「ちーかよーるなー! これから先はお前達が入って良い場所ではない!」
「我々は崇高な霊廟を守るために生み出された戦士(キョンシー)である」
概要
種族 | キョンシー |
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二つ名 | 忠実な死体 |
登場作品 | 『東方神霊廟』Stage 3ボス 『弾幕アマノジャク』四日目 |
能力 | 何でも喰う程度の能力(人間は一部を喰われると一時的にキョンシーになってしまう) |
テーマ曲 | リジッドパラダイス |
種族はキョンシー。
術師に蘇生させられた、日本古代の人間の死体。要はゾンビである。
彼女の操り主は、東方神霊廟のStage 4ボスである霍青娥。青娥からはとても可愛がられている。
邪仙の霍青娥によって蘇らせられ、青娥の手先となって働いている。
東方神霊廟では、Stage 3のボスとして命蓮寺の墓場奥地に登場。青娥の操り人形として、命蓮寺墓場の地中にある「崇高な霊廟、大祀廟(復活寸前となった夢殿大祀廟)」を護るためにかり出され、入口の守護を命じられていた。
この霊廟の場所を、そして其処に居るあるお方を、命蓮寺の連中に再び踏みにじられないよう護っている、と芳香は認識している。しかし脳が腐っているためうまく思い出せないこともあり、そういう時は「急にここを守らなければいけない気になった」という認識だったこともある。墓場への侵入者は追い返すか、またはキョンシーに変えて仲間に迎えようとする。
ここで芳香は一旦撃破されるが、次のStage 4ボス戦で、芳香は青娥の手下として命蓮寺墓場の下にある洞窟の、夢殿大祀廟へ続く扉の前になんと復活して再登場。大祀廟に集まる神霊を吸収しているため先ほどよりもパワーアップしている。
青娥のオプションとして戦闘に参加する。体力ゲージこそ表示されないものの芳香にもちゃんと体力が設定されていて、一定量攻撃を撃ち込むと撃破できる。だが、すぐさま青娥が力を与えて復活させ、勝負に復帰させてしまう。ボス戦での青娥の弾幕は、通常弾幕もスペルカードも全て芳香が参加している。
死体なのだが、自ら身体を動かし、弾幕を放ち、自分で考え、喋って会話をし、表情をころころ変える。
(頭とかが)いろいろ腐っているらしいが、ゾンビにしては血色が良い。青娥によって防腐の呪が施されているらしい(脳以外)。
身体が非常に硬く、関節が曲がらないのでまともに歩けない。操り主は彼女に、怪我を防ぐための柔軟体操を勧めている。ゾンビだけど。
肉体の限界まで常に引き出された異常な怪力と、痛みを感じない肉体を持つ。
しかし頭は相当弱い。思考回路は「前時代のコンピューター並」と言われるほど弱く短絡。「魚が焼けるのを見てて」と頼まれても、言葉の意味を深く理解できず魚が焦げて炭になるまでずっと見続けるといった具合。一応会話は出来るが、生きている者との話し合いはあまり成立しない。
夜行性で夜22時に起床するらしい。(魔理沙の台詞「アーメン」に掛けたジョークかも?)
本人は張り切って守護しているつもりなのだが、傍から見るとあまり護りきれているようには思えない。(体験版の設定.txtにおいても無意味な番人と言われてしまっている。)
だが青娥は、彼女を無意味だとは思っていない。復活させるのが容易いというタフさを持つからである。「死体だから死なない」という点がお気に入りの様子。
原作者インタビューによれば、『神霊廟』後とりあえず必要な仕事がなくなったので土に返されたとのこと。なお基本死んだまま操られていて防腐の呪もかかっているので、一旦ただの死体に戻しても青娥は必要となればいつでもキョンシーとして復活させることができる。
宮古芳香の名前の元ネタとなった人物は都良香(みやこのよしか)。平安時代前期の貴族・文人で、大峰山で仙人になったという伝承がある。
容姿
肩程度の長さの(灰色に近い)暗い藤色の髪・眼は暗い色(黒眼?)。
星型のバッジが付いた青紫色のハンチング帽(人民帽)を被っている。
服装
赤い中華風の、袖が広口の半袖上着を身に着けている(袖口にピンク色のギザギザしたレース装飾)。袖口と裾はえんじ色のディティール。胸元には、蝶結びした細いリボンがついている。
黒色のスカートを履いている。裾にはうっすらと茶色の模様が描かれている。(神霊廟製品版のレーベルの帯柄と同じ模様。)スカートの側面には、クロスさせた2本の、ピンク色のギザギザしたレースを巻く(交点はスカートの側面)。
スカートにはスリット(正面なのか左寄りなのかはハッキリしない。)があり、隙間からはピンク色の布(裾は袖やスカートの装飾と同じようなギザギザレース)が覗く。
服の各所には青い花の形をしたボタンが施されていて、結構おしゃれ。
- 上着の全面には3個以上か3対以上。
- 上着の上部分は腕で隠れているので胸元の詳細が見えない。
- スカートのスリットは裾の左右に 1対。
