北州イルサバード大陸の辺境、ボズヤ地方。
ロスガル族の故郷としても知られるこの土地は、長らくガレマール帝国の占領下にあった。
だが、ドマやアラミゴの解放に勇気づけられたボズヤの民がついに動き出す。
結束の象徴として、伝説の武器を掲げて――!
概要
パッチ5.25から配信された武器強化コンテンツ「セイブ・ザ・クイーン」に登場する。目的としてはガレマール帝国の支配からボズヤ地方を解放することを掲げている。
レジスタンス成立の経緯(ボズヤ地方小史)
イルサバード大陸南部、オサード小大陸との境界にほど近いところにあった国家「ボズヤ」のルーツは第三星暦時代まで遡る。
伝説によれば、ロスガル族の女王グンヒルドにより統治されていたボズヤは、かのアラグ帝国を滅ぼした第四霊災により未曽有の危機を迎える。しかしグンヒルドは聖剣「セイブ・ザ・クイーン」を手に、己の命と引き換えに民を守る。生き残った民によって国は再建され、辺境の小国として存続していた。
第六星暦時点のボズヤは共和制を掲げていたが実際には寡頭制であり、少数の富裕層が国を支配していた。貧富の差が歴然としており、富裕層と平民層の間には相当の格差が存在していたという。
しかし本編開始の50年前、ガレマール帝国による侵攻を受けて他の北州諸国と同様に属州化。以後は帝国の支配下となる。だが前述の格差は帝国の支配下となった後も色濃く残っており、これが少なからぬ遺恨を生む事となる。
「ボズヤ管区」となった後、女王グンヒルドの親衛隊「グンヒルドの剣」が所持していた伝説の武器はレプリカが発掘・保存され、そこに秘められた強大な力は研究対象となっていた。
しかし本編開始の15年前、かつての首都シタデル・ボズヤにて進められていた「メテオ計劃」の最中、十数万を超える属州民と駐留していた帝国軍が都市ごと蒸発する「シタデル・ボズヤ蒸発事変」が発生。レプリカの武器も全て失われる。
なお、このメテオ計劃が後にエオルゼアにおいて第七霊災を引き起こすこととなる。
生き残りのボズヤ人はその命脈を永らえ、廃墟と化したシタデル・ボズヤや周辺都市にはスラム街が形成された。
だが蒸発事変後も、若い者ともなれば独立時代を知らず、帝国式の教育を受けた帝国人としての認識しかない。国体としては曖昧な現状と、帝国支配による苦難は続いた。
しかし、「紅蓮のリベレーター」においてドマ・アラミゴが解放された事を受け、東方のダルマスカ・ナグサなどの属州が続々と蜂起。
ドマ国主ヒエンは東方の属州の抵抗勢力に共闘を呼びかけ、「東方連合」が結成。エオルゼア軍事同盟とも協力関係を結び、帝国に対する反攻が本格化してゆく。
そうした中、ボズヤでも各々で活動を行なっていた4グループが集まり「ボズヤ・レジスタンス」が結成される。しかしいまだ色濃く残る格差や個々の思惑により、一枚岩とは呼べない状況が続いていた。
そんな中、ある人物が「グンヒルドの剣」の復刻を提案。反攻の象徴とすべく、新たに「レジスタンスウェポン」と名づけられた伝説の武器の再現が始まる。
プレイヤーは解放者としての立場からヒエンに協力を打診され、ボズヤ・レジスタンスに協力することとなるが……
本編は「リターン・トゥ・イヴァリース」の続編となっており、引き続き松野泰己がシナリオを担当。
帝国軍、レジスタンス共に多くのNPCが登場。彼らの出自や経歴は「戦果記録」にて確認でき、それぞれが持つ複雑な背景を窺い知る事が出来る。
登場NPC
- バイシャーエン・ウルガッシュ
ロスガル族。ボズヤ・レジスタンスのリーダー。軍医として帝国従軍経験がある。(戦闘モーション:白魔道士)
- マルシャーク・アペッラ
ロスガル族。バイシャーエンの副官。ガンブレイカー。
- ミーシィヤ・ヴォートヤシュ
ルガディン族。「グンヒルドの剣」復刻の提唱者。
- ロスティック・リュバシュ
ロスガル族。ガンブレイカー。復讐者から転じてレジスタンスに参加。
ガンブレイカーの継承者を求める中、サンクレッドに出会って技を教えた。
- ズラタン
ロスガル族。整備兵。レジスタンスウェポン制作の助手。眼鏡が特徴。
新生「グンヒルドの剣」
- ゼヴェン・スヴァナシュ
