概要
『小説仮面ライダークウガ』に登場する、グロンギの残党の1人。残党組で一番最初にゲゲルを開始したプレイヤーでもある。
警察の前に怪人態で現れることがなかったため、通し番号が振られていない。
超古代においてクウガ・プロトタイプによりン・ダグバ・ゼバが封印されていた遺跡とは別の遺跡に封印されていたが、ン・ダグバ・ゼバの絶命後にラ・バルバ・デにより復活。自分たちより先に活動していたメンバーがゲゲルに相次いで失敗し壊滅したことを教訓に、リント(=現代日本人)の社会にひっそりと潜伏し、彼らの社会構造を学習して完全に溶け込み、確固たる地位を築き上げ、着々とゲゲルの下準備に取り掛かっていた。
また、前任者たちが白昼堂々とゲゲルを実行していたのに対し、こちらは一見して殺人事件とは分からない暗殺形式の方法を取っている。
階級及びモチーフは不明であるが、ファンの間では知能の高さやゲゲルのルールと手段の複雑さ、そして能力などからゴ集団に所属し、名前からサボテン、あるいは猿種の怪人でないかと推測されている。
ちなみにグロンギ怪人の命名の法則を推察し、さらに下記に記述する能力が『西遊記』の孫悟空の妖術の1つである「身外身(分身の術)」を連想させる事から、一部では特に猿説が有力視されている様だ。
能力
モーフィングパワーによって無機物などを自身の分身体である極小の生命体へと変化させ、その生物を操る能力を持っている。なお、この生物は役割を果たすと変化させた元の物質へと戻るため、現場には証拠が残らない(ただし、ザルボの生命活動が止まってもある程度はこの効果は継続する模様なので、よくよく調べればバレてしまうが…)という特徴を持つ。
なお、戦闘力の方は能力が暗殺向きであることから、同じく暗殺を得意とするゴ・ジャラジ・ダと同じくあまり高くはなかったのではないかという説がファンの間で囁かれている。
人間態
人間社会での潜伏先及び仮の姿は『ナカケンバルブ製造所社長』・中田浩市。
物語が始まる3年前に本物の中田浩市は交通事故に遭っており、顔面に大火傷を負って修復手術をしたととされている。ザルボはそのいずれかのタイミングで彼と入れ替わって本物の中田浩市の戸籍を乗っ取り、暫くの間、リントの言葉や彼らの日常を観察後、ゲゲルの下準備を推し進め、本編が開始される数日前に遂に行動を開始する。
ゲゲル
ゲゲルの方法は自身が成り変わった中田が運営する会社で製造された酸素カプセルを不具合が見つかったリコール対象として回収し、回収した製品のパーツを自身の能力で極小の生命体に変質するように細工して元の持ち主の所へ返し、あるきまった法則(後述)にそって指令を発してカプセルのパーツを極小の生命体に戻すことで故意に不具合を起こして、死亡事故を起こす方法を取っていた。
なお、上記の能力説明にある通り、生命体は役割を終えると通常のパーツに戻る為、その痕跡を見つけるのは至難の業である。
ゲゲルのルールは、7×24マスの表に縦軸に曜日、横軸に時間を設定したゲーム盤となるマスを作り、ターゲットの死亡時刻を全て『00分』となるようにして設定して、マスをダブらせる事無く埋めていくというもの。なお、規定人数は不明。小説版に登場した他のグロンギのゲゲルは全て同時進行で数年以上の準備期間を経ているため、こちらも規定期限は長大あるいは無いものと推測されるが、7×24=168日、あるいはそれにやや猶予を足して9進数でキリの良い数字である171日が期限であるとする説もある。
劇中での活躍
絶対に尻尾を出さないと自信満々に思っていたらしく、当初こそは順調にゲゲルを進めていた。しかしグロンギたちの中では小心者であるらしく、杉田守道 がゲゲルのルールに気づき、真相に辿り着きそうになった為、焦って他のメンバーに助力を乞うというゲゲルの禁忌を破ってしまい、それを知ったバルバによって、彼女により腹部に埋め込まれた『魔石ゲブロン』を抉り取られ、粛清されてしまった。
なお、この時クウガと(恐らくは怪人態で)対峙したらしいが、戦う前に粛清されてしまったため、実際の戦闘能力や無機物を極小の生物に変える能力以外の能力についての詳細は不明である(戦闘能力については上記の通り、あまり高くはないという説が有力視されている)。