キョンシーの特徴であるお札は、おでこに直接貼り付けられている。
原作の立ち絵では御札が翻っているため、芳香の顔立ちをはっきり確認できる。反対に、札に書かれている文字が何なのかは見ることができないが、キョンシーのお札の文字として有名な『勅令 随身保命』等であると考えられる。
東方求聞口授での記述によると、札には「やることリスト」が書いてあり、芳香はこのリストに従って動いているらしい。札を剥がすと生前の行動原理に従って行動するようになる(後述)。
◆身体的特徴
キョンシーらしく、両腕を前に突き出している。
芳香は元・死体であるため、関節がほとんど曲がらないほどに、身体が非常に硬い。そのためまともに歩くことができないのだが、飛べるので問題は無さそう。
ゲーム内のドット絵の動作を見ると、肩を少し回して腕をブラブラ上下に動かす動作と、足を少し前後に動かす動作をする。そして移動時、両膝が曲がる。
このことから、関節が完全に動かないわけではないことが分かる。
他の登場人物と比較して明らかに肌の色が灰色がかっているように見える。
だが、霊夢は彼女を見て「血色の良いゾンビ」だと感じた。
余談だが霊夢も風神録時代は肌の色がゾn(このコメントは夢想封印されました)
能力
何でも喰う程度の能力
(人間は一部を喰われると一時的にキョンシーになってしまう)
何でも食べるということで、神霊(※ 厳密には『神霊廟』で神霊と思われていたものは、神霊ではなく欲霊だった。)ですら食べてしまう。
彼女は闘いで傷つくと、霊を喰らい、体力を増幅させる為、中々倒すことが出来ない。これを反映したのか、前代未聞のHP回復スペルカード持ちである。回復手段を無視するとスペルブレイクするのにえらく時間を掛かってしまい、タイムオーバーに持ち込まれることもザラ。
また能力故か、なんでも食べることに結びつける傾向があり、知らない単語が会話に出ると「なにそれ、食えるの?」と聞いてくる。
キョンシーは、生き血を求めて彷徨い歩き、噛みついた相手をキョンシーに変えてしまうという特性がある。
芳香も生者をキョンシーにして、仲間を増やそうとする姿勢は積極的。
この行動は今回の命令の一つなのか、それともキョンシーとしての本能的行動なのだろうか。
一時的なのでキョンシーになった人間は時間が経てば元に戻るが、キョンシーになっている間は無意識に人間に他人に食らい付き、相手も同様に一時的なキョンシーにしてしまう。
◆戦闘能力
弾幕では主に、クナイ弾を大量にばら撒くように使う。
異常な力と痛みを感じない肉体を持つため、まともにやりあうとえらい目に遭う。
だが思考能力は「前時代のコンピューター並」であるため、逃げることは容易い。
ただでさえ耐久性の高い肉体であるのに加え、前述の通り、戦闘中に霊を喰うことで傷を回復して体力を増幅させる為、中々倒すことが出来ない。
スペルカード勝負においては、その耐久性と回復能力を駆使して闘う。その実力は、勝負を挑んできた多々良小傘をタイムオーバーに追い込んで負かしてしまうほど。
だが、逃げることは容易い。(大切な事なのでry)
青娥と共に戦う際は、敵の攻撃を受けて撃破されても、すぐ青娥によって復活させられるオプション扱いというか壁扱い。倒されてもすぐに蘇生して復活させることが出来るタフさが売りである。
種族
キョンシー
漢字では「僵尸」。「キョンシー」は広東語で、日本語の音読みでは「きょうし」と読む。
「東洋版ゾンビ」といえる妖怪。だが一般的なキョンシーは、体がゾンビのようには腐敗しておらず、ほぼ生前そのままの姿をしているという。人食いの妖怪であり、年月を経たものは神通力で空を飛ぶと言われる。
ただ、最近の日本でよく知られる「体が死後硬直で固まっている」などの特徴は、映画等の創作であり民俗学的な根拠はほぼないという。
キョンシーの起源は、死体を遠くへ運ぶために術で蘇生させて歩かせたことから、であると言われている。
僵尸(キョンシー)は、幻想郷では古来から存在するらしい。
外の世界で創作物を見てキョンシーの存在を知っていた早苗だけでなく、魔理沙・妖夢もキョンシーのなんたるかを知っていた様子。紅美鈴も幽々子を見ながらキョンシーの話をしている。
森近霖之助も、葬儀の話題の際に「幻想郷では人間の遺体は土葬していたので、遺体が死後に僵尸や吸血鬼へと変化する可能性があった。最近は人間の供養が土葬から火葬に切り替わってきているので、僵尸になる遺体は減ってくるのではないか」と考察していた。
強い未練を残して死んだ人間や、術師によって術を施された死体が、死後に蘇ってキョンシーとなる。
芳香は後者と思われる。当人にはこの世への未練は無いらしい。
性格
忠実で律儀。常にハイテンション。だが、どこか間が抜けている。
侵入者には「~だ」「~ではない!」という断定形の硬い口調で話すが、気が緩むと砕けた話し方になる。
主人の青娥に対しても丁寧語は使わない模様。(使えない?)