ロスガル族。独自の魔術の使い手(戦闘モーション:黒魔道士)。古風な物言いが特徴。「飛将のゼヴェン」
- イソルデ・コヴィー
ヒューラン族。弓術士(戦闘モーション:吟遊詩人)。歌と踊りを愛し、平和を願う。「花嵐のイソルデ」
- スタニック・アルボフ
ロスガル族。剣術士(戦闘モーション:ナイト)。英雄願望の強い俺様キャラ。「羅刹のスタニック」
- ブラズ・アゼティナ
ロスガル族。侍。武術の名門「翠の一門」直系。「鋭刃のブラズ」
- ヴェリボル・アゼティナ
ロスガル族。「翠の一門」出身で、直系の騎士(戦闘モーション:暗黒騎士)。ブラズの又従兄弟。「豪剣のヴェリボル」
- アギー・グローヴァー
ヒューラン族。「翠の一門」出身で、拳術士(戦闘モーション:モンク)。元戦災孤児のムードメーカー。「熱拳のアギー」
- ムラデン
ロスガル族。忍者。「葉隠のムラデン」
- アディス
ロスガル族。ナイト。「勇躍のアディス」
- トゥゲイム
ルガディン族。斧術士。「光速のトゥゲイム」
- ラティミール
ロスガル族。狙撃手。「碧い死神」
- ロヴロ・アン・スラナシュ
ロスガル族。赤魔道士。メリオールの師。「法剣のロヴロ」
- メリオール・ミラー
ヒューラン族。赤魔道士。「火剣のメリオール」
協力者
- オボロ・トリオイ
東方系ヒューラン族。ドマ忍衆より派遣(上忍)。「月夜のオボロ」。忍者のジョブクエストから再登場。
- ツバメ・オシダリ
東方系ヒューラン族。ドマ忍衆より派遣(中忍)。「天道のツバメ」。忍者のジョブクエストから再登場。
- モリベのアトリ
アウラ族。槍術士。ナグサ・レジスタンスより派遣。衣装がかわいいと専らの評判。「槍下のアトリ」
- 虎鬚(こしゅ)
ルガディン族。斧術士。ナグサ・レジスタンスより派遣。朴訥で寡黙な大男で、アトリの相棒。
- ブワジ・エンゼ・パンチャ
バンガ族。ダルマスカ・レジスタンス「レンテの涙」所属。「リターン・トゥ・イヴァリース」から再登場。
- フラン・エルト
ヴィエラ族。ダルマスカ・レジスタンス「レンテの涙」幹部。「リターン・トゥ・イヴァリース」から再登場。
ガレアン族。ガーロンド・アイアンワークス社社長。メインクエストから登場。ボズヤ・レジスタンスをはじめとする東方連合には主に技術面で協力する。父ミドはシタデル・ボズヤ蒸発事変に大きくかかわっていた。
アウラ族。エーテル学者。「リターン・トゥ・イヴァリース」から再登場。エーテル学の面から古代ボズヤ伝承の調査をサポートする。
- リリヤ・シアサリス
ヴィエラ族。ダルマスカ人。ガーロンド・アイアンワークス社の新人で、褐色肌とサングラスが特徴。
敬語とは無縁のガサツな態度が目立つが、独自に開発した探査装置を使い大活躍。
関連項目
ファイナルファンタジー14:新生エオルゼア 漆黒のヴィランズ
ネタバレ
「グンヒルドの剣」復刻を提唱したミーシィヤは、実は帝国のスパイだった。
帝国式の教育を受けて育ち、特待生として帝都ガレマルドの最高学府に入学。その後ノア・ヴァン・ガブラスの掲げる「王国楽土」思想に共鳴して帝国軍に参加した。
メネニウスの指令を受け、ボズヤ・レジスタンスに潜入したが、元は貧困層出身という事もあり、過去に支配者層にあった者達からは公然と見下げられ侮辱され続けていた。
また彼女以外知る者はいなかったが、ロスガル族の女王グンヒルドは第四霊災の危機において命を惜しみ、その身を捧げる事を拒絶していた。そこで女王に仕えていた十二巫女の一人、ルガディン族のネヴィンビィ・ヴォートヤシュが、聖剣セイブ・ザ・クイーンの力を発揮することで「闘神」を喚び降ろす為の生贄となった。
本来であればそのまま死ぬ筈のネヴィンビィは、しかし人の姿と心を保ちつつ、神としての力を宿し続けていた。これを恐れたボズヤの神官たちは「グンヒルドの剣」に命じ、彼女を暗殺させる。
死の間際、自分が助けた筈の者達に謀殺された事を悟ったネヴィンビィだったが、それでも自分は女王の役割を果たしたのだと満足して事切れる。しかしその思念は聖剣に残留し、先祖の無念を背負い、ボズヤそのものに恨みを抱くミーシィヤに利用される事となってしまう。
