概要
『ヒーリングっど♥プリキュア』第42話で、今まで集めたメガパーツを取り込んで進化したダルイゼン。
グアイワルがキンググアイワルに進化したように、自身も大量のメガパーツで進化を試みた。
漆黒の身体を持つ巨人の姿をしている。サイズ感としては作中に出てきた怪物たちの中でも大きめで、成長しきったメガビョーゲンと同程度である。
しかし、キンググアイワルとなったグアイワルと異なり、メガパーツの力がダルイゼンの許容量を遥かに超えた為か、はたまた瀕死状態からの生存本能の暴走か、ダルイゼンとしての意識がまともに残っておらず、ひたすら汚染を撒き散らし暴れる怪物に成り下がった。
それでもグレースのことは認識しており、なお執拗に彼女の中に匿ってくれるよう乞うものの、既に腹を括っていたグレースはこれを敢然と拒否、逆にこれまでの所業を棚上げした身勝手さを糾弾され怒濤の攻撃を受ける。
「ダルイゼン。あなたのせいで、私がどれだけ苦しかったか、あなたは全然わかってない!」
「わかってたら地球を、たくさんの命を、蝕んで、笑ったりしない!」
「都合のいい時だけ、私を利用しないで!」
「私はあなたの道具じゃない!」
「私の体も!心も!全部、私の物なんだからー!」
ヒーリングっどシャワーの光に飲まれながらダルイゼンは答える。
「オレだって…オレの体も…心だって…!うおぉーーーーーっ!!」
最後はプリキュア達に浄化され、消滅した……と思いきや、進化前の状態に戻って意識を失っただけで完全に浄化されずに済んだ。
しかし、そこにキングビョーゲンが現れ、進化後の肉体を取り込む目論見が外れた事を残念がりつつ、彼を取り込みネオキングビョーゲンに進化した。
42話の戦いの結果だけを見れば、キュアグレースがダルイゼンを「助けない」選択を選んだのはキングビョーゲンの漁夫の利であった。
ダルイゼンが何も答えられなかった理由
グレースの問いにダルイゼンが何も答えられなかった理由は、視聴者によって解釈が分かれる。
- 無言ながらグレースの言葉を忌々しそうな表情で見ていた点から、「止める意思など毛頭無い」という答えであるのは明らかであった、と言う解釈。そしてその言葉を正直にしゃべるとグレースが助けてくれるわけがないので、ダルイゼンは黙るしかなかったという解釈である。
- この時にその場しのぎの嘘やごまかしをしなかったことから、「ダルイゼンは地球を蝕まない生き方というものを想像できなかった」だけで、彼に寄り添うことができれば新しい生き方を教えてあげられたのではないかという解釈。
- 彼に取っては出世よりビョーゲンズ内での立場より、地球を蝕み自分にとって居心地の良い世界に変えることが何より大事だったため、嘘でも「地球を蝕むのはやめる」と言うのは耐え難かった、と言う解釈。
- たとえここで口八丁でキュアグレースに助けてもらったとしても、「人間がきれいな水や空気が無くては生きられない様に、ビョーゲンズも蝕まれていない清浄な世界では生きられない」「キングビョーゲンにビョーゲンキングダムを追われた自分はどのみち生きていけない」と思ったいう解釈。
- そもそもダルイゼンはキングビョーゲンに追われ、キュアグレースにも拒絶され、メガパーツ吸収のパワーアップの賭けにも敗れ怪物と化し、冷静な思考ができる状態ではまったくなかったという解釈。この解釈については、スーパーダルイゼンは理性を失っていたが、明確にキュアグレースを認識して「助けてくれ」「こんなのは俺じゃない」と暴走前と同じ要求をしていることから、そこまで冷静さを欠いてはいないという指摘もある。ただ、キュアグレースは矢継ぎ早に三つ以上の問いかけをしているのでダルイゼンに即答する事は難しいし、できないという指摘もある。
- グレースの激しい問いかけによって、自分と彼女との価値観・立場は相容れず、「自分が拒絶されている」ことを改めて自覚し、それゆえに「もう自分が何を返答しようがキュアグレースには自分を助ける気が無い」と思い絶望した、という解釈。
いずれも作中にどの解釈が正解だと示されている訳ではない。ただ、彼の最後の言葉から彼もまたキュアグレースと同じく「自分の心と体は自分だけのもの(=自我の確立と維持)」という結論にたどり着いたと思われる。
結局その後すぐキングビョーゲンに吸収され彼の自我は消滅するのだが…。
ラテの言葉の謎
なお、スーパーダルイゼンが出現した時、本来地球の異常以外には反応しないはずのラテの体調が悪くなった。
「ハートのほう、でも何が泣いてるか、分かんないラテ。はじめての感じラテ」
この言葉は、結局何を意味していたのか…?