「大人しき者が力を得るこの下克上の世界。 道具だって世界を支配できる! 貴方はその礎となるのよ!」
「鎮魂ライブの始まり始まりー!」
概要
※セリフ無しのモブとして、『東方茨歌仙』『東方鈴奈庵』にも登場。
伝統楽器お琴の付喪神。光の弦で象られた七弦の琴が身体を囲うようにして付いており、両手に装着した赤い琴爪で演奏する。
九十九姉妹の妹役。九十九弁々という姉がいるが、二人は同時期に付喪神になっただけで姉妹だと自称しており血の繋がりはない。
勝ち気で無鉄砲。明るく無邪気な性格。
語尾を伸ばす傾向があり、敗北時に「わーお」や「わっほーい」といった個性的なやられ声を出す。
バックストーリー
東方輝針城
東方Project第14弾『東方輝針城』で初登場。
4面の幻想郷上空(嵐) 「嵐の中の不協和音」の中ボス及びステージボス。
自機キャラクター選択で「妖器を使用する(Aルート)」を選ぶと中ボスとして登場し、「妖器を使用しない(Bルート)」を選ぶとステージボスとして登場する。
またExステージでは姉の弁々と二人同時に中ボスとして登場する。
性格、戦い方以外の要素はほぼ弁々と共通するので、
彼女らの生い立ちは九十九弁々記事を参照。
元はただの楽器が打ち出の小槌の異変の魔力のせいで付喪神に変化した存在。
異変時は小槌から受けた魔力による凶暴化で、一人で人間と闘って倒すのが夢だった、と語る好戦的な性格となった。
姉妹で掲げた、道具による世界の征服を志していたが、力の源輝針城へ姉と二人で向かっていた最中に霊夢らと出会い、初めての戦いを挑む。しかし倒されてしまい、その夢は阻まれてしまう。
異変が解決した後は、打ち出の小槌の力が失われて元の道具に戻っていってしまう事を知り怖れたが、堀川雷鼓から打ち出の小槌を使わずに自身を維持できる呪法を教わる。そのおかげで現在も雷鼓や姉と共に付喪神としてやっていけているようだ。
弾幕アマノジャク
『東方輝針城』の続編となる本作が、八橋らが呪法を使った後と明確に判明している初めての登場作である。(東方輝針城Ex時点がもう呪法を使った後だとも考えられるが。)
八橋は、1日目に登場。しかもその1シーン目を担当。会話有り。
おかげで主人公の鬼人正邪から雑魚呼ばわりされる。
……のは、肝心の弾幕を出す直前のお話。
八橋がこのステージで放った弾幕が、今作のテーマ「スペルカードルール無視の不可避弾幕」である。このゲーム内でそんな反則弾幕を放った初めての人物となり、正邪を驚かせた。
今回の八橋は「お尋ね者の天邪鬼を捕まえれば褒美が貰える」という御触れを聞いて、1人で正邪に嬉々として挑みかかっていた。小槌の凶暴さが抜けてもなかなか好戦的な性格に落ち着いたようである。
ところが正邪は、あらかじめ保持していた「小槌の魔力が宿ったインチキアイテム」を使ってこの危機を凌いでみせるのであった。
結果、八橋はめでたく本作チュートリアルを務める事となる。
だがしかし、八橋はこれで引かなかった。
なんと5日目に、弁々と雷鼓を引き連れて再登場する。
八橋1人で弾幕を繰り出すシーンが2回あり、どちらも初日より遥かに難易度の高い弾幕を披露。そして最後には弁々と組んで輝針城Ex中ボスの時と同じコンビ弾幕を展開した。
……そこまでしても、やはり正邪を取り逃す結果になったのはご愛嬌。
容姿
茶色のショートヘアにカチューシャを付けている。瞳の色は髪と同色。
服装は薄紫色のラインの入った白い上着に、紫のリボンや模様が付いた黒いスカートで、要所にジグザグ状の装飾がなされている。足元は裸足。
両手の親指・人差し指・中指の合計6本の指先の腹部分に琴爪をそれぞれ付けている。本来の琴は片手で弦を押さえつけながらもう片手で爪弾くので琴爪は両手まで要らないのだが、そこは付喪神のなせる技か。
7本の弦はスカートの周りに付いており、赤色の光のようなもので出来ている。音符や手、弦などに隠れてやや分かりにくいが、スカートには白い琴柱が各弦に1個ずつ付いている。弦によって少しずつ位置を変えているので音階はそこで調節しているのかもしれない。
立ち絵は空中に腰掛けるような姿勢。この格好をするとスカートの弦の並びが地面と平行になるのだ。
被弾すると弦は、ちぎれるが消えない。