地脈調査の末、帝国により発掘された聖剣に力を取り戻す算段がついた所で、ミーシィヤはミコトを拉致し、カストルム・ラクスリトレに連れ去る。そこで「超越者研究所」の装置を使ってミコトの「超える力」すなわち未来視の力を自分に下ろし、覗覚石の力で聖剣に宿った過去の記憶にダイブ。ネヴィンビィの「恨み」を励起させ、闘神「セイブ・ザ・クイーン」として顕現させてしまう。
闘神を操り、精神波放射によって新生「グンヒルドの剣」をテンパード化したミーシィヤは、その力を使って過去に自分を見下していた兵士を初めとしたボズヤ・レジスタンスを虐殺し、或いはテンパードに変えていく。
人外の力をもって戦況は覆されかけたが、一方で輜重を絶たれ、ボズヤに注力できないように東方連合が各地で起こした反乱に対応せざるを得なくなった第IV軍団は、次第に追い詰められていく。
その後覗覚石頼りだった聖剣のリソースが減り、やがて光の戦士に追い詰められたミーシィヤは地下遺跡「グンヒルド・ディルーブラム」へと逃亡。「女王」を守るべく、テンパード化した新生「グンヒルドの剣」は融合した異形と化し、光の戦士とミコトの前に立ちはだかった。
これを撃破した後、最奥に封印されていた「女王の光輪」によって、ミーシィヤがその身に憑依させて顕現した真なる闘神「セイブ・ザ・クイーン」と対峙する。強烈な思念によってテンパードを含めたすべての対象の行動を強制し、古の剣技と魔法を駆使する闘神との激戦の末、光の戦士は遂にこれを下す事に成功した。
なおも抗おうとするミーシィヤの前にネヴィンビィの霊が現れ、「ボズヤを恨んではならぬ、恨みを捨てよ」と諭した事で事件は収束。しかし、新生「グンヒルドの剣」主要メンバーの死は、代償と呼ぶにはあまりにも大きなものだった。
その後レジスタンスによって聖剣は回収されて封印され、ミーシィヤは独房に入れられる。
軍事裁判を前にしたバイシャーエンとの問答に頑なな態度を示しつつ、遅まきながらその高潔な心に感じ入るミーシィヤだったが、戦局はいよいよ泥沼化の一途をたどっていった。
第IV軍団の虎の子である戦艦「ダル・リアータ」率いる航空艦隊の到来により戦場の制空権を奪われ、ボズヤ・レジスタンスは空から追い込まれていく。
そうした中で、メネニウスは闘神に代わる新たな切り札として、ザトゥノル高原の地下深くに眠るアラグの妖異兵器「ディアブロ・アーマメント」を発掘。回収すべく、作業を急がせていた。
これに対抗すべく、ボズヤ・レジスタンスは東方連合から助っ人を新たに招聘。戦線を押し上げ、ガーロンド・アイアンワークスの協力下で「青龍壁」を応用した対空防御バリアをザトゥノル高原各地に設置し、砲弾の雨が降り注ぐ中で「ダル・リアータ」を落とすべく進軍していった。
シドとミコトの協力により一時的に航行不能となった「ダル・リアータ」での最終決戦において、レジスタンスと光の戦士は遂に最奥へと至る。しかし突如として「ディアブロ・アーマメント」が暴走を開始し、メネニウスは死亡、ライアンも撤退を余儀なくされた。
戦いの末、辛うじて「ディアブロ・アーマメント」を機能停止させる光の戦士だったが、再起動した兵器は膨大な力を解放。帝国軍、レジスタンスを問わず、戦場に虐殺の嵐が吹き荒れる。
その頃、独房にて一人座すミーシィヤの前に、ネヴィンビィの霊が出現。「女王としてボズヤの民を守る」という使命を果たす為、ミーシィヤは再び聖剣を手にとり、闘神をその身に憑依させ、荒れ狂うディアブロ・アーマメントを命と引き換えに討伐した。
その後ミーシィヤはボズヤ・レジスタンスによって発見されるも瀕死となっており、最後に光の戦士による介錯を望む。それまでの選択肢によって展開は異なるものの、彼女は「最後の女王の使命」を確かに果たし、息を引き取った。
深く彼女を愛しながらも遂に救えなかったマルシャークはこれを深く嘆き、これ以上誰にも彼女が傷つけられない事を願い、その亡骸を丁重に葬った。
戦いが終わり、遂にボズヤは帝国支配から解放される。その勢いはナグサ、ダルマスカへと続いていく事になるが、それはまた別の物語となる事を示唆するにとどまった。
再び封印された聖剣を前に、ミコトは死んでいった全ての人の魂を想い、助け得た人を助けられなかった事を生涯悔やんでいく事になるだろうと述懐し、物語は終わる。