概要
音楽を力とする少女、「ムジカート」の一人。
ベートーヴェンの「交響曲第5番ハ短調Op.67 / 運命」をその身に宿している。
アニメ
CV. 若山詩音
アニメ版では若山詩音氏が声優を担当しており、ゲーム版で彼女の声を担当した本渡楓氏は別のキャラクターの声を担当している。
D2の襲撃によって瀕死の重傷を負ったコゼットの身体と、彼女が身につけていたハルモニア鉱石と思しきペンダントを媒体に顕現したムジカート。契約の際にタクトの右腕を捕食している。
シンフォニカでも把握していない独自のプロセスを経て顕現しているためか、不安定かつ未知の部分が多い。ピンクのかかった銀髪に赤いドレスの戦闘形態と、金髪の通常形態(所謂「変身」の概念)が存在するのも彼女のみである。戦闘時に消費するエネルギーの一部をタクトの生命力に依存しているがその持久力には難があり、それを補うためか高カロリーの菓子類をしばしば暴食している。
ムジカートとしての行動原理は愚直なまでに純粋。「D2を殲滅し、人間を守る」という使命に極めて忠実で、敵の存在を察知すれば一直線に突撃する脳筋。レニーいわくムジカートとしての本能が特に強いせいらしいが、彼女を指揮するタクトがロクに制止しないのも無関係ではないだろう。
使用武器は大剣にも変形する狙撃銃。切り替える事で遠近両用の万能武器となる筈だが、出力調整と命中精度に揃って課題を抱えている。
素体となったコゼットは元気で表情豊かな少女だったが、その人格は完全に上書きされているようで、物語前半時点では常に無表情。一人称は「わたくし」となり、機械的で慇懃な口調で話す。とはいえ無感情というわけではなく、話が進むにつれ淡々と冗談を飛ばしたり、アンナから食べ過ぎないよう指摘された途端に動揺して早口になった場面も。
性格は総じて「知性のある赤ん坊」といったところで、好奇心旺盛で遠慮知らず。特に甘味には目がなく、アンナが作ったタルトタタンをきっかけにその虜となった。本人いわく「日々、成長している」が、人間社会の常識を理解していないがゆえの奇行もチラホラ。特に、D2に反応して建築物の壁に穴を開けて飛び出していく姿はほぼ毎回のお約束となっている。
コンダクターであるタクトからはポンコツ呼ばわりされてはいるが、ピアノしか取り柄の無い駄目人間として淡々となじり返すのにも遠慮は無い。同時に「マエストロ」としては認めており、互いに本音を言い合える関係と言える。
アンナから「妹」という役割を求められている事をとりあえずは理解しており、彼女を「(アンナ)お姉ちゃん」と呼ぶようにしているが、運命自身は純粋にアンナを慕っているのも確か。
甘味へ執着するきっかけとなったタルトタタンが、コゼットとアンナにとって思い出のお菓子である事や、アンナにD2が迫った際に誰よりも早く駆け付けた姿など、コゼットの影響と思われる部分はある様子。
当初は甘味や戦闘にしか興味がなかったものの、話が進むにつれ人間味を会得し、表情や抑揚に変化が出始めた他、人助け等の思いやりある行動を取るようになった。そしてムジカートとしてタクトの奏でる音楽を守りたい、音楽家としての彼を生かしたいと思う気持ちが強くなっていく。また、アンナから「コゼット」と呼ばれなくなったことから、コゼットの代替としての自身の扱いに思うところが出始めていた。
そしてシントラーと地獄との戦いを経て、「お前」「ポンコツムジカート」呼びしていたタクト、「コゼット」呼びしていたアンナそれぞれから初めて「運命」と名前で呼ばれる。
タクトとは、彼の生命力を使うことへの罪悪感を乗り越えた末「マエストロの作った曲を聴きたい」という願いを口にし絆を深め、アンナには彼女の謝罪と抱擁、そして(妹分としての)「お姉ちゃん」呼びを続けてほしい願いに頬を染めて応じ、関係を大きく進展させた。
ゲーム版とアニメ版の違い
前述の通り演じている声優が異なっている事に加え、髪型・体躯も異なっている。
コゼットをベースにしているアニメ版は彼女に近いストレートヘア・華奢で小柄な体躯だが、ゲーム版は内ハネの髪質・大人びた体躯に長身とデザインが大きく異なっている。ゲーム版はアニメで本渡氏が演じている“彼女”に近い印象を受けるが……?
公式PV
イラストメイキング