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概要

サラザール・スリザリンの子孫に当たるゴーント家の最後の3人のうちの1人。マールヴォロ・ゴーントの息子、メローピー・ゴーントの兄。ヴォルデモートことトム・マールヴォロ・リドルの伯父に当たる。

本編開始の時点で既に故人であり、アルバス・ダンブルドアハリー・ポッターが憂の篩で見た彼自身とボブ・オグデンの記憶の中に登場する。

容姿・特徴

髪は埃塗れで、目は小さく外斜視。歯が数本欠けているなど不気味な風貌の持ち主。

先祖であるスリザリンからの遺伝でパーセルマウス(蛇語使い)である。作中ではパーセルタング(蛇語)以外で会話するシーンはなく、父のマールヴォロも彼と会話する際は蛇語を使用している。

ヒト語は話せないのかと思われがちだが、家の外から聞こえる当時のトム・リドルの婚約者(当然蛇語など話せるわけがない)の言葉を理解してるため、実際どうなのかは不明。

活躍

父や妹と共にリトル・ハングルトンの反対側の谷にあるボロ小屋に住んでいた。父と同様に純血主義者でマグル生まれやスクイブを蔑視しており、魔法がうまく扱えなかった妹のメローピーをスクイブ呼ばわりし、父と共に虐待同然の仕打ちを行っていた。

ある日、マグルのトム・リドル・シニア(彼はリトル・ハングルトンの地主の息子だった)を魔法で蕁麻疹にした罪で逮捕され(魔法省が記憶を修正したためトム・リドル・シニアはこの一件について覚えていない)、それ以前にもマグルを魔法で襲った前科があったことから3年間アズカバンに収監された。なお、モーフィンにウィゼンガモット法廷への召喚状を魔法省の役人ボブ・オグデンが届けに来た際、息子を守ろうとしたマールヴォロが彼に暴力を振るったためマールヴォロもモーフィンと一緒に逮捕され、こちらは6か月間アズカバンに収監されている。

モーフィンとマールヴォロが収監されている間に、父と兄の抑圧から解放されたメローピーは愛の妙薬あるいはインペリオを使ってトム・リドル・シニアと駆け落ちしてしまい(その後1926年12月31日に死亡)、先に出所したマールヴォロも娘の出奔によるショックから衰弱し、モーフィンの出所を待たずに1927年ごろに死亡。そのため、出所したモーフィンは1人で実家に残って暮らしていた。

1943年8月頃、ヴォルデモートの来訪を受ける。モーフィンは彼が自分の甥であることは知らなかったが、かつて自分が襲い、妹が惚れたリドルという名前のマグルに瓜二つな彼の顔を見て「(メローピーが出奔時に持ち出した)スリザリンのロケットをどこへやった?」と詰め寄る。しかし、逆に自分の杖と家宝の指輪を奪われた挙句、記憶を改竄されてリドル一家殺害の濡れ衣を着せられ、逮捕された。

再度収監されたアズカバンでは、父から受け継いだ家宝の指輪を失ったことだけを気にしていたという。収監中にアルバス・ダンブルドアと面会した際に自身の記憶を提供し、ダンブルドアは彼が無実であると推測するも、釈放は間に合わず獄死した。彼の死によってゴーントの家名は断絶した。

冤罪になった理由

モーフィンによる犯行とされたリドル家の殺人が実は冤罪で、真犯人が別にいることになぜモーフィンも魔法省も気付かなかったのか。作中でハリーが指摘したように、「事件が起きる直前にトム・リドルがゴーント家を訪れていた」という本当の記憶をモーフィンは確かに持っていたが、それは高度な開心術を使わなければ取り出せなかったものであり、実際にダンブルドアがそれを実現したのはモーフィンが亡くなる何週間か前だった。

その上、偽の記憶を植え付けられたモーフィンは自分の犯行を自慢げに(しかも犯人しか知り得ないであろう部分まで具体的に)自供していたため、取り調べや真実薬または開心術を使うまでもなく「犯人に間違いない」と断定されてしまったからである(ダンブルドア曰く「犯行を自供している以上、モーフィンの心をさらに詳しく探りたいなどと思う者はいなかった」)。さらに、モーフィンが純血主義者であり過去にトム・リドル・シニアを魔法で襲った前科があったことは周知の事実であり、「長年に渡ってその機会を待っていた」とも供述したこと、何よりモーフィンの杖がリドル家の殺人で使用されたことがすぐに証明されたことも、誤認逮捕の理由となった。

また、当時のトム・リドルは未成年(16歳)だった。ハリーは「魔法省は未成年が魔法を使うと探知できるはずだ」と自身が経験した出来事(ダーズリー家で浮遊術が使用された件では、実行犯はドビーなのにハリーが犯人だと誤認されている)を引き合いにして指摘したが、魔法省は未成年が魔法を使用したことを探知できても、その魔法を行使した者が誰かまでは特定できないため、未成年でも大人の魔法使いがいる家で魔法を行使すれば実行犯が誰なのか分からないのである(ダンブルドア曰く「魔法省としては、魔法使いの家庭内では親が子供を従わせるのに任せる」とのこと)。

これらの事実を知ったハリーは「そんなのいい加減だ」と憤慨し、ダンブルドアも「モーフィンがどのような者であれ、あのような死に方をしたのは酷じゃった」と同意している。