概要
1983年7月13日出版。主にデビュー当時の初期作品と愛読者賞で描いた作品で構成されている。全体的な雰囲気は当時連載していた『Dr.スランプ』を思わせるものであり、実際『Dr.スランプ』に受け継がれた要素も数多い。
おまけページに各作品執筆時のエピソードが漫画で描かれている。いずれもタイトルは『ーあのころは青かったーこれをかいていたころのわし』。
ワンダー・アイランド
概要
昭和53年(1978年)52号掲載。15頁。鳥山明のデビュー作。まだ漫画を描き始めたばかりということもあり、漫画というよりもカットの連続のように描かれている。一般常識を全く無視した摩訶不思議な世界観が特徴。元々入選したわけではなく、たまたま紙面が空いたため掲載されたという。週刊少年ジャンプではダントツで人気がなく、アンケートでの順位も最下位だった。
ワンダー・アイランド2
概要
昭和54年(1979年)1月25日増刊号掲載。15頁。『ワンダー・アイランド』の続編。続編といっても直接的な繋がりは皆無であり、前作に引き続き登場するのはピーマンのみ。前作に輪をかけた不条理かつ支離滅裂な内容となっている。劇中のネタは鳥山の趣味が大半を占めており、『ダーティハリー』、『ウルトラマン』、『ゴジラ』、『三大怪獣地球最大の決戦』、『STARWARS』、『キングコング』などの作品のパロディが行われている。
ギャル刑事トマト
概要
昭和54年(1979年)8月15日増刊号掲載。15頁。担当編集の鳥嶋和彦の指示に従い、初めて女の子を主人公にした作品。アンケートでの順位は5位とそれ以前の作品より高く、鳥山の転機となった。本作の好評を受けた結果連載を開始したのが『Dr.スランプ』である。
詳しくは『ギャル刑事トマト』を参照。
POLA&ROID
概要
昭和56年(1981年)17号掲載。45頁。年に一度実施される、10人の漫画家が選ばれて45ページの作品を執筆する企画「愛読者賞」にて発表した作品。それまでは長くて15ページ程しか描いた経験のない鳥山にとっては極めてハードな企画であり、時間が足りなくなったため全てサインペンでペン入れされている。そのため、他の収録作品とは絵のタッチが異なる。最終的に本作が一等賞に選ばれ、他の作者達にわるい気がしてしまったという。一等の褒美として、鳥山はヨーロッパ旅行に行くこととなった。