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鳥山明○作劇場VOL.1

とりやまあきらまるさくげきじょうぼりゅーむわん

鳥山明による漫画短編集『鳥山明○作劇場』シリーズの第1巻。
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概要

1983年7月13日出版。主にデビュー当時の初期作品と愛読者賞で描いた作品で構成されている。全体的な雰囲気は当時連載していた『Dr.スランプ』を思わせるものであり、実際『Dr.スランプ』に受け継がれた要素も数多い。

おまけページに各作品執筆時のエピソードが漫画で描かれている。いずれもタイトルは「ーあのころは青かったーこれをかいていたころのわし」。

ワンダー・アイランド

概要

昭和53年(1978年)52号掲載。15頁。鳥山明のデビュー作。まだ漫画を描き始めたばかりということもあり、漫画というよりもカットの連続のように描かれている。一般常識を全く無視した摩訶不思議な世界観が特徴。元々入選したわけではなく、たまたま紙面が空いたため掲載されたのだという。週刊少年ジャンプではダントツで人気がなく、アンケートでの順位も最下位だった

あらすじ

1979年「ワンダー・アイランド」にて、元日本兵の古巣二飛曹は、本国へ帰るための作戦を練っていく中で、島の不思議な住民達とふれ合う。

登場人物

古巣(ふるす)

禿げあがった頭に眼鏡と鳥のくちばしの様な口元が特徴の日本人。第2次世界大戦中は、日本陸軍飛行第123戦隊所属の二飛曹だった。1944年の夏、特攻隊として出撃していった際に飛行機が不時着し、ワンダー・アイランドに流れついた。以来、35年間本土へ帰還するための策を講じていた。本人曰く年齢は30余りらしい。空を飛んで帰ることにこだわりを持っているため、船やイカダでの航行を拒む。最終的に鳥に変身する薬で飛ぼうとするが、よりによって飛べないニワトリに変わってしまったため、結局振り出しに戻る。

ピーマン

ターザンの様な風貌にサングラスを着用した男。対空機関砲をパチンコの要領で応用した投石機での狩猟生活をしている。女の子の妖精と行動を共にしている。古巣を除いて唯一名前が明かされたキャラクター。島の住民の中では比較的人間に近い姿であり、何故か空も飛ぶことができる。

Dr.スランプ』では彼の登場するコマが僅かながら存在する。

用語

不思議島(ワンダー・アイランド)

本作及び次作の主な舞台。奇想天外な住民達が暮らす絶海の孤島。島には筆舌しがたい奇妙な生物が数多く生息する。知的生命体については前述のピーマンの他に、妖精ゴリラ天使恐竜魔法使いドラキュラ他多数の住民が存在する。

ワンダー・アイランド2

概要

昭和54年(1979年)1月25日増刊号掲載。15頁。『ワンダー・アイランド』の続編。前作と同様に人気はあまり無かった。続編といっても直接的な繋がりは皆無であり、前作に引き続き登場するのはピーマンのみ。前作に輪をかけた不条理かつ支離滅裂な内容となっている。劇中のネタは鳥山の趣味が大半を占めており、『ダーティハリー』、『ウルトラマン』、『ゴジラ』、『三大怪獣地球最大の決戦』、『STARWARS』、『キングコング』などの作品のパロディが行われている。

あらすじ

アメリカのカリフラワー州に位置するロス・アンギラス市の警察署に、腕利きのハリー刑事が招集された。その用件とは、1年前に逃亡した銀行強盗がワンダー・アイランドという孤島に立て籠っているという情報が入ったため、逮捕して欲しいとのことだった。これを引き受けたハリー刑事は早速その島を訪れる。

登場人物

ハリー・センボン

世界一の拳銃の腕前を持った刑事。その実力はビルの窓から自由の女神像の顔に穴を開けられるほど。やや破天荒だが、本作では1番の常識人。警部補に昇進するため任務に乗り出す。

元ネタはクリント・イーストウッド演じる『ダーティハリー』の主人公ハリー・キャラハン

署長

勤務中にウルトラマンごっこをして遊ぶ太めの警察署長。銀行強盗から、去り際に「いっけん鉄腕アトムふうパイレーツはげのゴリラあえ」と馬鹿にされたことに憤慨し、強盗犯を検挙すべくハリー刑事をワンダー・アイランドへ送るが、実は犯人はニューヨークにいたことが判明した。

