概要
様々な創作に登場する、「月での(何らかの)戦争」を具体的、または象徴的に指す語。
「月面」とあるが、例えば月の地下、またはサイバーネットワーク的な電子世界といった場面での戦いにおいても象徴的に「月面戦争」と例えられる事がある。
先述の現在時点におけるpixivでは主に同人サークル・上海アリス幻樂団の作品であ東方Projectに登場する月面戦争をモチーフにした創作を結ぶタグとして用いられており、本記事でもこの用法について主に記述する。
関連タグ(全般)
東方Projectにおける月面戦争
東方Projectにおける「月面戦争」とは、主に地上世界(幻想郷)と月世界(月の都)の対立である。ここで言う「月面」とは主に月の都をはじめとした「裏側の月」(特殊な結界の内部の月世界)または月世界そのものを指す。幻想郷もまた結界の内側に存在する。
作中で語られている範囲においては、『東方儚月抄』において進行中の時間において一度発生している。その際の「月面戦争」について幻想郷側から月の都を刺激した八雲紫がこれを「 第二次月面戦争 」と称しており、それ以前に一度発生していることが他の場面でも語られている。
先述の現在時点において最初の「月面戦争」は過去の語りの中で部分的に登場する。
最初の月面戦争
最初の「月面戦争」については多くは語られていないが、地上側から月へと攻め込んだ当事者達や関係者からその一部が語られている。
作中でこの戦争に関わったと明言されているのは、主に紫である。
日本の妖怪と神々(天津神と国津神の混成)の対決という『某御大が存命中に知っていたら描いていてもおかしくないレベルの決戦』である。
『儚月抄』漫画版では紫の指示を受けた八雲藍が新たな月への侵攻計画にむけて「 協力者 」を集めるべく複数の有力者と対話しているシーンでその断片が語られている。
また最初の月面戦争を指すとの明示は無いが、稗田阿求著の「幻想郷縁起」に「 幻想月面戦争騒動 」として幻想郷と月との対立の断片が記録されている(『東方求聞史紀』)。
第二次月面戦争
「 始めるわ 美しき幻想の闘い 第二次月面戦争を 」(紫、『儚月抄』漫画版)
『東方儚月抄』において語られた、東方Projectにおける具体的な「月面戦争」が「第二次月面戦争」である。『儚月抄』は漫画版、小説版、4コマ版(『月のイナバと地上の因幡』)の三つの姿で語られる物語であり、それぞれの異なる視点、異なる場面などを通して相互補完的に語られている。
例えば実際に地上から月に至った一団の奮闘、その裏で暗躍する複数の別の意図、防衛にあたった月の民の心の内、はたまたかつて月に関わった民や人々の今などが三種類の作品を通して織り合うように結ばれていく。
関連する作品としては、『儚月抄』各作品をはじめ『儚月抄』に至る作品でもある東方Projectにおける「月」との関わりが語られた『東方永夜抄』、更に『永夜抄』、『儚月抄』を通して更に月の物語が展開された『東方紺珠伝』などがある。
さらに『紺珠伝』に一部の要素が直結する作品として『東方深秘録』がある。
加えて『東方茨歌仙』、『東方鈴奈庵』などの書籍作品において東方Projectにおける月世界が語られる事もある。
それぞれの作品を通すことで、『儚月抄』で語られた「月面戦争」やそれ以前の「月面戦争」、あるいはそれぞれの「月面戦争」へと至る月と地上の軋轢やメンタリティの違いなどに触れる事が出来るだろう。
この内『紺珠伝』で語られた物語は、それ以前の「月面戦争」で語られるような、地上側が月へと手を伸ばすものではなく月の側が地上へと降り立とうとするというこれまでとは逆のベクトルが現わされるという対比的なものともなっている。
二次創作では
東方Projectに関連した二次創作においても様々な「月面戦争」が想像されており、例えば最初の月面戦争の具体的な様子を想像するアプローチをはじめ「第二次月面戦争」時に他のキャラクターたち(例えば『儚月抄』に登場していない幻想郷の面々や、今日的な想像では『紺珠伝』に登場した月の都側のキャラクターたち)がどのような様子であったかなどを想像するものもある。
最初の月面戦争についてはその大まかな経緯と結末は語られているものの内容の具体的な部分やそもそもの動機部分については語られていないため、これを起点に様々なアプローチがある。
例えば最初の月面戦争について「西行寺幽々子がこの戦いを見た事がある」とされている(藍、『儚月抄』)が、具体的にどういった経緯で、どのような立場でこれを見ていたのかなどは語られていないため、この月面戦争で大きな役割を果たしたとされる紫との関係性も相まって様々な想像が生まれている。
また、幻想郷の賢者の1人として摩多羅隠岐奈が新たに登場しており彼女を新たに入れた月面戦争も描かれるようになった。
なお、東方ロストワードの同名の絵札にて描かれたメンバーは以下の通りである。
さらに二次創作の中には「第三次月面戦争」を想像するものもあり、各々の創作ごとの多様な地上と月の新たな関係性が想像されている。