登場時は「ちーかよーるなー!」 「ゾンビでーす」、やられ時には「うぉのれー!」 「なぁんだとぅー!」と台詞が終始やたらハイテンションである。
命令に対してはとても忠実、自分の使命を全うに遂行する。
自身を戦士と称し、与えられた門番としての任務を果たそうと律儀に襲ってくる。
のだが…
「えーっと……何を護って……」 「そうだっけ?」 「って誰だっけ?」
と、何故・誰によって・何を為すために復活させられたのかをとっさに思い出せない、いま目の前に居る人間の情報を瞬時に忘れるなど、記憶力に相当難がある。その時そばに居なかったとはいえ主人の存在すらも一瞬忘れてしまう始末。
会話内容も、たまに相手の発言に対し前後の文章を無視して単語にだけ反応し話すことがある。なんの脈絡もなく咄嗟に出てきた記憶の断片だけで喋ることもある。
そのせいかどこか間が抜けており、会話が成立しにくい。まぁ腐っているのだから仕方ない。
少し前に倒されたことに対する怨みは覚えていられるらしいが、青娥からの通訳であるため真偽不明。
しかし妖夢シナリオでは、「以前に起こった悲しき宗教戦争」の存在を思い出したり、今回の任務の内容を詳細までしっかり覚えていたりするあたり、記憶力や理解力を完全に失っているわけではない様子。
死体ではあるが、なにかと身だしなみには気を付けている。
死臭が気になるらしく臭いに気を配っているほか、お肌のケアも行っているようだ。
なお初期案は機敏な拳法家のイメージにするつもりだったとZUN氏は語っている。
◆生前
上述の通り生前の事は殆ど覚えておらず、思い出したとしても断片的かつ瞬間的なものである。しかし、稀に生前の彼女を知る手がかりとなるような言動をとることもある。
例えば神霊廟妖夢ルートでは「死ぬ」というワードに過剰反応しており、死ぬのはもっとも良くないことだと感慨深くつぶやいている。生前に死にまつわる惨劇があったのかもしれない。
「死ぬ、だとぉ! 死ぬのはいかん あれだけはいかんのじゃ」
また、普段その行動を制御している札を剥がすと、青娥の呪から解放され生前の行動原理に戻るようだ。求聞口授によると、「墓地一面に広がる紅葉の絨毯の上で、呆然とした様子で歌を詠んでいる」姿が目撃されている。
本人の言動とは直接関係ないが、目立った外傷も無いのに若くして死亡していることから、幻想郷の薬に詳しい住人からは毒殺されたのではないかと疑いを持たれている。
スペルカード名に『毒爪』というワードがやたら出てきたり、「ポイズン( = 毒)マーダー( = 殺人)」という技があるのも、キョンシーの特徴(爪に毒がある)と考えると特に気にならないが、上記の疑惑があるとなると……
スペルカード
神霊廟
OVERDRIVE
弾幕アマノジャク
二次創作
「関節がほとんど曲がらない」という東方キャラ史上かつてない設定が、彼女のイラストを描くうえでは非常にネックか。どの部位がどれくらい曲げられるのかは明かされていないので、個人の解釈が要る。
また、元々頭は弱いが、腐敗が進み原作以上にまともな意志疎通が困難なものもたまに見かける。
肌の色もやたらと青かったりすることもたまにある。
ホラー色の強いものでは体の一部が外れたり首が取れたりしてる絵もたまにあるが、そういう扱いを受けても他から怒られることがない貴重なキャラクター。
だが、後に首ポロリに関してはそれがアイデンティティであるキャラが登場した。
『何でも喰う程度の能力』から、無機物を食べてしまうキャラや大食いキャラとして描かれるというネタもある。
カップリング相手としてはやはり操り主の霍青娥と一緒に描かれることが多い(せいよし)。
「神霊廟3面」に登場したキャラクター同士として、3面中ボスの多々良小傘と共に描かれることもある。
グループとしては霊廟組の5人のひとりとして描かれる。豊聡耳神子・物部布都・蘇我屠自古の3人に味方する青娥、その青娥にくっついていく形で所属。
若くして死んでいること、更にその死体を青娥に操られていることから現状で作中一番報われていないキャラとされることも。
長年操られていて未だ解放されない元・人間のキャラクターということで、里乃&舞と一緒に描かれることもややある。
例の淫獣と名前が似ているためか、それをネタにしたイラストが投稿されることがある模様。
また、前述の通り腐っている女子であるために腐女子と呼ばれることもある。
関連イラスト
関連タグ
都良香 - 実在の人物。平安時代前期の貴族・文人。
イラストタグ
腐女子(※ 本来の意味とは違うため注意。)