警官A

小柄な警官。ガラモンに似ていることから、署長にガラモン役をやらされていた。

警官B

長身の警官。冒頭でウルトラマンの歌を署長に歌わされていた。ハリー以外の警官トリオは、後に『Dr.スランプ』にも登場する。

ピーマン

前作に引き続き登場した唯一のキャラクター。小さな卵の中から急に現れ、口から光線を吐いてキングギドラを爆撃した後、空を飛んで退場した。

ギャル刑事トマト

概要

昭和54年(1979年)8月15日増刊号掲載。15頁。担当編集の鳥嶋和彦の指示に従い、初めて女の子を主人公にした作品。アンケートでの順位は5位とそれ以前の作品よりも高く、鳥山の転機となった。本作の好評を受けた結果連載を開始したのが『Dr.スランプ』である。

詳しくは『ギャル刑事トマト』を参照。

POLA&ROID

概要

昭和56年(1981年)17号掲載。45頁。読みは「ポラアンドロイド」。宇宙を舞台にしたSF冒険活劇であり、A CT1からACT15までの短いエピソードの連なりで構成されている。年に一度実施される、10人の漫画家が選ばれて45ページの作品を執筆する企画「愛読者賞」にて発表。それまでは長くて15ページ程しか描いた経験のない鳥山にとっては極めてハードな企画であり、時間が足りなくなったため全てサインペンでペン入れされている。そのため、他の収録作品とは絵のタッチが異なる。最終的に本作が1位に選ばれ、他の作者達にわるい気がしてしまったという。1等賞の褒美として、鳥山はヨーロッパ旅行に行くこととなった。

あらすじ

宇宙タクシードライバーのロイドは、ひょんなことから知り合った自称正義の味方のポラと共に、悪のガガンボ帝国を倒す冒険に巻き込まれる。

登場人物

ロイド

やかんの形をした人工惑星ヤカンダガヤで宇宙タクシー会社を営む地球出身の男性。トカゲが大の苦手で美女に弱いお調子者。所持している宇宙船はプロぺラ飛行機の様な旧式のモデルで、ガガンボ帝国の襲撃に遭い、壊れた。自身と結婚したがるポラを鬱陶しがるも、宇宙船を手に入れるためガガンボ帝国打倒に協力する。

最終的にガガンボ帝国を撃破し、詫びとして貰った宇宙船で地球に帰還するが、ポラが誤ってタイムマシンのボタンを押したせいで、太古の世界に迷い込んでしまう。

ポラ

正義の味方を自称する幼い少女。男に目がなく、ロイドを執拗に旦那扱いする。出身惑星は不明だが関西弁のような口調で話す。天然惑星コンガラガッタを彷徨っていた際に電話でロイドタクシーを呼ぶ。てっきりアダルトなレディーから電話がかかったと思ったロイドはショックを受け、ポラを相手にしようとしないが、宇宙船を得るために彼女と行動を共にする。

地球に到着する直前にハプニングを起こしてしまい、原始時代の地球に降り立つも、結婚式の予定について考えるなど本人は至ってのんきだった。

ガガンボ

ガガンボ帝国の皇帝。強面な顔に小柄な体格をしている。彼を含めた帝国の面々は全体的に言動が子どもっぽく、げんこつ一発で大泣きする、最新鋭戦艦がただの拳銃で落とされるなどとてつもなく弱い。世間では超能力者として知られており、手を触れずに鉛筆を倒すことができる。どういうわけかジャンプ懸賞で当てたアラレちゃんの腕時計を愛用。

ロイド達に敗れた後、彼らに金と宇宙船を提供する。

ニコチャン大王

ニコチャン星の支配者であり、99の惑星を占領した宇宙海賊ニコチャン家来と共に『Dr.スランプ』からゲスト出演した。地球へ向かう途中のロイド達の宇宙船を襲うが、則巻アラレ(の変装をしたポラ)が乗船していたことで慌てて退散する。