『鈴奈庵』では琴柱や琴爪が省かれ、八橋のスカートと弁々の琵琶を繋ぐ形になった1つの大きな輪で弦が描かれている。
能力
文字通り。
弾幕
楽器の付喪神の名に相応しい音符や休符をモチーフにした弾幕を使う。
ゆっくりとしているがゆらゆら動く、やや不安定な軌道を描く弾幕を多く用いる(通常攻撃では特に顕著)。使用する弾の種類は音符弾ばかりで少ないが、弾自身が自機を勝手に避け、時に画面下から湧いたりと動きがとにかくトリッキーでパターン化しづらい。異変時の弁々曰く「手ぬるい」。
戦闘能力
小槌の影響下にある時は、小槌の魔力を受けている状態でも、通常状態の霊夢達に到底敵わなかった。
呪法を使ってからの戦闘は、弾幕アマノジャクで見せている。
この作品で使ったのはルール無視の反則弾幕だが、その難易度が、姉の弁々どころか他の上級ステージと比べても異常に高いとの評価が付いた。
……ただしこれはアイテムを使用しない場合の話。特定のアイテムを使えば途端に無力と化す。
スペルカード
東方輝針城
スペルカード名 | E | N | H | L | EX |
---|---|---|---|---|---|
琴符「諸行無常の琴の音」 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | |
響符「平安の残響」 | ◯ | ◯ | |||
響符「エコーチェンバー」 | ◯ | ◯ | |||
箏曲「下剋上送箏曲」 | ◯ | ◯ | |||
箏曲「下剋上レクイエム」 | ◯ | ◯ |
弾幕アマノジャク
スペルカード名 | ステージ |
---|---|
琴符「天の詔琴」 | 五日目 シーン2 |
哀歌「人琴ともに亡ぶ」 | 五日目 シーン5 |
姉妹合同スペルカードについては九十九姉妹を参照のこと。
元ネタ
『百鬼夜行絵巻』の琴の付喪神より。琵琶の付喪神に紐で曳かれている。
『百器徒然袋』の琴古主が琴の付喪神で有名である。
名前にある「九十九」は、付喪神の別名を指す。
「八橋」の名は、江戸時代の筝曲家にして近代筝曲の始祖、八橋検校に由来すると思われる。お菓子の焼き八ツ橋は、川を渡る橋を元にしたとも、琴を元にしたとも言われている。
彼女のモチーフには「<」や「八」に見えるジグザグ模様が多用されている。これらは名前から来ている説、琴の裏面に音色のために掘る綾杉模様から取った説などが考えられるがハッキリしない。
彼女の琴は、琴爪と琴柱を使った演奏から、現代で「お琴」の名で連想される「箏」(十三弦琴)だと思われがちだが、彼女の弦は7本なので明らかに弦の数が足りない。別の種類の琴に「七弦琴(古琴ともいう)」が存在し遥か昔は主流で演奏されていた。ところがこちらは現在の琴とは大きく形式、音色共に違っており、琴柱・琴爪はどちらも要らない。
弦が多過ぎたので省略されたとも解釈できるが、あるいは妖怪だから複数の楽器の要素が混ざったのかもしれない。雷鼓も呪法で和太鼓とドラムの混じった存在になったのだから。
ちなみに箏は龍に形が似ている楽器とされ、各部位に「竜頭」「竜尾」「竜角」「竜舌」「竜腹」「猫足」等の名称がつけられている。
二次創作
他キャラクターとの組み合わせとしては、姉役の弁々や、同じステージに出演する恩人堀川雷鼓、プリズムリバー三姉妹(特に楽器の形状・末っ子属性・容姿が似ているリリカ・プリズムリバーか弦楽器繋がりでルナサ・プリズムリバー)、鳥獣伎楽、あとは最近続々と増えた付喪神キャラ達との絡みが見られる。
性格は原作からブレが少なく、元気な妹系が基本。
二次イラストでは琴爪と琴柱が省かれやすく、弦そのものを省かれる事も。弦はスカートの周りを半周または一周して貼り付いてるものと、スカートから離れて浮き左右に延びているものとがある。再現が難しく原作絵でも採用されていないせいだろうか、箏の原型に似せて描かれたものはほぼ無いようだ。
元の道具の姿は箏が描かれやすい。上記元ネタの百鬼夜行絵巻の琴の付喪神や琴古主が箏であるからだろう。
名前繋がりで和菓子の八ツ橋を連想されることもある模様。
ただ、焼き八ツ橋よりも上絵のような生八ツ橋の方が知名度、
絵の分かりやすさから描かれやすい。