは新鮮な目で見られ、交流があった頃を知る妖怪からは懐古の眼差しで受け止められた。
そもそも月の都自体が高貴な場所で手の届かない所であるという価値観があるため、その月の都にまつわるものとあって「 幻想郷中に衝撃 」が走り、多くの興味が惹きつけられたという経緯もあった。
また、同時開催の新しいイベントも突発的であるが故に来訪者には常に新しい刺激が提供され、そのお陰もあって飽きることなく博覧会全体を楽しめたようで、人間・妖怪共に多くのリピーターが訪れ、博覧会は総じて大盛況であったようである。
文々。新聞は「 月旅行と言う幻想的な旅を疑似体験できる 」とし、読者に来訪を提案して記事を結んでいる。
なお同じく文々。新聞によれば、先述の「月の兎による餅つきショー」はイベント開場後二時間の段階で長蛇の列ができる盛況ぶりであったが、その趣旨が「”月の兎”による餅つきショー」のため地上で唯一の「月の兎」である鈴仙が全て一人でこなさなければならず、そのため彼女の負担が尋常ではなく、彼女からは不評であった。
今後の開催について
主催者によれば、初回が好評であったため毎年行っていく予定であるとの事。
「次回は、舞台を用意して何か出し物をしたい」(「幻想郷縁起」)とも語ったという。
『東方儚月抄~月のイナバと地上の因幡』では、以前の月都万象展の新聞記事を見た輝夜の「鶴の一声」で再び開催が決まり、意外な人物たちの助言も受けつつ準備が進められた。
詳細は語られなかったが、輝夜によれば「大成功」であったという。ただ、鈴仙と八意永琳には、閉幕後も後々に尾を引くような何かがあったようである。
関連タグ
東方永夜抄 東方文花帖 東方求聞史紀 東方儚月抄(月のイナバと地上の因幡)