MAD MATIC

概要

昭和57年(1982年)12号掲載。45貢。読みは「まっどまちっく」。前作同様「愛読者賞」で描いた作品。『マッドマックス2』に着想を得ており、タイトルも『マッドマックス』シリーズのもじりである。本作執筆時とても時間がなかったため、『Dr.スランプ』のアシスタントを務めていたひすゎしに加え、もう1人アシスタントを雇った。しかし、鳥嶋和彦によって話がボツにされ、必死で描き直してやっと間に合ったのだという。「愛読者賞」での順位は2位。

あらすじ

かつてドラゴンによって荒らされた国が存在した。人々は洞窟に避難し、状況打開のため会議を開いた。会議の末、人々は巨大な冷蔵庫を作り、その中にドラゴンの大好きな酒を入れておびき寄せ、閉じ込めた上に氷漬けにする計画を思いつく。ドラゴンが寝静まる頃を見計らい、着々と進められたその計画は見事成功し、国は平和になった。

それから水洗便所のように果てしない年月が流れた現代。ドラゴンの暴れていた国の跡地はグングン軍の支配下に置かれるようになり、逆らう者は容赦なく抹殺され、2人の姉妹だけが生き残って暮らしていた。彼女達は荒野にそびえる謎の巨大な冷蔵庫を守り続けていた。

そんなある日、何処からかやってきた若者がその地に足を踏み入れたことで冷蔵庫の扉が開かれてしまう。

登場人物

若者

本作の主人公。本名不明。酒が大好きなマイぺースな男。ビールを求めて荒野を彷徨っていた所、巨大な冷蔵庫を発見するが、ニべア達に怪しい人物とみなされ捕らえられる。結局悪人ではないと判断され、彼女から酒を提供される。のんびりとした人物であり、冷蔵庫からドラゴンが出現した際にも全く動じず、一緒に酒を酌み交わしていた。片腕を負傷したらしくギプスを巻いているが、実は腕っぷしがとても強い。後にニべアとの間に子どもをもうける。

ニべア

グングン軍の独裁に反抗する美女。若者を油断ならないと見て縄で縛りあげるが、グングン軍に攻撃されている最中でも他人事のように動じない彼に呆れて酒を振る舞う。弓矢を武器としている。ドラゴンに襲撃された国の末裔らしく、冷蔵庫を守り続けているが、中に何が隠されているのかは知らない。最終的に若者との間に3人の子ども達を産み、さらにもう1人を妊娠した。

ムヒ

ニべアの妹。非常に小柄な体格。グングン軍に襲撃された際に対空機関砲で敵を撃退する。最後のコマには成長した彼女の姿が描かれている。

ぺガサス

若者の愛犬。主人同様酒を飲む。背に羽根が生えており、空を飛べる。岩肌に刺されていた冷蔵庫のコンセントを酔っ払った勢いで引っこ抜き、中で氷漬けにされていたドラゴンを復活させてしまう。

ノンスメル

グングン軍総帥。国のあちこちで爆撃を仕掛け、冷蔵庫のある地区を除いた全土を支配下に置く。ニべアに自身のガールフレンドになるよう迫るがことごとく拒否され、彼女諸共爆破しようと総攻撃する。若者が懐柔したドラゴンの襲撃に遭うも逃げのび、若者を殴り殺そうとするが1撃で返り討ちにされた。

剣歯竜(サーべルドラゴン)

大昔に国を襲った巨大なドラゴン。頭部はトリケラトプスを思わせる形状をしている。鋭い牙に角、翼を持ち、空を飛び回る。単行本表紙によると体の表面は水色。酒が大好物であり、この嗜好を利用した国の人々の計画により、巨大な冷蔵庫の中で長い間氷漬けの状態で封印されていた。

冷蔵庫のコンセントが抜かれたことで解凍され、扉を突き破って現世に姿を現す。若者から酒を貰ったことで意気投合し、最終的に彼らに助力し、グングン軍を壊滅させる。

その後はその地に残り、若者やニべア達と共に仲良く暮らしている。

CHOBIT

概要

昭和58年(1983年)10号掲載。45貢。読みは「チョビット」。「♡おいでませトントン村の巻♡」、「♡その名はチョビットの巻♡」、「♡かえれない・・・の巻♡」の3話構成。本作もまた「愛読者賞」作品である。アメリカのテレビ番組『かわいい魔女ジニー』から主人公がイメージされている。「愛読者賞」で掲載する順番をくじで決める際、鳥山が1番くじを引いてしまったため、結局前2作と同様に時間がない状態での執筆となった。アンケートでの結果は3位であり、鳥山によれば「ひどいめにあった割には人気があまり無かった」とのこと。

