概要
イギリスに伝承される『ランプトンの竜物語』に登場するドラゴンで、訳者によりラムトン長虫、ランプトンのワーム、ランプトンの龍などの表記も見られる。
元々は日曜日のミサに出ずに、安息日も守らずに遊んでいたランプトン家の跡取り息子が、ウィア川で釣りあげてしまった口の両側に9つの穴がある小さなワームで、そこへ通りがかった老人は川には戻さないように忠告した。
しかし、怯えてしまった息子は近くの井戸(ワームウェル)に投げ捨ててしまい、その中で成長したワームは丘(ワームヒル)に上がってきて家畜を喰らうようになった。
それを見た息子は贖罪のための聖地巡礼に出かけたが(十字軍に参加したとも)、その間にもワームは暴れ続けて牛9頭分のミルクを要求するようになった。
ミルクが用意できないと暴れ回るワームに困った人々は、様々な方法で退治しようとしたが、例え体をバラバラに切り刻まれても直ぐに元通りになってしまうためどうにもできなかった。
7年後に息子が帰ってくると故郷はさらに荒れ果てており、退治する方法を知っているというブルージーフォードの賢女に助言を求めることにした。
すると賢女は鍛冶屋に槍の穂先を埋めた鎧を作ってもらい、ワームを釣りあげた川の中の岩(ワームズロック)で迎え撃つとよいと教えてくれた。
さらに再生を防ぐための極意(川の中に落ちた部位は流されて再生しない)を授けてくれたので、無事に退治することに成功したが、「屋敷で最初に出迎えてくれた者を殺す」という賢女との取り決めを破ってしまったため(合図をしたら猟犬を放つ予定が、喜びのあまり父親が出迎えてしまった)、ランプトン家は祟り続けられ、9代にわたりベッドの上で死ねないという呪いを受ける羽目となってしまった。