あらすじ

トントン村の頼りない駐在の山野麦文は、ある日パトロール中に突如飛来してきた小さなティーポット型のUFOを発見する。

その中から現れたのは、手の平サイズの小さな宇宙人チョビットだった。

登場人物

山野麦文(やまのむぎふみ)

トントン村の駐在を務める21歳の青年。両親は1年前に暴れ牛に轢かれて死んだため、亡き父親の後を継いでいる。

真面目だが、不器用で間の抜けている面があり、村では頼りない印象を持たれている。しかし、気のいい性格で心優しく、唯一の移動手段を失い故郷に帰れなくなったチョビットの面倒を見ることにする。

チョビット

惑星マイクロンから地球にやってきた宇宙人の女性。とても小さいこと以外は地球人と同じ外見のため、麦文には終始外国人だと思われていた。

超能力者であり、「ちょいなちょいな!」と唱えるだけでサイコキネシス瞬間移動巨大化といった能力が使える。

麦文に誤って飲み込まれた上に排泄によって外に出され、挙句栗丸にUFOを破壊されてしまうなど、とことん損な役回りが多い。

麦文から優しくしてもらったことで彼のサポートをするようになる。

単行本表紙では金髪だが、鳥山による別のイラストでは青髪になっている。

山野竹の子(やまのたけのこ)

麦文の妹。5歳だが、兄と違って理知的でしっかり者。家の家事全般は彼女が担当している。

山野栗丸(やまのくりまる)

麦文と竹の子の弟。生後1年半。チョビットの乗ってきたUFOを壊してしまう。

吾作さんと仁吉さん

豚が前者、牛が後者。天下一の御馳走がポークカツレツビーフステーキかで喧嘩していた。

カキ泥棒

村人の家から柿を盗み、人質ならぬ柿質にとっていた。リンゴは嫌いらしい。

CHOBIT2

概要

昭和58年(1983年)フレッシュジャンプ6月号掲載。18頁。『CHOBIT』の続編。舞台が農村から西部開拓時代を意識した町並みに移されており、鳥山が気に入っているマカロニウエスタンの影響が出た作品。前作のリべンジとして発表したが、また不発に終わった。この頃より、後に鳥山作品にアシスタントとして深く関わる松山孝志が雇われるようになる。

あらすじ

よその町の警察を手伝うことになった山野麦文は、チョビットと兄弟と共にタンタン町(タンタンタウン)にしばらくの間滞在することに。

登場人物

山野麦文(やまのむぎふみ)

トントン村の駐在。村があまりにも平和すぎて暇を持て余していたことから、竹の子、栗丸、チョビットと共にタンタン町を訪れ、町の警察署に所属する。そこで出会った婦人警官のメリーに一目惚れする。終盤ではふい撃ちマックに射殺されるが、チョビットによって蘇生し、結果的に極悪犯とは知らずにマックを警察署に届けて賞金を貰う。

チョビット

地球に滞在することになった小さな宇宙人。常に麦文と行動を共にしており、麦文がメリーに首ったけになると彼女に嫉妬する。ふい撃ちマックを連行した褒美にメリーが麦文にキスをしようとした際、超能力を用いて麦文の顔面にパンチを入れさせた。

署長さん

タンタン町警察署の恰幅の良い署長。ステーキやハンバーガーなど、常に何かしらを食べている。人手不足のため、麦文に手伝いに来てもらう。

メリー

署長のひとり娘の婦人警官。警官としては優秀だが、スピード違反車をバズーカで砲撃するなど、取り締まりがやや荒っぽい。署で勤務することになった麦文の頬にキスをする。ふい撃ちマックを連行した褒美に麦文に口づけしようとするが、チョビットに阻止される。

ふい撃ちマック

タンタン町のお尋ね者。メリーでも歯が立たない凶悪犯で、200万円の懸賞金がかかっている。彼の指名手配書を見た麦文達は英語が読めなかったため、映画スターだと勘違いしていた。偶然出会った麦文を愛銃で射殺するが、チョビットの能力で蘇られ、弾丸を何発も撃ち込んでも生き返る麦文に仰天し、気絶する。

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